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67 嫉妬

はあ、はあ。おかしい、なぜマスターの所にたどり着けないの?いくら大きなお屋敷だからってこの私が全力で走っているのに。廊下や階段をあれほどの速度でこの屋敷を走り抜けた者は、多分いなかったはずだ。

 あ、多分あそこに見えるドアがマスターのお母様の部屋のはず。ふう、やっとマスターの無事を確かめられる。

 

 ガチャ、え?

 ドアを開けると落ち着いた雰囲気の高級家具が見えた。でも、誰も居ない。その向こうにまたドアがあった。ああ、今いるのはメイドの控室かも知れない。すぐに用事を済ませれられるように簡単なお茶のセットなども用意されている。

「あそこに、マスターがいるはず」

 プラチナブロンドの髪の汗をぬぐうと、深呼吸してドアを開けて中に入る。


 え? なぜか私は廊下にいた。辺りを見回すが廊下には誰もいない。

 ティーガーは、また、全hh速力で廊下を駆け抜けていった。

「マスターの無事を確かめるまでは、私はとまらない」 


 ふう、お腹いっぱいだけど、ジョージもお母さまも。それにさっき慌てて出て行っティーガーも夕食には現れなかった。まあ、珍しい食材も堪能できたし、いいんだけどね。

「コーヒーをいただけるかしら」

 斎酒は、これからの行方を楽し気に待つことにした。


 ふう、母親と男女の関係になるとか、関ヶ原を目指していた時は夢にも思わなかったが、本当に、これだから世の中退屈しないで済むね。しかし、これからどう接したらいいのかな?ハニーってのは違う感じだし、母さんじゃ逆に背徳感がギガマックスだしなあ。

「マリア、俺なんかとこういう関係になって後悔してないかい?」

 結局本人希望の呼称で話しかけることにしたが、結果オーライらしい。

「ふふ、後悔なんかしてないわ、たかが愛した男が実の息子だというだけでしょ。それより、連れてきたお嫁さんには律儀に報告なんかしなくていいわよ。これは、恋愛の経験豊富な先輩の忠告ね、いいこと、浮気だろうが二股だろうが相手にバレないようにやればいいだけよ。変に、逐一相手に悟らせるから不毛な結果になるのよ。裏切ってなんかいない、あの娘と二人っきりの時に最優先してあげればいいのよ!ガールフレンドが百人いようが恋人が千人いようが目の前の娘を大事にしてあげれば問題ない!だから、もう一度抱いて、愛しのジョージ」


 なんか、鬼気迫る母さん、改めマリアの恋愛講義が俺に重く圧し掛かる。負けるか、集え逆境俺を鍛えてくれ!


「く、くっくっ、はあ、あは、あはは。どうだ、マリア・アトワーレ、お前の大切の者を踏みにじってやったわ。もう、お前は、女領主貴族の鏡でも無い。実の息子とやり狂った、ただの欲求不満の色情狂だあ!我妖精族の恨み、骨髄まで思い知ったか!」

 妖精族パフェールが隠形の術を行使しながら高笑いをしている、まるでその姿は妖精と呼ぶにはあまりにも禍々しい姿をしてマリアの部屋の前で。


 う、何、この邪悪な気配は。理解を超えた異質な者がいる、凄く嫌な感じがする。でも、その先に恋い焦がれた愛しの人、マスター、ジョージの温かく気高い魔力を感じるわ。

「マスター、そこに居るのですね。ティーガーが今、参ります!」


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