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10分完結Web小説集

最強最弱の超能力者

作者: たんぽぽ1年分

どんな能力よりも強く誰にも負けない、

最強の可能性と最弱といえるデメリットの能力者。

彼はその力を使いこなせるのか?


オレはいま、時間を止めるべきか時間を止めないべきか迷っていた。


話は簡単だ。

オレは人生で1度だけ「時間を止める」ことができる。

「止める」だけで「戻す」「進める」はもちろん、

「ふたたび時間が進む状態」に還ることもできない。

この力を使えば誰にでも勝てるし世界を滅ぼせるが、

オレは永遠に止まった時間の中だ。


目の前の子供があとほんの数秒で車に轢かれる。迷っている時間は長くない。


時間を止めれば、子供を安全な場所へ移動させることは出来る。

オレはそのまま一生かえってこられない。

時間を止めなければ、オレはこの最強の力を持ったまま、

きっとこれからもこの平凡な人生を不安なく暮らしていける。


減速する気配のない車が少年の体にもう接触する。

決断の時は今しかない。


「…」


オレは背筋を伸ばしてやたら持ちにくい少年を抱えて、公園に立っている。

空を飛ぶハトやスズメが空中で停止している世界で、そっと少年を地に下ろす。


オレはもう二度と沈むことがない太陽を見て、

あんがい悪くない気分に浸っている。



時間停止ができたら面白そうだけど怖いなー。

といっている友人を見てたら思いつきました。

異能をすぐ思いつく人って凄いですよね。

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