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85 望郷の干され狼

2017.7.2 誤字修正

 俺たちは、現代の大阪城の評定の間に参集していた。

 茶阿さんが俺たちと同行していたため、間に合わせに作られたブリーフィング資料はとても報告に使える代物では無かった。秀吉さん、茶阿さんという優秀な人を使うのはいいけど、他の人が全然育ってないじゃない。こんなことで、日本が守れるのかい?

 しゃーないので、適材適所に振ることにした。


「お疲れのところ申し訳ないが、茶阿さんよろしく。ネコ、フォローしろよ。じゃ、太閤さん、じゃなかった。秀吉さん、今回のミッションはこんなもんだったよ」


 俺は、報告会を一言で、凛々しい中に色気が混在するスーツ姿にカエル柄のネクタイが似合う稀有の才媛に丸投げして、物思いに耽った。


 くっ、あのときあとコンマ3秒巨人三成の起死回生の所業に気付いていたらテスタを失わずにいられたのに。


 意味不明の時間軸と主要要素との相関グラフが表示され、茶阿さんがいい表情で説明していく。ところどころ、深い分析項目については、シャム猫が目を青から赤に変えて補足説明をしていく。


 うーむ、急増コンビにしては息が合っているな。まさか、ネコまで茶阿さんに持っていかれるのか?

「何を、茶阿さんとネコさんが組んずほぐれずとか、妙な妄想を膨らましているんじゃなくて、ジョージ君?」

 さりげなく俺の隣に座っていた玲子ちゃん、親公認の嫁が妙な突っ込みを入れてくる。

 親と言えば、母さんどうしているかな。意外とうぶで燃えやすい身体とか、なんか心配になってきたな。しかし、こっちに来る前はあんなに俺に冷たかったのに異世界から戻って来たら、熱烈歓迎だったしなあ。女は永遠に謎だね。


「なに、今別の多分年上の女の人のこと考えていたでしょ?少しは、この場報告会に集中できないの?若しくは、私に気をとられなさい。むしろ、そうすべきよ!!」

 うわー、玲子ちゃんが妙なところで切れちゃったよ。


 まあ、俺と玲子ちゃんの犬も食わない痴話喧嘩を放置して報告会は続いていた。


「結論から言いますと、二0二0年までに秀吉様が自然死を含む自殺若しくは何者かに殺害されれば未来の人類滅亡の危機は回避できます。今回の関ヶ原の戦いが東軍と西軍が争ったというモノではなく、単なる真剣みのある軍事演習だということに改変した成果が表れています。個人的には残念でありますが、人類の未曽有の危機が防がれたことは喜ばしい限りであります」


 何だって!うん、なんか妙なことを言ってるような。確かネコは、人類の危機は回避されたから現代に帰って来いと言っていたはずだ。何かの間違い?聞き間違いか?


 アトワーレの館で当主は、くつろいでいた。

「ああ、私のジョージ。待っていてねあと十か月もしたらまた会えるからね」

 マリアは、愛しそうに己が腹を撫でていた。


 

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