扉を開けるには突撃する事が一番早い。
勇者がテントを建てています!どうしますか?
てつだう
たたんでしまう
とらっくでもちにげをする
ようすをみる←
俺達は世界樹の苗木の受け渡しを終えてビッグミラージュガードドームを収納してリンメル草原からユニバースベヒモスに俺達はいつもの様に乗り込み出発をすると辺りの景色が波打つ様に歪むとカバリナス王都の城門前に瞬時に移動した。
「隊列の全ユニバースベヒモス九機、カバリナス王国城門前に転移後そのまま目的地まで緩やかに速度を高速まで上げて前進せよ!」
ユニバースベヒモスの新スキル行った場所まで瞬間移動を披露した。
俺のスマホにユカから通話着信が来る。
「おじさん!凄いじゃん!マジであっと言う間だね~♪」
「だろ?でもここからは何時もの長旅だからゆっくりしていいぞ~♪」
「うん♪アタシLV上げとからやんなきゃイケないから暇潰しにちょうどいい~♪それじゃ~♪」
「ハイよ~♪」
カバリナス王都にまだ二人のエルフ達のユニバース・ベヒモスの存在地点がカーナビに映っていた。
二人に何かあればユニバース・ベヒモスが守る筈なので心配はいらないだろうと思っていた。
俺達は休憩を挟みながら六時間程そのままメグレティア王国を目指して進み昼食と休憩をして同じ様に休憩を挟みながら六時間程進みメグレティア王国の国境手前10Km程の森の横にビッグ・ミラージュ・ガード・ドームを建てて今夜の宿泊地にすることにした。
俺は二人のエルフ達のユニバース・ベヒモスに俺達の現在地のマーカーを送った。
皆で交代で二つの風呂ドームに入り入浴後にゆっくりと夕食を済ませて食堂ドームで寛いでいた。
ミリーシア達エルフは元々から念話が出来ていたので離れていてもお互いの近況は判るらしい。
二人のエルフ達の彼氏達と四人の到来者達の解放には少し手子摺っている様だと俺達はミリーシアから聞いた。
どうやら守備隊隊長が二人のエルフ達に隷属の腕輪を渡さないらしく守備隊の隊長室からも出て来ないらしい。
解放すると自分達が彼等に何をされるか判っているから解放しないと言っていたらしい。
俺は打開策をミリーシアに伝える。
「ミリーシア、俺が今から言う話しをカバリナス王都の住民達に聞こえる様にわざと大きな声で広場で触れ回れと伝えてくれ。隷属の呪縛の自然解放がもし到来者達に起これば鬱積された怒りで王都が厄災に襲われた様な大惨事になると。更に私達二人は豊穣の女神ノエル様の執行者が守備隊隊長が到来者達の隷属の腕輪を破壊せずに到来者達を隷属したままの事に怒りを露にして隷属の腕輪を受け取りに行くようにと仰せつかって来た使者だと。守備隊隊長に隷属の腕輪と王国の全国民の明日とどちらをとるのか選べと守備隊の宿舎の前でも叫べってな。」
「えっ!おじさんカバリナスの王都を潰しちゃうの?」
ユカが心配そうに俺に聞いてくる。
俺は首を左右に軽く振ってにこりと笑って言う。
「いやぁ、これはただの煽りだ。まぁこれを聞いてもこのまま守備隊隊長が自分の命欲しさに隷属の腕輪を渡さないでいたら王都の住民達の暴動が起きて守備隊全員は潰されて死ぬ事になるだろな。守備隊隊長は住民達に引摺り出されて広場で処刑されて死ぬ事になるだろう。腕輪を渡したあと解放されたエルフ達や到来者達は守備隊をフルボッコにする程度か例え誰かを殺しても守備隊兵何人かと守備隊隊長一人くらいだろう。住民達は巻き込みはしない。」
「んぐっんぐっプハァ、あーうめぇ~♪ヤッパビールだわ♪ブフッ!結局、守備隊隊長はどう転んでも死ぬのか。でもよ、アラヤさんあんたなんでそれ言い切れんの?」
ケイはケイ印の缶ビールを旨そうに喉を鳴らして飲んで俺に不思議そうに聞いてくる。
「ケイいいか、もしエルフ達や到来者達が王都の住民達に手を出すとするだろう?今度はようやく解放された到来者達が厄災認定されてしまう訳だ。最近、馬鹿ドワーフが厄災として処刑されている事は到来者達にも理解出来ている筈だ。ならば到来者達も自分達が危なくなる様な事はしないだろ。俺も一応呼び掛けた時に解放しないとその身に降りかかると忠告はしたからな。」
「あーなるほど納得だわ。」
「んくんくっ、あーおじさん前に勇者なら力を振るうなって言ってたよね?」
ユカはボトルのジュースを飲んでいた。
「だろ?ユカよく覚えていたな、よしよし。」
右隣にいたユカの頭を撫でる
「えへへ。」
「それに折角助けに来てくれた美女の二人のエルフの目の前で残酷な殺戮劇を披露したがる狂暴な男達はいないだろ。そんな男達は速攻で嫌われるぞ。それこそ百年の恋も冷めるだろ?そんな事をすれば女性はドン引きだ。」
「納得!!」
「私もそんなの見たくないです!」
「「「「「そうですね!」」」」」
「あー確かにおっさんそりゃ嫌われんな。」
「納得だわ。アラヤさん。」
女性達は皆即答だ。
ユージもケイも納得した様だ。
ミリーシアはすぐに念話でエルフ達に俺の言った事を伝えている様だ。
「こう言う時はな少し群衆を煽って偉そうにしている奴に責任転嫁をしてやれば嫌でも偉そうにしている奴は応じるしか無くなるんだ。只でさえ家とか街がぶよぶよに太った男達の責任で壊されたと思っていて不満の溜まっている住民達なんだ。間違いなく責任者を吊し上げ様とする。住民達の目の前で守備隊が俺達に喧嘩を売っていたのを見ている筈だ。アファルセル王都の時の広場の時の様に誰の責任だ!宰相は何処だ!議長は何処だ!って探してただろ?あれと同じだ。群衆心理って奴だ。」
「あーそのあとに俺達が街を離れてからメイガンとビゼル親子と議長も死んだんだっけ?おっさん。」
「ああ、そう言う事だ、ユージ。あの時俺は責任者の名前を言っただけだ。」
「ごくっごくっヴぁっ、あー確かにおっさんさらっと馬鹿親子とメイガンと議長だって言っただけだったな。うん。」
ユージはボトルの炭酸強めのジュースを飲んでいる。
「俺はメイガンや議長を処刑にしろとは一言も言っていない。でも王様や女王達や大臣達や民衆達が処刑の判決を下した。責任者の追及、糾弾それでも許せないから処刑。そう言う事だ。」
「「「「なるほど。」」」」
「アラヤ様はその処刑された者達は妥当だったと思われているのですか?」
アメリアが少し悩んでいるように俺に聞く。
「あー、アメリア達は俺が何故この世界に憎しみに近い感情を抱いているのかを話していなかったな。これは先に言っておくな。俺は別に平和の為に無償で命をかけて戦う正義の味方でも無いしこの世界の人々をあらゆる厄災から救う英雄でも救世主でもない。ある日いきなりひん死の重症を負わされて無理矢理拐われて奴隷にされかけて滅茶苦茶頭に来ている俺達はただの一般人だ。」
「「「「うんうん!」」」」
「「「「えっ!一般人?アラヤ様程のお力で!?」」」」
「ああ、心臓に病を抱えている極普通の一般人だ。」
「「「「「えっ!そんな!」」」」」
「まぁでも毎朝のユカの治癒魔法のお陰で調子は凄く良いから大丈夫だ。」
「えへへ。」
俺は感謝の気持ちを込めてユカの頭を優しく撫でてアメリア達にニッコリと笑顔を贈る。
アメリア達はホッと胸を撫で下ろして頬を紅く染めている。
(なかなかの絶景だな。見事だ)
「俺達が一番この世界で憎むクソ男二人が欲望を満たす為に召喚儀式を反対している女王達を黙らせて半ば強引に行った召喚儀式の承認と許可を許したアファルセル王国の宰相メイガンと勇者召喚承認議会議長のクソ男共だ。」
「そんな事が!アラヤ様がその二人にお怒りする理由が理解出来ました。その二人が既に死んでいるのにアラヤ様がそこまで憎む理由は何故ですか?」
マリアーナは俺の憎しみの深さを感じている様だった。
「ああ、それはそのクソヤロウ達が俺達を集団で誘拐した理由がクソヤロウが俺達を隷属呪縛をして使役しクーデターを引き起こし王族を皆殺しにして王国を乗っ取る為の手駒にするつもりだったからだ。」
「「「「そんな事を!私利私欲の為にアラヤ様を!許せません!」」」」
マリアーナ達が声を合わせて怒りを滲ませる。
「だろ?更に世界第二位の国と第四位の国と連合を組んで世界の支配権を握る為に俺達を戦争の兵器として利用出来なくなるまで使い潰す事を計画に入れていた。例えあのクソヤロウ二人が死んでいたとしても俺は許せない。」
「っざけんのも大概にしろっつうの!クソメイガンが!」
「マジであのメイガンの墓ごと殴り潰してぇ!」
「アタシもー!メイガンマジ地獄に落ちればいいと思う!」
「私もメイガンも許せません!」
「「「「お怒りのその通りです!アラヤ様!」」」」
ユージとユカとケイとユリア達のメイガン達への怒りが再燃する。
マリアーナ達もメイガン達に怒りを燃やしている。
メイガンの日記は馬鹿正直に細かく詳細が書かれていた。
誰にも読まれる事はないと思っていた様だ。
俺達は城の破壊前に皆で日記を読みメイガンの計画を知った。
俺達は球ころの選定前にノエルとのメールのやり取りの中でも更に詳細な計画も知る事が出来た。
(全く策士策に溺れると言う奴だ。愚か者め。しかもノエルにまで祈りで嬉々として詳細な報告するとはな。お前の事を神々の中でも一番怒っていたのはノエルだ。数多の人々の命を代価にして欲望のままに豊作を祈るとは愚か者過ぎる!)
皆の怒りのボルテージが上がりつつある。
今は少し下げて置かないとボルテージを上げるのは王都に付いてからだ。
話しの矛先を少しずらす。
「まぁ色々あってノエルのお陰で見つけた俺達の目的の為にはどうしても球ころの力が必要となる。その球ころの力の余波で到来者達が隷属の呪縛から自然解放された時に起こる可能性のある厄災からの被害を減らす為に隷属からの解放を促しているだけだ。リンメル草原も俺達の目的の為に畑を耕しているだけだ。」
ユージやユカやケイやユリア、ミリーシア達も頷いている。
俺はファクトリーで生産したアラヤ印の缶コーヒーを喉を鳴らして半分ほど飲む。
(フム、なかなかの出来映えだ。)
「はぁ、そうだな…。アラヤさんの言う通りに怒り狂った可哀想な奴等の起こす人災に近ぇ厄災を減らてぇだけだしな。んぐっんぐっ。」
ケイがため息混じりに思いを言葉にして吐き出してビールを飲む。
「ああ、到来者の手で起きる物はこの世界で自然に起きる厄災だとは俺は思って無い。到来者達の言葉に言い表せ無い行き場の無い怒りそれが厄災魔王の配下復活と言う物の正体だ。それは少しでも減らしたいと俺は思う。」
「ああ、アラヤさんの言う通りだよな。」
ケイは目を閉じて唇の端を噛み締めている。
「だからこの世界の支配者気取りの馬鹿達が死のうが生きようがどうなろうと俺の知った事じゃ無い。ふっ、それだけだ。」
俺は肩を軽く竦めて気軽に言う。
「俺はおっさんに一票~♪」
「アタシも一票~♪」
「俺もあんたに一票♪」
「私もアラヤさんに一票です♪」
「「「「私達もアラヤ様に一票です♪」」」」
ミリーシアは念話中なので左手を上げている。
満場一致だ。
皆やはり怒りは秘めている様だ。
「まぁ正義の味方なんて何処かのお人好しの誰かがヒーロー気取りで頭の中が壊れた馬鹿が支配者を演じている世界の平和を自分が隷属された事を横に置いてそれでも守りたいと思う偽善者が勝手に正義感を暑苦しく振りかざして守ればいいだけだからな。」
「ぎゃははははは!おっさん、おっさん、その言い方だと悪役の台詞に聞こえんぞ?」
「ワッハッハッハッハッ!我にかかって来るが良い。勇者よ!ワッハッハッハッハッ!て感じか?」
俺はベンチから立ち上り右腕を前に伸ばして掌を広げて掲げて笑ってみせた。
「あっはははははは!おじさんウケる!あっはははははは!」
「まぁ、俺もあんたと同じ気持ちだわ。俺やユリアをこんな世界に拐って来た奴等に同情する気は全くねぇし。こんなふざけた世界なんかさっさと滅びちまえばいいって思うわ。」
「ああ、俺もケイと同じ様に考えてたよ。」
俺はベンチに座りケイと同じ様に怒りのままに考えていた時の事を言った。
「///でもアラヤさんは少しでも世界その物を+にしようとしています!私はそんなに優しいアラヤさんを尊敬します!///」
「ありがとう、ユリア。でもなそれは優しさからじゃない。気紛れに思い付いたついでだ。俺に耕されたそこら辺りの土壌が改善されてその畑で採れた作物を食べて世界の何かが+になれば良いと思っているくらいだよ。まぁ俺達以外の他の事や世界の事はどうでも良い事だけどな。」
「フフ、やっぱりアラヤ様はお優しいですね。」
念話の終わったミリーシアが微笑み俺の目を真っ直ぐに見詰めて言う。
(くぅっ!流石エルフ、見詰めるだけでこの破壊力とは!)
「ついでにで世界のバランスを+にとお考えになられるアラヤ様はとてもお優しいお方です。」
ミリーシアが俺の左肩に頬を寄せて微笑む。
(くっ!腕がっ!左腕が挟まれて封じ込められてしまった!しかし実に良い。)
「つ、ついでにだ。ついでに。」
「ふふ、おじさんミリーシアさんの前だと悪ぶってもバレバレだね~♪」
「悪ぶ、ぶってる訳じゃあ無いぞ!ホント事を言ってるだけたけだ!」
「フフフ、アラヤ様はとてもお優しいお方です。本当に他の事がどうでも良いのなら私達をこうしてお側に置いてくれない筈ですもの。」
「そ、そ、そんな事はな、な、無いぞ。お、お、俺はべ、べ、別にほ、ほ、ほ、他の事も世界の事なんかどーでもいいし!ミリーシア達は他の事じゃ無いからだからだからな!」
俺は言葉が上手く喋れなく成る程動揺していた。
(ウム、見事な絶景は世界の宝だからな!)
「ギャハハハハハ!おっさんおっさん無理すんなって噛みまくりで顔真っ赤だぞ?ギャハハハハハ!」
「おじさん♪おじさんが優しいの皆知ってるって♪」
「///アラヤさんが優しい事は皆知ってますよ!勿論私も///」
「ウンウン、判ってる判ってるって。アラヤさんあんたがめちゃ優しいのは知ってんよ。城で兵隊ぶっ飛ばした時からな。」
「「「「「///私達もアラヤ様のお優しさは初めてお会いした時から判っております!///」」」」」
ユージが腹を抱えて笑っている。
皆が俺を優しいと言う。
照れくさ過ぎて顔から火が出そうだ。
(ええぃ!撤退だ!撤退!緊急離脱だ!)
「も、も、も、もう今夜はここまで!じゃあお休み!皆!」
「それじゃ皆さん、おやすみなさい♪」
俺はベンチからミリーシアと立ち上り二人で食堂ドームを出る。
「おじさん、ミリーシアさんおやすみ~♪」
「おっさん、ミリーシアおやすみ~♪」
「アイよ~♪アラヤさん、ミリーシアおやすみ~♪」
「ハイ♪アラヤさん、ミリーシアさんおやすみなさ~い♪」
「「「「アラヤ様、ミリーシアおやすみなさい♪」」」」
後ろから皆のおやすみの挨拶が聞こえて来た。
宿泊地のビッグ・ミラージュ・ガード・ドームを収納してメグレティア王国の国境の関門までユニバース・ベヒモス達の中速走行で15分も経たずに到着した。
「なぁ、おっさん。あれどーする?」
俺とユージはスマホで通話中だ。
ユージの言うあれとは目の前に絶壁の様に聳え立つメグレティア王国の大きな城砦関門の事だ。
谷の間に城の様な壁が高く築かれている。
流石は周りを山と敵対国に囲まれた山間の国の関門だ。
関門の大きな扉は固く閉じられ開く気配はない。
「あー、あれか。一応忠告だけしとくか。突っ込むぞーって。」
「いや、おっさんでけぇぞ?あの門の扉!」
「ああ、デカイな。だが大丈夫だ。ユージ、召喚魔法は伊達じゃないと言う事を見せてやる!キリッ」
「おっさん…俺にキリッは意味ねぇし。マジで突っ込むのか判った♪キリッ」
「じゃあ、皆に一斉送信してくれ、ユージ。」
「ハイよ~♪」
俺はいつもの様にノエルにお願いをする。
ノエルから快諾の返信を貰う。
俺は声に魔法力をほんのちょびっと込めて低めの低音の声で宣告をする。
『我々は豊穣の女神ノエル様の代弁者であり執行者である。我々がメグレティア王国が王都に向かう故に即刻関門を開門せよ!開門せぬのであれば推し通る!我々執行者の行く手を阻むのであれば覚悟せよ!返答は待たぬ!開門せぬのであれば即刻退避せよ!』
俺の声にユニバース・ベヒモス九機が呼応して魔法動力部が一斉に揃って唸りを上げユニバース・ベヒモス達は走り始める。
《ピンポーンパンポーン。良い子にご注意です。トラクター九台揃ってのエンジンの空ぶかしはやめましょう、近所迷惑です。走行中のトラクターの屋根に立つ事も大変危険です。真似をしないで下さい。》
俺は走行しているユニバース・ベヒモスのコックピットドアを開け吹き付ける風に負けずにコックピット上部に登り立ち上がる。
両目を瞑り魔法力を高める。
向かい風に負けない程の強風が俺の周りを放射状の渦を巻いて吹き荒れる。
俺は両目を見開き右腕を真っ直ぐ前に向け伸ばし左手で右手首を掴み右掌を開いて前に翳す。
魔法力を言霊に込めて紡ぐ。
『我の声に応え我の元に来たれり!!我が箱庭より荒ぶり顕現せよ!機獣ジェネシス・ベヒモス!!』
城砦関門に向かい空間を切り裂く閃光が走り大気と大地を揺るがし震わせる凄まじい動力音が轟々と轟き響き渡る。
太陽に照らされて更に激しく業火の中で燃え立つ様な深紅の巨体。
大地を抉り喰らいつく巨大な4輪の車輪が回転し雄々しく進む。
剛爪を鈍く光らせ獰猛な回転式の刃が揃い並ぶ後部アタッチメント。
『機獣ジェネシス・ベヒモス!!我が眼前の関門を討ち砕き最大加速で突き進め!!隊列の全ユニバース・ベヒモス九機!!ジェネシス・ベヒモスに続き最大加速で突き進め!!』
大気と大地を揺るがし震わせる凄まじい動力音を轟かせジェネシス・ベヒモスが雄々しく猛々しく猛然と城の様に聳え立つ関門に突き進む!!
大地を力強く蹴り土を巻き上げて進む4輪の黒い車輪。
太陽に照らされて更に紅く輝く九台連なる車体。
ユニバース・ベヒモス九台が列を連ねて勇ましく動力音を上げて加速して突き進む!
俺はコックピットドアを開けてコックピット内に戻りシートに座る。
城砦関門とジェネシス・ベヒモスとユニバース・ベヒモスの距離が一気に縮む!
関門の城砦上部には人の気配は無くなった!
関門から離れる様に気配が逃げている!
更に轟々と轟音を上げて加速するジェネシス・ベヒモスとユニバース・ベヒモス!
俺はユニバース・ベヒモスのコックピットシートに深く座り胸の前で腕組みをして右掌で口元を覆い不敵に笑う。
ケイからスマホに通話通信が来る。
「勝ったな。」
俺が低音の声でケイに言う。
「ああ。」
ケイは一言だけ応えて通話を切る。
ジェネシス・ベヒモスとユニバース・ベヒモス達に衝突の衝撃は一切なく城砦関門は派手な破壊音を立てて突き抜けられ崩れ落ちる。
落下してくる大小の瓦礫が雨の様に降り注ぎ爆走し通り抜けるジェネシス・ベヒモスとユニバース・ベヒモスに直撃する。
ジェネシス・ベヒモスとユニバース・ベヒモスは何事もなく進み雨の様に降り注ぐ瓦礫は全て粉々になり飛び散る。
ジェネシス・ベヒモスとユニバース・ベヒモスはただ何時もの様に最大加速で進んでいるだけだ。
『ハッハッハッハッ!この程度の関門ごときで我々を阻むなど笑止!!ハッハッハッハッ!見ろ!あの関門が、関門がまるでただの瓦礫の山の様だ!ハッハッハッハッ!』
スマホに皆から届いたメールの内容は同じだった。
『『『『今ジェネシス・ベヒモスで突っ込んだよね!!関門完全に瓦礫の山だよ!!』』』』
ユリアも突っ込みを覚えた様だ。
ピピッピピッピピッピピッ
ノエルからメールだ。
『守谷克哉さん!!久々で感激しました!!また素敵な召喚姿を見せて下さい♪とても素敵でした♥️
豊穣の女神貴方のノエル♥️より』
俺はスマホをウォレットケースに仕舞うとコックピット内で立ち上がり右拳を天に…コックピットの天井に拳を強くぶつけシートに慌てて座り左手で右拳を包み激しく痛がりながら暫く独りで悲しく寂しく呻いていた。
トラクターで安物の障子紙の壁に加速して突き進む様な物。
破壊音だけが派手に響いただけだった。
爆走しているユニバース・ベヒモスのサイドミラーに瓦礫の山に変わった関門が遥か後方に映る。
俺は皆に一斉送信をする。
『このまま休憩予定地点まで進むぞ~♪』
すると返信が届く。
『ハイよ~♪』
ユージから。
『うん♪』
ユカから。
『アイよ~♪』
ケイから。
『ハイ♥️アラヤさん♥️』
またユリアからの♥️が二つも付いていた。
(ふっ、可愛い奴め。ユリア。)
俺はミリーシア達に聞こえる様に声に魔法力をほんのちょっぴり込めて少し高音の声で話す。
『このまま隊列の全ユニバース・ベヒモスは休憩予定地点に向かいます~次の休憩予定地点まで一時間~一時間で~ございます~』
ジェネシス・ベヒモスを先頭にユニバース・ベヒモス九機は列車の様に列に連なって警笛を長めに鳴らしてメグレティア王国の大地を力強く突き進んで関門を次々に突破して王都を目指して爆進して行った。
勇者が門に突撃してきました!どうしますか?
もんをまもる
もんのうえからいしをなげる
もんのうえからつばをはく
もんのうえからもんくをはく
もんのうえからもちをまく
もんのうえからおかしをまく
ゆうしゃがおかしをひろう
ゆうしゃからおかしをねだる
ゆうしゃからおかしをうばう
ゆうしゃにくびをつかまれる
よそうをする
ゆうしゃになげられる
そらにとんでいく
やしきをとびこえる
おしろをとびこえるとへいしからゆみでうたれる
なんとかよける
はたけのあなにおちる
そのままうめられる
そのままねる
そのままねがはえる
からだがふえる
からだからめがでる
そだつ
どんどんそだつ
おおきくなる
いもがそだつ
いもをさんぞくにかられる
なく
かえせとなく
やきいもをゆうしゃにもらう
なきながらいもをたべる
ちいさくなる
どんどんちいさくなる
みえなくなる
ようすをみる←