表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/93

72 威力偵察

お待たせしました。

2017.5.31 一部修正

 館の外に集まった魔法使いの集団を見下ろす。ふむふむ、いろいろ揃っていそうだが、どうしたものか? 

 ふう、母さんが配下の中から魔力の強い者を百人ほど俺に貸してくれるというのだがその力を把握するのは結構大変そうだ。折角昨日、夜の交渉技術で獲得した軍勢を烏合の衆にしておくのは勿体な過ぎる。

 色々頑張ったからなあ。そうだ、こういう時はやはりアウトソーシングするに限るなあ。


「じゃ、ティーガー!テスタを召喚、あとアスラもついでに頼むな」

「マスター、頑張るね」


 ティーガーの持つ宝玉が光を放ち赤い服の女が現れ、阿修羅像のフィギアが緑の光に包まれ姿を消すとその消えたあたりに緑の髪の少女アスラが佇んでいた。


「それじゃあテスタ、ティーガー、アスラ。それぞれ二十人ずつ受け持ってくれ。母さんから借りた魔法使いのそれぞれの力を掌握して自分の小隊として指揮を執ってもらう。後の四十人は俺と玲子ちゃんでやるから」


 三人とも軽く頷くと、特に不安を感じた様子もなくそれぞれの部下を掌握していく。


 四つに分けたグループはそれぞれ、テスタが左端の二十人を、ティーガーが真ん中の二十人を、アスラが右端の二十人を、俺と玲子ちゃんが中央の残り四十人の実力を見極めることにした。


 俺は、部下の掌握を玲子ちゃんに丸投げしつつテスタやティーガー達が部下を掌握する様を俯瞰して見ていた。何故かテスタの部隊は高速起動に優れた者たちが多くいた。ティーガーの部隊は防御力に優れた者が多い。アスラの部隊には炎を纏わせた剣による攻撃を得意とする者が多かった。


 ほう、面白いもんだな。部下は主に似るのか、類は類を呼ぶとでもいうのか結構まとまった感じでいけそうだな。


 では、俺たちの部下はどんな力を持っているのだろう?少し気になったので玲子ちゃんに尋ねてみる。


「ねえ、玲子ちゃん。俺たちの部下はどんな能力を持っているんだい」

「ふふ、ジョージこの子達を一言で表せばユニークね。よくもここまで突拍子もない力が有るものね。まあ、割と一般的なもので重力を操る魔法とか、魔物や動物に変身して戦うとか、隕石を相手にぶつけるとかね。あとは、自分の目で確かめて。私も流石に多彩な能力がありすぎて、頭がくらくらしているところよ」


 ほう、あの万能な玲子ちゃんを悩ませるとは。こいつらなかなかやるなあ。


「わかった。じゃあ、明日偵察のついでに能力を把握するよ。向こうに、魔力を持たない集団がいるから多分それが徳川方か豊臣方だろう。ちょっと、つついて彼我の戦力比を確認してみるよ」


「べ、別に威力偵察などと言わずに全滅させても良いのよね?ストレス発散にちょうどいいわ」

 お、やべぇー。玲子ちゃんが暗黒面でやるきモードに入ってるよ。



 

 翌朝、俺と玲子ちゃんの隊だけで謎の集団にちょっかいを掛けに行った。

「よし、騎馬武者を二、三人捕獲したらそれ以上の深追いは必要ないからな。あと全滅させるなよ。まだ、徳川か豊臣方かわからないんだからな。じゃ、突撃!」


 うちの隊の一人が呪文を唱えると、いきなり三百騎程が上下逆さまなって武者たちが落馬していく。おお、こいつが重力魔法の使い手か。鮮やかなものだ。

 突然のことに、武者たちは動転している。 



 緑の霧が発生し何故か草が異常な速さで伸びていき落馬した武者たちを拘束していく。 ほう、これが植物魔法かそれとも生物魔法か。まあ、今回のミッションに最適な魔法であるのは確かだな。 

 

 よし、捕虜も十人ほど集まったし引き上げるとするか。

「ようし、引上げの合図!」

 

 部下の一人が、空中に向かって魔力を注ぐと空中に『撤退』を示す赤い文字が浮かび上がりゆっくり点滅していた。


 ようやく、こちらの存在に気付いたのか。鉄砲や弓矢を射かけてきた。

 が、部下の一人が唱えた呪文と共に展開された魔法陣と光がまるで空中に壁があるかのように、銃弾も矢も弾いてしまう。


 別の部下が、短い呪文を詠唱すると敵の鉄砲隊も弓兵も泡を吹いて引っ繰り返った。


 やばかったなあ。あらかじめ釘を刺していなかったら、相手を全滅させていたかも知れないな。さーて捕虜の尋問で相手の正体が判るだろう。果たして徳川、豊臣いずれの陣営なのか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ