腐った川と至福の谷間?
勇者は畑を作り始めた!どうしますか?
とめる
あやまる
もういちどうめる
みずびたしにする
けものをよぶ
いしをなげる
じゃりをまく
てつだう
てつだうふりをしてうめる
せいちをする
まちをつくる
むらをつくる
おしろをおしえる
やしきをおしえる
ようすをのぞく
ようすをみたきになる
よそみをする
きにぶつかる
ようすをみる←
夕陽が射してくる頃にようやくジェネシス・ベヒモスとレギオン・ベヒモス達が一度目の往復をして帰って来た。
取り敢えず今日はここまでにしておこうとジェネシス・ベヒモスとレギオン・ベヒモス達を還した。
俺は片膝を立てて座り畑に土壌探査のスキルを発動してみる。
(フム…城の時とは違うな。やはり魔法力を多少含んだ物を土壌に混ぜ混まねばならない様だな。大地の力の足りない草だけでは魔法力が不足しているのだな。フム。王様の言っていた様にやはり獣やモンスターなどを粉砕して混ぜる事が良い様だな。更に水の問題だな。フム。どうしたものか。)
「おっさんどーよ?畑の感じわ?」
ユージが暇そうに歩いて来て俺の横に胡座をかいて座る。
「ん~土が全く駄目だな。魔法力養分が足り無さ過ぎる。肥料はなんとかなるんだけどな。含有魔法力15%だな魔法力養分が無い。」
「魔法力養分?なんだそりゃ?」
「この世界特有の成分らしい。精霊や妖精達から空気や土に与えられていた物らしい。ユージあの川の水は飲むなよ?腹を壊す訳じゃないが不味いぞ。」
「マジで?」
「ああ、さっき少し舐めたが匂いもあるし苦味がある。多分山に原因があるんだろ。舐めて見るか?」
ユージは頷いて川に歩いて行き川の水を人差し指に着けて舐める。
「ぐぇっ!くっせぇ!ニッゲェ!まっずィ!っんだっこれ!」
唾を何度か吐きながらユージは戻って来て座る。
「ユージこれを食っとけ。あのままだと畑には使えない。精霊や妖精がほぼいなくなったからだろうな。他にもな。」
俺は葡萄をユージに差し出す。
「だな。ありがと♪うめぇ♪他にも?ん~…」
しばらくユージは考えていた。
「んー!山…?あー山の神様がいねえから?」
「多分な。確証はないが山の神の加護が無いのと川の女神の加護も無いからだろうな。」
「うへぇ。神様が二人分足りねぇから?」
「三人分だな。大地の神もだ。」
「マジでか…それでここの奴ら良く生きてんな?」
「ああ本当に。まぁだからあんなに脆くなっているんだろう。」
俺は左手を見つめる。
まだあの感触が残っている気がしていた。
「あービゲルの手か?気にすんなっておっさん。」
ユージが右手で俺の左肩を軽く二回叩いて慰めてくれた。
「ああ。ありがとな。でも茹で玉子より柔らかくてふにゃふにゃだったぞあり得ない程に。」
「おっさんとケイがぶっ飛ばした奴らも?」
「あいつらは俺もケイもかなり手加減して殴ったからな。治癒魔法も直ぐに掛けられていたからな。ユージが刺した男も歩いていた。」
「…なんか豆腐を刺した様な手応えだった…」
「まぁ、実際これだからな。」
俺は掌程の石を魔法力を少し込めて握り潰すと簡単に粉々になった。
「俺が怪力になった訳じゃなくこの世界の構造自体が脆くなっているんだろう。ユージもあの男を刺した事は気にするな。」
「…でも…俺が刺したんだし…」
ユージがナイフの刃をタオルで何度も拭いている所を見ていた。
まるで罪を拭う様に。
ユージ自身を責める様に。
俺は左手でユージの右肩を二回軽く叩いて慰める。
「あいつらはユージを殺すつもりで刃物を向けたんだ。正当防衛だ。王族直属の近衛兵隊程の実力者達なら武器を抜かずに静止を促す事も出来た筈だ。だが奴等は抜刀して威嚇をして来た。まぁ俺達には焼き菓子にチョコを塗ったお菓子みたいな武器だけどな。それでも十分に正当防衛だったと俺は思うぞ?」
武器倉庫に入った時に剣や槍を壊すとお菓子の様に信じられない程に簡単に折れたのだ。
「…良いのかよ。気にしなくて。」
「ああ。殺す気で刃物を向けられたらやるしか無いだろ。前に見たアニメで言ってた台詞で『撃って良いのは撃たれる覚悟のある奴だけだ!』てな。ユージに武器を向けたんだ。奴らも殺す覚悟も殺される覚悟位あっただろう。近衛兵隊だからな。だから気にするな。ユージのその優しさにユカは引かれているんだ。荒っぽく見られるだろうけど俺はユージは優しい良い男の子だと思っている。俺の事を心配してくれた。会ったばかりだったのに。ナイフ持っていたけど。ぷっ。」
「//そりゃ心臓が悪ィって聞いたら心配すんじゃね?普通。//」
照れるユージが可愛くて頭をくしゃくしゃ撫でてやった。
「それがユージの優しい所だな。ユージは刃物の怖さも扱いも知っているからだろうな。居合い術か?」
俺は胡座座りをしたままの姿勢で刀を居合い風に抜刀する仕草を見せる。
「!!おっさん何でそれ知ってんだ!」
俺の指摘にユージは立ちあがり驚いていた。
「まぁ座れ。城でナイフを使った時だな。見事な斬り口だったからな。癖の無い腕の振り抜きも見事だった。剣や槍がスッパリと綺麗に斬れていたからな。俺もこの年齢だ。色々見てきた。剣道じゃあ無い居合いか剣術だろうなってな。」
ユージは胡座をかいて座り話し難そうに話しをする。
「…俺の家がさ…やってんの。そう言うのを。兄貴が跡継ぎだから俺にも覚えろって言われてしょーがねぇから習ってたけどなんか色々面倒クセェし作法がどうのこうの刀の扱い方がどうのこうのって歳とった爺い弟子のおっさん達がウルセーからそれで中二の時辞めた。」
「なるほどな。でも身に沁み付いていたんだな。ユージの陽炎見て思った。」
「俺もマジでびびった。俺の陽炎が鎧だったの見てマジでびびった。あっ でもおっさんの陽炎て見た事ねぇけど どんなのなんだ?」
「ああ。今も出てるんだけどな。」
「は?」
「見えない?」
「うん。」
「上をよーく見て見ろ。」
ユージは空を見上げる。
「上を?…空じゃん。」
ユージは空をじっと眺めてる。
「よーく見て見ろ。」
「はぁ!?あんな上に何で陽炎出てんの?」
「まぁデカイと言うか…。夕飯の時に皆に言うか。」
「チョイおっさん簡単にでいいから教えて。なんかモヤモヤすっから。」
「端的に言うと皆 俺の陽炎の中にいるんだ。」
「はぁ?マジで?」
「マジで。だから皆少し怒り安くなって無いか?」
ユージは腕組みをして考えていた。
「ん~?どーなんだろ?俺あんま変んねぇ気がするし。ユカはあんま変んねぇよ?」
「そっか。俺だけか?怒りっぽくなっているのは。」
「そっか?おっさん滅茶苦茶優しいじゃん。んで、ほかの勇者達も陽炎ある奴いんのかな?」
「ノエルのメールにはいるって書いてあったな。でも加護が無いらしい。」
「へっ?加護無くて陽炎あんの?」
「うん。ユージは剣闘士って解るか?」
「あー映画の丸い所で見せ物見たく闘う奴ら?」
ユージは指で輪っかを作って言う。
「そう。隷属されていたけど剣闘士で勝ち抜いて自由になった勇者だって。」
「そいつが陽炎使えんの?」
「うん。でも加護が無いから下手したらこの世界に順応して」
「ちょい待って。じゅんのーて何?」
「ああ。この世界に溶け込むって言うか慣れてしまうって言うと解るか?」
「溶け込む…弱くなんの?」
「そう。だからあんまりそいつの事を怖がる必要は無いかな。」
「でさ、この世界て結局なんなの?」
「簡単に言うと壊れてもうすぐ無くなる世界だな。」
「はぁー?マジで?」
「うん ノエルのメールに書いてた。だから厄災は放置でって。」
「あー書いてたな。くそっ!そんなに世界にユカを!っザケやがって。メイガンのクソヤロウぶっ飛ばしときゃ良かった!」
「ん~多分もう死んでるな。メイガン。」
「マジで?」
「うん。多分だけど俺達があの街出てから処刑されているんじゃないかな。馬鹿親子と議長と」
「マジで?」
「うん。俺達を誘拐したのはメイガンと議長のせいだって俺言ったから。」
「あーおっさんなんかさらっとメイガンの名前言ったなって思ってた。あれ?」
「そう。あー言う時は誰かを責めたくなるんだ。誰の責任だ!てな。被害者達は特にな。それまで下に見ていた勇者達が女神様の使いって解った途端に王様とメイガンは掌を返したからな。」
「あー解ーるー!世界樹の話しのあと特にメイガン態度がくっそ変わった。」
「うん。メイガンは俺が球ころ触る前に指輪してたけどさ。」
「あーしてた。なんかごついの何個も。」
「うん。俺がドームはノエルからの贈り物だって言ってドームから出て来たら指輪を外してたからな。」
「マジで?」
「うん。王様は最初からしてなかったけどな。」
「あーなんも指輪してなかった。」
「だろ?」
「なんで?」
「女王に取り上げられたんだと。」
「女王?あの巨乳のキレーな人?」
ユージが両掌で胸の大きさを思い出しながら掌で丸く描く。
「うん、でかかったなー。あーそれで、女王は反対してたんだと。誘拐自体を。」
「マジで?」
「うん。女王はノエルの信仰者、あーノエル教の信者なんだって。」
「それで反対してたん?」
「そう。女王は20年間ずっと反対してたんだと。でも戦争になりかけているから反対者が減って召喚の許可が出たらメイガンが集団誘拐を強く提案したんだと。」
「マジでクソヤロウだな。メイガンは。」
「だな。メイガンと議長がつるんで承認したんだと。」
「…クソヤロウが!マジでぶっ殺す。」
「ユージもう死んでるから死体蹴りになるぞ♪」
空に星が出て来ていた。
良い星空だ。
星空を眺めていると
「おっさんこれからどーすんの?」
「夕飯の時 話そうと思っていたけどまぁいいか。ここはレギオンベヒモスに任せて球ころをあと4つ集める。」
「はぁ?球ころまだあんの!?」
「うん。ノエル以外のあと四人の神達の。」
「ノエル以外?」
「うん。ノエルがメールでお友達って書いて無かったか?」
ユージはスマホを取り出す。
「チョイ待って。あー書いてる。このお友達が神様?」
「そう。だからあと4つ集めて準備をする。」
「準備?」
「おじさ~んユージ!ご飯出来たよー!」
「「はーい!」」
「じゃあ あとは飯の時話すからな?」
「ん。判った。腹へったおっさん飯いこー♪」
夕飯あとに今後の方針と作戦の話しをした。
「おじさん!!本当に?やったー!!」
球ころを集める事をユカが凄く喜んでいた。
「ああ。集めてが勝負になるからなそれまで俺も頑張るからな。」
俺はウィンクをして右腕を真っ直ぐ前に伸ばして右拳でグーを握り親指を上に立てる。
「アラヤさん!!それまでじゃないです!ずっとずっとずっと…還っても…会えますよね?…また会えますよね?…」
俺の何気ない一言でユリアを悲しませてしまった。
ユリアが走って来て俺の右腕にしがみつきユリアが泣き出してしまった。
(くっ腕が!腕を挟まれしまった!くっ下手に動けなくなってしまった!だが悪くない!フムむしろ良いかも知れない。)
「おっさん。ずっと遊ぼうぜ。ファクトリーもだし色々な。心配すんなって皆で還って日本でも家ちけーじゃん俺達。会えるって。ユリアさん大丈夫だって!おっさんはそう簡単にくたばらねぇよ!」
ユージも右腕を真っ直ぐ伸ばしてグーを握り親指を上に立てる。
「アラヤさんそう言う空気は読もうや。確かにあんた心臓悪いんだろうけど俺達の中で一番心臓つえぇのあんただからな?約束したじゃねぇか。俺とユリア、ユージとユカの仲人してくれるんだろ?じゃあ粘れよ。俺が金を貯めるまで。あんたくたばったら叩き起こしに行くからな?終わりみてぇな話しすんなって。」
ケイも右腕を真っ直ぐ伸ばしてグーを握り親指を上に立てる。
「そう言う事。おじさん。ねっ!治癒魔法毎日かけるからいっぱいかける。…だから…もうそれまでとかは…無しだよ!」
ユカも右腕を真っ直ぐ伸ばしてグーを握り親指を上に立てる。
ユカの目に涙が浮かぶ。
俺の何気ない一言でユカまでも悲しませてしまった。
(また泣かせてしまったな。俺もまだまだ甘いな。)
そばに来たユカが俺の左腕に抱きついている。ユカの目からポロポロ涙が溢れている。
(くっ油断した!こちらも挟まれてしまった!ええい!ムムっ!フム ユカも中々のモノだな。悪くはない。)
「そうだな。うん。俺は後ろを見ていたのかも知れないな。ユカ ユリア ユージ ケイすまない。うん。還っても会おうな。遊ぼう。俺は新人ニートだから時間はいっぱいあるんだった。忘れてた。すまなかった。」
俺はユカを左腕で抱きユリアを右腕で抱き締めた。
「もう泣かないでくれ。ユカ ユリア俺が悪かった。俺の為に笑ってくれ。二人の笑顔を俺に見せてくれないか?キリッ」
ユカとユリアの頭を優しく撫でる。
「えへへ。」
ユカが涙を溢しながら笑顔になってくれた。
「///ハイ♥️アラヤさん!♥️///」
ユリアも涙を溢しながら笑顔になってくれた。
(ふぅ、イカンな言葉を選ばなくては。)
《アラヤは少しは空気を読もうと考えた!考えただけかもしれない!読む気は無いかも知れない!きっと読まない!読む気は全くない!》
ユージとケイと拳を軽く当てていた。
「おっさん!」
「アラヤさん!」
俺もユージとケイに拳を軽く当てて
「これからもよろしくな。ユージ ケイ。」
「「おう!」」
ユージとケイが鼻を啜っていた。
「うん。良し。ううん。さっき話した通りまず最初はカバリナス王国に向かう。カバリナス王国は王様の手帳とメイガンの日記が本当なら到来者が三人いるという事だが、表の情報の三人だけとは限らない。何故なら過去に何度か俺達の様に集団誘拐の儀式を行っているらしいからだ。到来者の一人は解放者らしい。だが解らない事もある。既に何度か強制奴隷も自然解放が起こっているらしい。治安もあまり良くないらしい。皆カバリナスに到着したら離れない様にOK?。」
俺は茶化す事なく真剣に言葉選び話しをした。
「「「「OK」」」」
ユージとユカとケイとユリアも真剣な顔で返事をした。
勇者がまた旅立ちを決めた!どうしますか?
みおくる
しおをまく
よろこぶ
わらう
いしをなげる
いしをたべる
いしをのみこむ
いしをはたけにまく
いしをはたけにうめる
いしをはたけでそだてる
はたけのせいちをする
むらをつくる
まちをつくる
おしろをおしえる
やしきをおしえる
ようすをみたきになる
よそみをする
ようすをみる←