表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/61

大地に墜ちた二つの太陽?

勇者が遠くを眺めています!どうしますか?


ならんでながめる


うしろからながめる


はなさきがくっつくきょりでみつめあう


ようすをみる

メグレティア王国王都マウテレティ。

城砦外縁壁の後方に山脈を背負い難攻不落の要塞感を醸し出している。

(フッ俺達に障子紙の張りぼての壁でしかないのだがな。)


しかし立派な石造りの城砦外縁壁とは裏腹に城砦都市の周辺には草も(まば)らにしか生えてなく樹木などの森林は一切見当たらない。

田畑なども見当たらない。

俺は片膝を立てて座り右掌で大地を触り土壌探査スキルを使う。

大地に精霊の加護が無い事が見てとれる。

(ちっ、やはり土壌状態は不良か。やれやれだな。山の神の加護も大地の神の加護も無く精霊や妖精達の命すらここまで喰らい尽くしたか愚か者共め。明日はジェネシス・ベヒモスとここにいるユニバース・ベヒモス達で…いや、まだそれはあとからで良いだろう。)


城砦都市の西側にある湖を都市の水源としている様で水は豊富の様だ。

(フム、新たな浴槽とプールが期待出来るな。ユカやユリアやミリーシア達が喜びそうだ。ついでにユージとケイもな。)


山脈より吹き下ろされる山風が尚一層冷たく感じる。

山には草木も無く生気も感じられない。

岩肌の露出した岩山と言うしかない。

(フム、これが神の加護も無い山の姿なのだな。正に禿げ頭…いや禿げ山だな。)


メグレティア王国はこの世界で最強の鉱石オミエルコン最大輸出国らしい。

オミエルコンの大量輸出を餌に第二強国に取り入っていると言う事らしい。

(ほほう、お好み焼きか。なるほど、その手もあるな。フム、では夕食はお好み焼きパーティーにするか!)


俺達は城砦都市の約10Km程の主要道らしい平坦な場所にビッグ・ミラージュ・ガード・ドームを建ててその周辺を俺が山の様に所持している害獣用虎挟み罠と害獣用強力粘着剤板を隙間なく嫌がらせに張り巡らせた。

俺達がビッグ・ミラージュ・ガード・ドームを建てる場所を見つけた時には既に城砦都市の城砦外縁壁門正面の外側にずらりと兵隊が配置され沢山の篝火が焚かれていたのをケイが感知出来たので往来のど真ん中に堂々と目立つ様にビッグ・ミラージュ・ガード・ドームを建ててやった。


「あ~♪お好み焼き(製品加工LV75)鬼美味しかった~♪オオ♪オオー♪♪おじさん向こうの兵隊達やる気満々だね~♪街の周りにびっしりいるね~♪なんかワクワクする~♪」


夕食のお好み焼きパーティーが終わりベンチで寛いでいるユカがファンタジー・ファーマー・ファクトリーを楽しみながら楽しそうに言う。

(フム、ユカは風呂上がりには…なるほど。なかなかの景色だな。)


「まぁやる気満々なのは今の内にだけだろう。隷属のアクセサリーやそれに追随する武器を持っているから自信たっぷりなんだろうけどな。余程あのお好み焼きが自慢らしいな。」


俺はミリーシアと仲良くベンチに座り食後の炭酸ジュースのボトルを二人で回し飲みをしていた。

(くっ!左腕がっ!挟まれているっ!いつの間に!やるな、ミリーシア、実に良い。)


「なぁアラヤさんあいつら、この程度の(もん)じゃ俺のジャブも止めらんねぇ事をマジで知らねぇの?」


ベンチに座るユリアに膝枕をしてもらって寝ているケイは俺が馬鹿ドワーフから引き千切った鎧の一部を新聞紙の様に縦に細く引き裂いて遊んでいる。


「まぁ情報の伝達が遅いのと俺達の情報を掴み切れて無いからだろうな。カバリナス王国の王都陥落くらいは伝わっているだろうけど俺達がどんなやり方で王都を落としたかまでは詳しく伝わっていないだろう。」


「えーっ!おっさんマジで?俺の活躍知られてねぇーのぉ?」


ユカと仲良くファクトリーのLV上げをしていたユージが残念そうな声を上げる。


「ユージ残念だが、多分ユージの突撃は伝わっていないだろうなぁ。」


「ンダヨ~。折角目立ったのによー。」


ユージはがっかりしている。


「まぁ明日またやらしてやるから。明日は沢山いるから手加減してスキップで楽しそうに突撃しろよ。」


「スキップ?んなのした事ネェよぉ~。幼稚園の時ぐらいにやったくれぇだよぉ~。」


「え!うそ、ほら、こんなかんじ。フフンフンフン♪」


俺はベンチから立ち上り両手を腰に当てて食堂ドームの内を軽やかにスキップを踏んで跳ね回る。


「私もご一緒します♪」

「私も♪」

「あっ私も♪」

「///アラヤさん私も♪///」

「私もご一緒します♪」

「ご一緒します♪私も♪」


とミリーシア達とユリアも俺の周りを楽しそうにスキップして跳ね回る。

(おおっ!これは見事な揺れの共演だ!至福の絶景だな!)


「おじさんめちゃ楽しそ~♪アタシもやる~♪」


ユカもミリーシア達に加わり楽しそうにスキップを踏んで跳ね回る。

(ムム、ユカ!見えるぞ!俺にも見える!!)


「アラヤさんあんた若けぇな…どっからその若さ来てんだ…」


「そんな物はミリーシアと…」


皆でスキップを踏んでケイのベンチの周りを跳ね回る。


「うわぁー!ストップ!!あんた!空気読め!!今何言おうとした!!」


「ん?ケイ、俺はミリーシアとかアメリアとかマリアーナとかリアーナとかティアーナとかユカとかユージとかユリアと毎日楽しくプールとかで遊んで仲良くしてるって言おうとしただけだぞ?別にミリーシアとベッドでゆっくりたっぷりのんびり色々堪能してイチャイチャしてるとは言おうとしてないぞ?」


俺達はケイのベンチを囲んでスキップをして跳ね回る。


「あんた今言ったじゃねぇか!」


「あっ…てへ♪」


「おっさんのてへは可愛くネェよ!!」

「あんたのてへは可愛くねぇよ!!」


ユージとケイから可愛くないと突っ込まれた。

少しショックだった。

少しだ。

ちょびっとだ。

ほんのちょびっとだ。

ちょびっと落ち込んでいると


「///アラヤさんそんな事ないですよ!アラヤさんのてへは可愛いですよ♪///」


ユリアが可愛いと誉めてくれた。

(フム、ユリアは俺をよく判っているではないか!やはり君はっ!ムムっ!ユリアも風呂上がりは、そう来るのか(着けてないのか)!見える。俺にも見えるぞ!ユリア!)


「えっ!ちょっユリア?あれはただのオヤジだぞ!ただのドスケベオヤジだぞ!騙されるな!今もガン見されてんだぞ!声がいいだけのオヤジだぞ!」


「ケイ君。声がいいのは凄い事だよ?ケイ君アラヤさんみたいな声出せる?」


「…でねぇ…」


「///でしょ?だから良い声を出せるアラヤさんは凄いんだよ♪///」


俺達はケイのベンチを囲んでスキップを続けている。

ケイは何故か落ち込んでいる。


「で、おっさん明日はどんな感じでやんの?」


ユージは華麗にユリアをスールした。

次はユージの座るベンチを囲んで俺達はスキップをする。


「あー、まずあの防衛線みたいになってる人垣を正面衝突で蹴散らして城に入って球ころ奪って王様っぽい奴とか貴族っぽい偉そうな奴等の隷属のアクセサリーをぶっ壊してぐだぐだ言う奴等がいるのならまた俺が向日葵の種をバラ撒く。その時は皆は見なくて良いし手を出さなくて良いからな。」


「おっさん…」

「おじさん…」

「あんた…」

「アラヤさん…」

「「「「「アラヤ様…」」」」」


見なくて良い物は若いこの子達には見せたくは無いからだ。

(フッ、手を汚すのは俺だけで良いのでな。)


「あとは隷属されている到来者達を適当に解放してあとはその到来者達に任せる。到来者達も恨みを晴らしたいだろうからな。俺達は貰う物を貰ったら王城を跡形もなくいつもの様に耕やす。そんなとこだな。」


「ヤッパおじさん手加減してやるの?」


ユカが手加減をしなくても良いのではないかと聞いてくる。


「まぁ俺達の本当の目的は人殺しじゃ無いからな。出来るだけ人死は避けたい所だな。まぁ《歩いて来た男(飛んで行った男)》とかぶよぶよに太った男達みたいな馬鹿なら容赦しないし到来者を玩具(オモチャ)にしているなら更に容赦しない。生きて来た事を後悔させてやる。」


「「「「「その通りです!アラヤ様!」」」」」


ミリーシア達が声を揃えて賛同する。

ぶよぶよに太った男達や馬鹿ドワーフに味合わされたミリーシア達の屈辱や恥辱は消える事はないだろう。


「あっ、そうだ覚えているだろうけどもメグレティア王国の到来者の一人は半端な風の神の加護の持ち主らしいからそいつには気を付けてくれ。どんな加護かは解らないからな。そいつの陽炎の事もノエルからメール来てただろ?」


「おっさん来てた来てた。」

「うん、おじさん来てたよ~。」

「ん、アラヤさん来てた。」

「ハイ。アラヤさん来てました。」


「うん、OKだな。メグレティア王国はノエルの管轄じゃ無い(ノエルは信仰対象外)から詳しい事は解らないらしい。それに元々風の神セフィルの管轄の(風の神を信仰する)国じゃ無いらしなくてセフィルの加護自体がこの国にほとんど届いていないから余計に到来者達の様子が解り辛いらしい。」


「え!おじさんこの国の神様はセフィルじゃないの?」


「ああ、メグレティア王国は元々山脈に沿って建っていた国で山の神の管轄だったらしい。あの山脈の中腹に山の神の大きな神殿があったらしいが魔王の城として神殿は跡形も無く破壊され原初の勇者達と一緒に崩落したらしい。」


「「「「「神殿を破壊!なんと酷い事を!」」」」」


ミリーシア達エルフが節介楽しそうにしていたスキップを止めて怒りを露にする。


「その後山の様々な厄災が頻繁し始めると山と川の中間にあった風の神の神殿からメグレティア王国の先祖達が球ころを盗んだ挙げ句に神殿を埋めて城砦都市をその上に建設して今に至るそうだ。」


俺とユカとユリアはユージ座るベンチの周りでスキップを続ける。


「アラヤさんそれじゃ厄災の始まりを作った国は山の神様を殺したのは…メグレティア王国ですか?」


スキップをやめたユリアの瞳に涙が浮かぶ。

俺はスキップを止めて背表紙の擦り切れた古い本を一冊ストレージから取り出す。

するとユカもスキップを止める。


「ああ、本格的な厄災の始まりの引き金を引いたのは建国初期のメグレティア王国だな。確か…この本だったな、ぶよぶよに太った男の本棚にあった本だ。山の魔王討伐物語真書。あー、これだ。えーと、遥か(いにしえ)の山の裾野の国の国王は山の魔王(山の神)の持つ山を自在に掘削出来る万能の道具と山も破砕する事が出来る強力な武器欲しさに山の魔王(山の神)を殺す事を考えていた。更に山の魔王(山の神)が持つ道具や武器と同じ物を造れると言う鉱石の採れる山の魔王(山の神)の住む(神殿)の山を採掘して手に入れようと考えていた。ある日山の裾野の国王達が行った儀式により原初の勇者達が訪れた。原初の勇者達は人並み外れた力と魔法力を持っていた。原初の勇者達は知らぬ内に山の神の加護を受けていた。山の魔王(山の神)の万能の道具や強力な武器を原初の勇者達が自在に扱える事を偶然に知った古の山の裾野の国王は大人しくて優しい山の魔王(山の神)を酒の宴の席で(そそのか)し万能の道具や強力な武器を騙し取り原初の勇者達に密かに渡し涙ながらに偽りの話しを語り始める。


『山の厄災を度々起こし国を滅ぼそうとしている狂暴な魔王なのだ。どうかその勇気と力で山の魔王(山の神)を倒してくれまいか?』


と原初の勇者達に偽りの願いを申し出る。偽りの願いと知らずに快く引き受けた原初の勇者達は山の魔王(山の神)(神殿)で万能の道具と強力な武器を山の魔王(山の神)に返すと見せ掛けて万能の道具と強力な武器で山の魔王(山の神)を殺害する。原初の勇者達が使ったその万能の道具や強力な武器は山の神の加護の力で万能の道具であり強力な武器だった。しかし山の神が死んでしまうとただの普通のありふれた道具とただの普通のありふれた武器に戻り原初の勇者達も山の神の加護が無くなりただの普通のありふれた人間達に戻ってしまった。そして原初の勇者達は山の魔王(山の神)を殺した後の山の魔王(山の神)(神殿)を破壊して欲しいと頼まれていた通りに破壊をしていると山の魔王(山の神)(神殿)が崩落して原初の勇者達は山の裾野の国に二度と帰って来る事は無かった。と、これが真の厄災の始まりの物語だな。」


俺は山の魔王討伐物語真書の真実の要点を本を読みながら掻い摘んで皆に説明をした。

(フム、ムムム、若干老眼の様だな。やれやれだな。)


「山の神様やりきれねぇな。信用して渡した自分の武器で殺されるなんてよぉ。」


「本当に…ぐすっ…それ以来火山の噴火や山崩れや地震が頻繁しているんですよね。ぐすっ…」


ケイはベンチから立ち上りユリアを抱き締めての背中を優しく撫でて慰めている。

(フム?ユリアはケイに強く押し付けていない様だな。)


「そうだな。だからメグレティア王国は山崩れや噴火に巻き込まれない様に山脈から離れて風の神の神殿の上に城砦都市を建てた訳だ。地震の被害の少ない頑強な地盤の土地にな。」


「あーそれでおっさんあれを派手にやる訳だー!」


ユージの目がキラキラと楽しそうに輝く。


「そう言う事だ。明日はメイガン達(クソヤロウ達)にぶつけられなかった怒りを思い切り吐き出して構わない。初っ端から言葉に込める魔法力は全開で構わない。但し対人戦は手加減を忘れるなよ?城砦都市の住人の避難誘導は俺に任せろ。不完全な加護持ちの到来者の相手は俺に任せてくれ。少し考えがあるからな。他の到来者達にも気を付けてくれ。まぁ隷属されている到来者達はドームタックルで片付くだろうけど油断はするなよ?」


「「「「おうー!」」」」

「「「「「ハイ!アラヤ様!!」」」」」


ユージとユカとケイとユリアは声を合わせて拳を上に揃って突き上げミリーシア達も真剣な綺麗な顔で声を返事をして合わせて大きく頷ずいた。

俺達はベンチを寄せ集めて座り夜が更けるまで楽しく笑ってお喋りをしてお休みの挨拶を皆でしてそれぞれの個室ドームに戻って行った。

俺とミリーシアは個室ドームに戻るとベッドでゆっくりたっぷりのんびり色々堪能して朝までぐっすりと眠った。






皆で朝食を済ませてゆっくりと寛いで無駄に大量に仕掛けた罠とビッグ(大きな半円形の)ミラージュ・ガード(ビニール)・ドーム(ハウス)を収納して俺達はユニバース・ベヒモス達に乗り込みメグレティア王国王都マウテレティ目前まで突き進んだ。

ユニバース・ベヒモスから降りて城砦都市正面に向かい俺達は陽炎を纏いユージ、ユカ、ケイ、ユリア、俺、ミリーシア、アミーナ、アメリア、マリアーナ、リアーナ、ユキーナ、ティアーナと横一列に並ぶ。


九台のユニバース・ベヒモス達から低い低音の動力音の唸りが一度大きく上がるとメグレティア王国の兵隊達から悲鳴に似た野太い響動めきが上がり隊列が乱れる。


いつもの様に俺はノエルにお願いのメールを送る。

ノエルから勿論快諾のメールが届く。


俺は大きく深呼吸をして右腕を前に真っ直ぐに突き出し掌を兵隊達に翳して言葉に魔法力を少し込めて宣告をする。

低音の俺の声が遠雷の様にメグレティア王国の空から響き渡る。



『我らは豊穣の女神ノエル様の代弁者であり執行者である!メグレティア王国王都マウテレティに住まう無辜なる民達並び王城に召し抱えられし者達よ。即時西方の湖畔へと王都マウテレティより避難せよ!メグレティア王国国王並びその配下の者共は我ら執行者としりながら我らの行く手を幾度と無く阻み今も尚、兵をあげ反逆の意を示した。それに対し我らは報復としてこれより王城を破壊し蹂躙し耕し畑とする事となった!更に先に我が命じた到来者達の解放もせずに未だ隷属呪縛を継続している!これは我の言葉を軽視したものと見なし咎無き到来者達への虐待と捉え我の命ずるままに隷属の装飾品全てを渡さぬ場合にはメグレティア国王並びその配下の者共のその身の保障は一切ない!今一度伝える。王都マウテレティに住まう無辜なる民達並び王城に召し抱えられし者達よ、即時王都西方の湖畔へと避難せよ!これより我々は豊穣の女神ノエル様の執行者として王城に向かい進軍する!刃向かう者は覚悟を持って我らに向かって来るがいい!これは最後通告である!』



俺は右腕を湖と反対側に真っ直ぐ伸ばして右手人差し指で指し示し言葉に魔法力を少し込めて命令を下す。


『隊列全機獣ユニバース・ベヒモス(週間変更☆LV6)九機!並列走行し城砦都市マウテレティ外周を我が停止を命ずるまで蹂躙し耕し尽くせ!!』


俺の声に呼応して九台のユニバース・ベヒモスが横一列に並び低音の動力音を揃って唸らせる。

後部アタッチメントが揃って大地に爪を突き立てる。

回転式の並んだ刃が高速回転をし大地を掘削し掘り返す。

一段低い低音の動力音を唸らせ大地を抉りかき混ぜ蹂躙し湖と反対側にゆっくりと進む九台のトラクター。

(フム、のどかな風景だ。)


メグレティア王国の兵隊達から野太い大きな響動めきが上がり整列をしていた兵隊達が列を大きく乱して野太い大きな悲鳴を上げて武器や隷属のアクセサリーを次々と地面に投げ捨てて湖に向かって走って逃げて行く。

見る見る内に城砦都市正面にいた兵隊達は一人もいなくなった。


「おいおいおっさん、誰もいなくなったじゃ~ん?」

「あーあ~おじさん、誰もいなくなったね~?」

「マジかよ、アラヤさん、誰もいねぇ~ぞ?」

「うわー、誰もいなくなっちゃいましたね~?アラヤさん」

「「「「「アラヤ様見事に誰もいなくなりましたね?」」」」」


「えーと、やり過ぎた?」


皆を見回して俺は右手の人差し指で右頬を軽く掻く。


「「「「「「「「「「「うんうん。」」」」」」」」」」」


皆が胸の前で腕組みをして大きく二回頷いた。

(ほほう、組まれた腕に持ち上げられて…ウム、なかなかの景色ではないか。)


「うんうん。」


俺も腕組みをして大きく二回頷いた。



「「せーの!ファイヤーボール!」」


俺とユカが唱えた初級の火魔法で出た二つの巨大な炎の球が王都に向かいゆっくりと転がり地面を焼き焦がしながら投げ捨てられた武器や隷属のアクセサリーを跡形もなく焼き尽くして行く。


王都の湖側の門が開いた様で大勢の住民達が大きな悲鳴を上げて走り出て来る。

王都に向かい転がる二つの巨大な炎の球を見て更に大きな悲鳴を上げて次々に大勢で湖の湖畔へと向かって逃げて行く。



『ハッハッハッハッ!見るがいい!その目にこの光景を映し刻むがいい!豊穣の女神ノエル様の執行者に刃向かいし者の末路の始まりを!ハッハッハッハッ!大地が大地が引き裂かれ抉られて行く!ハッハッハッハッ!ハッハッハッハッ!大地が抉られ蹂躙されておるわ!ハッハッハッハッ!まるでハッハッハッハッ!まるで畑の様だ!ハッハッハッハッ!ハッハッハッハッ!』



王都から逃げている住民達を少し脅かすつもりでほんの少し魔法力を込めて仰け反る様に声を高らかに上げて笑うと俺の周りを放射状に強風が渦を巻いて吹き荒れる。

湖に向かい逃げている大勢の住民達が更に大きな悲鳴を上げて走り去って行く。


「「「「自分で耕せって言ったよね!!畑だよ!」」」」

「「「「「「「アラヤ様!間違い無く畑です!」」」」」」」


ユージとユカとケイユリアから揃って突っ込まれてミリーシア達からも突っ込まれた。

ユカとユリアとミリーシアとアメリアとリアーナとティアーナとマリアーナ女性達が両手で強く押さえている裾が強風に激しく煽られていた。

(フム、悪くない。これは実にいい景色だ。)


「うんうん。」


俺は腕組みをして大きく二回頷いた。

勇者がまた耕し始めました!どうしますか?


いっしょにたがやす


てつだう


みまもる


すこしずつせいちをする


ぶるとーざーでじならしをする


しょべるかーでうめる


ゆうしゃにみられる


よそうをする


うんてんせきからおろされる


ゆうしゃにくびをつかまれる


ゆうしゃになげられる


やしきをとびこえる


ひろばをとびこえる


はたけになったおしろにをとびこえる


はたにからまる


とほうにくれる


ゆびをさされてわらわれる


なく


あんまりだーとなく


はたにきれめがはいる


だんだんはたがやぶれる


からだがすこしづつさがる


すこしかんがえる


かんがえるのをやめる


むひょうじょうになる


むひょうじょうになる


むひょうじょうになる


からだがさらにさがる


おんなゆうしゃがはしごでのぼってくる


せんしもはしごをのぼってくる


むごんでくびをさゆうにふる


おんなゆうしゃがちかづいてくる


ぽーるがゆれる


むひょうじょうでみつめあう


おんなゆうしゃがさらにちかづいてくる


はたがさらにやぶれる


さらにせんしがのぼってくる


むごんでくびをさゆうにふる


ぽーるがはげしくゆれる


ゆうしゃもはしごをのぼってくる


ぽーるがさらはげしくにゆれる


むごんでくびをさゆうにふる


ようすをみる←

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ