読まない空気を閃いた?
勇者が探し物を見つけた!どうしますか?
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俺とユージは小さな声で話しをして右掌同士で握手をする。
「おっさん、俺が勝ったら約束は守れよ?キリッ」
「ユージこそ約束を守れよ?漢の約束だ。キリッ」
「「おう!」」
俺とユージはお互いにニヤリと笑い握手を離し右手を拳に握り拳同士を合わせる。
「よし、それじゃ皆のお楽しみタイ~ム♪次に~球ころに選ばれるのはだ~れ~だっ!ユージ!ケイ!ユリア!スマホを球ころに掲げろー!!」
「「「おうー!」」」
俺の号令でユージとケイとユリアがスマホを球ころに掲げる。
するとなんと言う事でしょう。
ユリアのスマホの画面が輝き始めましたー!
「「「「「「「「「おおー!」」」」」」」」」
「ユリアおめでとう!キリッニカリ!」
「///っ!♥️アラヤさん!ありがとうございます!♥️///」
「ユリアさん!おめでとー!」
「ユージ君!ありがとう!」
「ユリアちゃん!おめでと~♪良かったね~♪」
「ユカちゃん!ありがとう!」
「ユリア!おめでとー!良かったなっ!」
「うん!ケイ君、ありがとう!」
「「「「「ユリアさん!おめでとうございます!」」」」」
「ミリーシアさん!アメリアさん!ティアーナさん!リアーナさんマリアーナさん!ありがとうございます!」
皆で拍手をしてユリアが球ころの管理者になった事を祝福する。
ユリアの目が少し潤んでいた。
俺は球ころに召喚術式の紋様を描くと薄緑色に球ころが輝き始める。
「よし、ユリア球ころに簡単なユリアが覚えて置ける模様を描いてくれ。キリッ!」
「///っ!ハイ!♥️アラヤさん♥️///」
ユリアは球ころに縦に三本の波線を描くと模様が輝き球ころに吸い込まれる様に消えて行く。
「ユリア、球ころに箱庭に戻れって言って見てくれ。キリッ」
「///ハイ!♥️球ころ箱庭に戻って!///」
球ころは台座と一緒に一瞬で細い光の光跡に変わりユリアのスマホに吸い込まれる様に還って行った。
「よし!これでユリアもちょびっと召喚士になったぞ~♪おめでとう!キリッニカリ。」
俺はユリアに拍手をする。
「「「「「「「「おめでとう!」」」」」」」」
皆でユリアに拍手を贈る。
拍手が鳴り止むと俺はユージの右肩に左掌を乗せて声をかける。
「うん、やっぱりユリアだったな。ユージ俺の勝ちだ!キリッ」
「ぐあー!絶対俺だと思ったのによー!負けたー!」
ユージが悔しそうに両手で頭を抱えて反り反り叫ぶ。
「えっ!何おじさんとユージ賭けしてたの?」
「んと…おっさんと誰が選ばれるかを…」
俺はユリアだろうと思っていた。
ユリアのスキルの大半が風のスキルが多かったからだ。
ユージは風と炎は相性が良い筈だから自分だと言い張っていた。
俺の予想は当たった。
「何賭けたんだ?」
「何賭けたの?ユージ?」
「何を賭けたんですか?」
「「「「「何をお賭けになられたのですか?」」」」」
「フフフ、皆まぁ待っててくれ。すぐに解る。キリッ」
「何?何?おじさん!何~♪」
「何だ?何だ?」
「///ワクワクします!アラヤさん♥️///」
「「「「「凄くドキドキします!アラヤ様!♥️」」」」」
「フフフ、ユージ!!約束は覚えているな?」
「マジかよ!!」
「まじだ!」
「マジかよ…ここで?」
「そうだ、こ・こ・で・だ!じゃあないと意味が無いだろう?」
「…わかったよ…わ・か・り・ま・し・た!」
「良く言った!それでこそユージ漢だ!!」
俺は胸の前で右拳を握り親指を上に立てる。
「ユカ!アメリア!ティアーナ!」
ユージは三人の名前を腹の底から声を出して呼ぶ。
「「「ハイ!!」」」
ユカとアメリアとティアーナが驚いて返事をする。
「スーっ、俺、三人の事をマジでめっちゃ大好きだー!俺と、俺と結婚してくれー!!」
ユージは大きく息を吸い込んで大きな声で愛の告白をする。
俺とユージでスマホを掲げる前に負けたら好きな人の名前を全員呼んで皆の前で大きな声で本心からの真剣な愛の告白をしてギューしてブチューすると賭けていた。
俺が負けた場合でもミリーシアとギューとしてぶちゅーとするつもりだったし俺とミリーシアは既に婚姻の契りを交わしているので皆の前でイチャイチャするつもりだった。
「ユージ!!アタシもユージの事大好きー!めっちゃ大好きー!ユージと一緒に結婚するー!♥️」
「ユー君!!私もユー君の事大好きです!とても大好きです!ハイ!ユー君!結婚しましょー!♥️」
「ユー君!!私もユー君の事を大好きですよ!とっても大好きですよ!ユー君嬉しいです!結婚します!♥️」
ユカとアメリアとティアーナはユージの告白に応えた。
ユージはユカを抱き寄せる。
「ユカ!来い!ずっと大好きだー!」
「うん!アタシもユージの事ずっと大好き~♪♥️」
ユージとユカは抱き合ってブチューとキスをする。
ユージは次にアメリアも抱き寄せる。
「アメリア!来い!ずっと大好きだー!」
「ハイ!私もユー君の事をずっと大好きです!♥️」
ユージとアメリアも抱き合ってブチューキスをする。
ユージは次にティアーナを抱き寄せる。
「ティアーナ!来い!ずっと大好きだー!」
「ハイ!私もユー君の事をずっと大好きですよ!♥️」
ユージとティアーナも抱き合ってブチューとキスをした。
「「「「「「「おおー!ヒュー♪ヒュー♪」」」」」」」
「ユージ、漢だな!キリッ!」
俺はユージに右拳を突き出して親指を上に立てる。
「おっさん!ヤッパ俺、皆がめっちゃ大好きだ!ゼッテェ離さねぇ!おっさんにもゼッテェそれは負けねぇ!ゼッテェ皆を守る!皆を泣かせねぇ!ゼッテェ幸せにしてやんよ!!皆で楽しくヤって皆でゼッテェこんなくそ世界から抜け出てやんよ!!」
「オシ!ユージよく言った!!それでこそ漢だ!」
俺はユージの近くに行こうと歩いて球ころの台座があった部屋の中央に近付く。
ピピッピピッピピッピピッピピッ
俺のスマホにノエルからのメールが届く。
立ち止まりメールを読んだ。
『………♥️………………♥️…………♥️
……………♥️…………♥️…………♥️
豊穣の女神の女神貴方のノエルより♥️皆さんに祝福を込めて♥️』
〔タンタンタタン♪タタタンタンターンタタン♪タンタンタンタンターン♪〕
(マインドジェネレータポンプフルムーヴ!マインド・パワー・ブースター・オンライン!コネクト!3.2.1.マーク!マインド・パワー・メーター・フルゲイン!スタンバイ・コンディション・オールグリーン!インフィニティアラヤ、デュアルチェーンソードモード、イキます!!)
《ギュビーン!アイカメラが輝く。》
俺はスマホをウォレットケースに仕舞い右拳を握り天に向かって…思い止まる!
今はそれどころじゃあ無い!
伝えなければ!!
「「「「「「「「「あっ!止まった!」」」」」」」」」
突っ込みをしようと待ち構えていた皆が驚いた声を出す!
ユージの心からの決意表明を聞いたノエル達からのメールを読み俺は大きく頷いて全ての魔法力を言霊に込めて優しく低音の澄み渡る神々に祈りを捧げる様な声で祝福の言葉を紡ぎユージ達に贈る。
『豊穣の女神ノエル様の代弁者の我が伝える。五柱の神々が未来ある若者の誓いの言葉を祝福し叶えると。未来ある若者と未来ある若き乙女と麗しき乙女と清楚なる乙女の婚姻をここに五柱の神々と代弁者の我が共に認める。未来ある若者、未来ある乙女、麗しき乙女、清楚なる乙女、四人に幸あらん事を。豊穣の女神ノエル様の代弁者であり執行者である我の持ちうる全てを用いて未来ある若者とその妻三人の将来に降りかからんとするあらゆる厄災から護ると誓う。未来ある若者と未来ある乙女と麗しき乙女と清楚なる乙女に幸福あれ!四人の若者の新たなる門出を祝い豊穣の女神ノエル様の代弁者として我は五柱の神々に願う。未来ある若者達にささやかな贈り物をと。輝ける未来ある彼らの手元に顕現せよ!トゥルーグロリアスエンゲージリング!彼らに実りある畑の作物と大いなる神々の幸のあらん事を!』
俺は降り注ぐ光を浴びる様に両手を広げて天を仰いで両目を瞑る。
「おっさんが美味しい所持って行った!」
「おじさんがめっちゃ目立ってるー!」
「なんかアラヤさんそれっぽいぞ!」
「///アラヤさん!素敵です!♥️///」
「「「///アラヤ様!♥️素敵です!♥️///」」」
「「///アラヤ様~♥️素敵~♪///」」
俺は両目を開けてユージとユカとアメリアとティアーナに言葉をかける。
「おめでとう!ユージ、ユカ、アメリア、ティアーナ!!本当におめでとう!」
俺はユージとユカとアメリアとティアーナに拍手と祝福を贈る。
ユージとユカとアメリアとティアーナの左手に虹色の光が集束して薬指に光の加減で虹色に輝く指輪が現れる。
(フッ、俺とミリーシアが着けている物と同じ物だがな。)
「スゲェおっさん!スゲェんな事も出来んのかよ!ありがと!」
「わー!おじさん凄い綺麗~♪おじさんありがと!」
「ああ、アラヤ様!凄いです!この指輪から感じるお優しい魔法力!感謝致します!ノエル様と神々とアラヤ様の心よりの祝福を感謝致します!アラヤ様ありがとうございます!」
「ノエル様と神々とアラヤ様に祝福を感謝致します!感じます!ノエル様と神々の御言葉とお優しいその御心をありがとうございます!アラヤ様!!」
ユージとユカとアメリアとティアーナが俺とノエルからの祝福のプレゼントを凄く喜んでくれた。
「どやっ!フッ、…の召喚術士の俺とノエルや神様達からのささやかな結婚のプレゼントだ。おめでとう!」
俺はどや顔をしてユージ達に拍手を贈る。
「おっさん…ありがとよ!」
「おじさん!ありがと~♪」
「アラヤ様!ありがとうございます!」
「アラヤ様!本当にありがとうございます!」
ユージは俺に右拳を突き出して親指を上に立てている。
ユカとアメリアとティアーナは涙ぐんでいる。
「ああ!キリッ!」
俺もユージに右拳を突き出して親指を上に立てる。
「マジかよ…ユージお前いつの間に…」
ケイは何故か少し項垂れて拍手をしている。
「///ユージ君!そうだったんだ~♪ケイ君凄いね!///」
「ああ…スゲェよ…ユージお前スゲェよ!おめでとうー!」
ユリアは跳ねて拍手をして喜んでいる。
(流石だ、ユリア!やるな!その揺れは狙い通りだな!)
ケイも顔を上げて笑顔でユージ達を祝福して元気よく拍手をしている。
「「「ユージ君!アメリア!ティアーナ!おめでとう!」」」
ミリーシアとリアーナとマリアーナが目に涙を浮かべて笑顔でユージ達を拍手をして祝福する。
俺とケイとユリアとミリーシアとリアーナとマリアーナは笑顔で拍手をしてユージとユカとアメリアとティアーナを祝福する。
「おめでとう。」
俺は少し微笑み低音の声で拍手をして言う。
「おめでとう!」
ケイは笑顔で拍手をして言う。
「おめでとう!」
ユリアも笑顔で拍手をして言う。
「おめでとうございます!」
ミリーシアも笑顔で拍手をして言う。
「おめでとうございます!」
リアーナも笑顔で拍手をして言う。
「おめでとうございます!」
マリアーナも笑顔で拍手をして言う。
そして
「「「「皆!ありがとう!!」」」」
ユージとユカとアメリアとティアーナがとても良い笑顔で感謝をしていた。
俺とユージからのちょっとしたサプライズで和やかなムードになり俺達は楽しくお喋りをしながら謁見の間に戻る。
謁見の間の玉座の隣に建ててあるミラージュ・ガード・ドームに俺達は入ると青年と背凭れにされていた全裸の女性と全裸だった女子と際どい伝説の鎧を纏う女性五人がそれぞれ抱き合い泣いていた。
(ほほう、バスタオルがいい感じに破れてなかなかの絶景だな。)
「皆本当にごめんなさい!僕があいつに皆の名前を教えてしまったからこんな目に皆を辛い目に合わせてしまった。僕達はホログラムシステムのバグで違うソフトにログインしたんだと思ってリデアに剣を向けられてゲームの筈なのに全身が傷だらけで血塗れになって意識が無ない皆やリデアを助ける為にリデアの名前を言えばPKを止めて治療をしてくれると言ったのに…皆の名前を言えばこの世界からの脱出の方法を教えるって言われて…皆の名前を言ってしまった。本当にごめんなさい!あんな嘘に騙されて四年間も皆を辛い思いをさせてしまって本当に本当にごめんなさい!」
青年はドームの床に頭を擦り付けて謝罪をしている。
(むっそこだ、女王様!立ち上り頭を踏みつけろ!)
「レメス、もう良いよ。レメスはずっとずっと守ってくれてたもん。私ずっとレメスの優しさにありがとうってごめんねってずっと伝えられなかったけどレメス逃げて!ってここから逃げて!ってずっと心の中で叫んでたんだよ?レメスの事を恨んだりしてないよ!レメスずっと側いてくれてありがとう!」
背凭れにされていた全裸の女性が青年の両手を握り感謝をしている。
(フム、やはりもう女王様には戻りはしないか…仕方あるまい。)
「レメス私も…ぐすっ…レメスを責めるつもり…ぐすっ…ない…ぐすっ。私…えっぐ…があの日に皆をホログラム…ぐすっ…に誘わなかったらこんなこと…にならなかった。私が買い換え…えっぐ…たホログラムを早く…ウウッ…プレイしたくて皆で遊…ぐすっ…びたかったから…ウウッ…皆ごめん…えっぐ…なさい。ぐすっ…」
全裸だった女子が涙を溢して謝罪をしていた。
(フム、年齢はユージとユカと同じくらいだな。胸はフム、ユカより少し小さいか。)
「レメスはアタシ達を見捨てないてくれたもの。一人で逃げる事も出来たのに逃げないでアタシ達を守ってくれてたもん。レメスもう謝らないで泣かないで。」
青年は背凭れにされていた全裸の女性と際どい伝説の鎧を纏う女性五人に泣きながら謝罪をしていた。
女性達は青年を許していると言っている。
(ほほう、ミリーシア達程の高さは無いがこの位置からならばなかなかの絶景だな。)
「青年。自分を責めるな。それにここに今いる君達の内の誰の責任じゃない。この城の馬面口髭男の罪だ。あいつは彼女に生き地獄を味合わされて今頃本当の地獄に堕ちているだろう。」
「本当に…もうあの馬顔男は死んでるの?」
全裸だった女子が俺に聞いて来る。
(フム、なるほど。やはりユカより小さいな。)
「ああ、俺が見ていた。跡形もなくこの世から消えた。キリッ」
俺は応える。
「もうあの犬顔男も?」
「ああ、間抜けな犬面男も跡形もなくこの世から消えた。キリッ」
「あの威張っていた爺も?」
「半分禿げた痩せた爺の事かな?キリッ」
「そう!貴方と話しをしていたあの爺!」
「そうか、君は正面を見ていたから斜め後ろは見えていなかったのか。あの爺は俺に投げられて罠の扉に串刺しになった。そのあとは壁と同一化して瓦礫と一緒に粉々になった。キリッ」
彼女達はあの馬鹿共に散々弄ばれた様だ
かなり恨みがあった様だ。
(フム彼女達がホワイト・シグナルまで進行してしまった理由はぞんざい扱いを受けてきた怒りや憎しみの様だな。許せんな。下衆共め!)
「今日から君達はこの世界にいる間は偽名を名乗り互いに偽名で呼び合うようにするんだ。持ち物に名前が入力されている物があるのならそれらも偽名に変更出来るのなら変更するんだ。それだけで隷属のアクセサリーに怯える必要が無くなる。」
俺は青年達の前に片膝を立てて座り目線を合わせて話しをする。
「えっ!そんな事であの呪いをすり抜けられるんですか?」
青年が凄く驚いている。
青年が何故自分だけが隷属されていないのかを考えた事がない様に驚いていた。
(まぁそれだけ追い詰められていたと言う事か。)
「ああ、あれはこの世界の何処かの馬鹿の浅知恵で作られた出来損ないの呪いの道具だ。一番簡単な回避方法は隷属のアクセサリーの装着者に名前をフルネームで教えない事だ。次は排除するか躊躇うのなら奪い取り破壊する事だな。」
「あんな強力な呪いの道具が出来損ないだったなんて…」
「偽名では全く反応しないし狙われた者が呼ばれた名前を愛称やアダ名だと認識するだけでも反応をする事がない。隷属のアクセサリーが隷属を強いる者の名前をフルネームで正確に認識していないと反応しない様な呪いの道具は出来損ないの証だ。」
「確かにリデアが僕の名前の愛称をあの変態に教えたけれど僕は縛られなかった。」
「長い名前を愛称で短く呼んだり少し変えて呼ぶ習慣はどこの世界でもよくある事だからな。」
ジェニファーをジェニーと短く呼んだりマイケルをマイキーと少し変えて呼ぶ事もある。
「そうですね。でもあいつらは何故あんな事になったのですか?」
「ああ、とても間抜けな話だ。呪いの道具を呪う対象に着けず支配する者が装着するなんて自分達を狙って憎んで殺せと言っているような物だからな。隷属のアクセサリーは本来この世界の魔法力の弱い人に対してのみ使える道具なんだ。」
「えっ!そうだったんですか!でもリデア達は呪いに縛られていましたよ?」
「ああそれはだな、外部から膨大な魔法力が隷属のアクセサリーに常に供給されていたからなんだ。だから外部から供給されていた膨大な魔法力が何らかの原因で滞り始めると隷属されている者の強い怒りや憎しみなどの様々な抑圧された感情の爆発で不完全に隷属の呪縛から解放されて近くにいる隷属のアクセサリーの装着者達がああいう結末を迎えると言う間抜け過ぎるお粗末な物だ。隷属のアクセサリーの装着者のあれは自業自得だ。」
球ころの事は敢えて伏せておく。
外部に漏れては俺達の目的に支障が出る。
俺は肩を軽く竦めて青年達に話す。
厄災の事を知りながら使用し続けている馬鹿達は自分達に降りかかる厄災を自分達で招いている事に気付かない事に呆れていた。
「なるほど!」
「あー青年達、この世界に来た時に来ていた衣服があればその衣服に着替えた方がいい。この世界の衣服や防具に慣れてしまうと身体が順応して力も身体能力も落ちてしまう。そうなるとひ弱に脆弱になってしまうぞ。」
「そんな!!」
青年が驚いている。
知らなかった様だ。
(フム、それであの威勢の良い事を恥ずかしげもなく言えたのか。)
「元の世界の衣服があるのなら着替えた方がいい。キリッ。」
「僕の服はあります!」
「私もあります。」
「アタシもあるの」
「私も残してある」
「私もあります!
「アタシも持ってる!」
「私隠してる」
「私もある!あいつらが私の服を持って行こうってしていたけど持ち上げられなくて諦めて置いて行ったの。」
あの口髭男と禿げた爺はやっぱり変態野郎だった。
(フム!女性を椅子にするような奴らは根絶せねばなるまい。)
「青年はだいたいこの世界の脆さは解るだろう。君達は隷属されて色々力を抑制されていたから実感が無いと思う。この世界の一番重要な事を覚えて置いてくれ。この世界は君達の基準値よりも-10000の脆弱な世界だと言う事だ。元の世界で何か特別な力がもし使えるのならそれもこの世界だと+10001以上の能力となる。魔法力のコントロールが出来る様になればまぁ日常生活には苦労しなくなる。魔法力のコントロールも無理に意識をしないで普通に接触するといいだろう。椅子に普通に座る、建物の中を普通に歩く、ベッドに普通に寝る事が出来ていれば次第に魔法力のコントロールも自在になる。俺達もそうだったからな。と言う訳で着替えて来るといいだろう。キリッ」
「ハイ、じゃあ急いで着替えて来ます!」
俺達が破壊して入って来た謁見の間の扉に青年は足早に歩いて向かって行く。
(フム、走るとお好み焼きの鎧が破損するのだろうな。ゆっくりと歩くがいいだろう。男の尻など見たくはないのでな。)
「///ハイ!ありがとうございます!よく解りました!でも私一人で着替えるのは少し不安です。…チラッ///」
「///うんうん!アタシも部屋で一人で着替えるのはなんだか怖いかも。誰かいてくれるといいな。チラッ///」
「///そうだね!誰かいてくれると私も安心して部屋で着替えられる、この鎧脱ぎにくいから。チラッ///」
「///そうだよね!脱ぎにくいよね。私も誰かいてくれると安心です。一人で着替えるのは…。チラッ///」
「///あの私も部屋で着替えるのは少し不安です。鎧を脱ぐの誰か手伝ってくれると助かります。チラッ///」
「///わ、私も誰かいてくれると安心して着替えられる。鎧を脱がして欲しい。チラッ///」
「///鎧を一人で脱ぐのは難しいから誰か手伝ってくれないかな?一人だと時間がかかるんですよね…チラッ///」
「///うんうん一人だと怖い。鎧を安心して脱ぎたいです。チラッ///」
何故か女性達が一人では不安で着替えられ無いと言っている。
(フム?城には警戒する様な気配はないのだがな?)
ユージとユカとケイとユリアが俺の顔をじっと見ている。
俺の脳内で何かが光を放ち閃いた!
俺は初めて空気を読んだかもしれない!
(ムム何か感じたぞ!俺も感じた!ユリアにはこれが見えるのか!勿論ガン見に行くつもりだったが!)
思考時間0.05秒
○着!
「それなら着替えている間は俺達が側にいて警護しよう。青年は男だから一人で大丈夫だな。陽炎も使える。女性一人と言うのは確かにまだ安心は出来ないな。敵地で女性が一人で着替えをするのはもしもの時には危険だな。よし、俺達は女性達の部屋を見守りに行くとするか。キリッ」
「///オオー♪おっさん♪仕方ねぇなぁ♪了解♪///」
「///ったく、あんたは、解ったよ俺も行くわ♪///」
「///も~♪おじさんしょうがないな~♪くふふっ♪///」
「///ハイ!♥️アラヤさんに着いて行きます!♥️///」
「「「「「///ハイ!♥️アラヤ様!♥️///」」」」」
俺は皆と同じ空気を読んだ様だ!
「えっ?」
謁見の間を出ようとしていた青年だけが空気を読まずに間の抜けた声を出した。
勇者が景色を見に行こうとしている!
どうしますか?
いっしょにみにいく
うしろからついていく
こっそりついていく
はきまわりをする
あなをほる
ふかくあなをほる
うえからつちがかけられる
だんだんうまる
こしまでうまる
よそうをする
うごけなくなる
むねまでうまる
たすけをよぶ
じょうおうさまがみえる
つちをかけてもらう
どきどきする
もっとかけてもらう
わくわくする
ゆうしゃがかけていた
なんだかあたまにくる
やめろとさけぶ
じょうおうさまがみえる
つちをかけてもらう
またうれしくなる
くびまでうまる
どきどきする
じょうおうさまがみえる
わくわくする
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