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2017.4.10 誤字修正

「ジョージ殿、達者でのう。後のことは、顧みず日本ひのもとの歴史を戻してくだされ。世界の命運はその方に、掛かっておる存分に働きを見せてくれ」

 俺たちは無言で頷くと秀吉さんに見送られ出発した、四百年ほど過去の世界へと。今潜ってきた時の門は、二つに見えていた一つは八百メートルの空中に虹色に輝いている。もう一つは地面から少し浮いて、多分三階建て位の高さに所々朽ちかけた石造りの門がただ浮かんでいるだけだった。ふう、戻るときはちょっと大変だなあ。


「さて。ネコ、今は西暦で何年だ?」

「マスタ、星の位置関係から計算すると千六百年です。なかなか、運が良かったですね」

「なんだ、運がよいとか。なんかいいことあったのか?」

「ええ、シミュレーションの結果から誤差十年と見積もっていましたのですが、ほとんどノータイムで作戦実行できるとは私の日頃の行いですね」

 誤差十年って、猶予期間は三年じゃなかったのか。俺は、じゃあ最初から失敗の可能性が高かったのかという嘆きの言葉を飲み込んだ。

 

 うん、何かおかしい。俺は、周りの様子を見回したがようやく事態に気づいた。魔力濃度が濃い。

「ネコ、まさかと思うが現在地はどこだ?」

「マスタ、千六百年の関ヶ原の南東五十キロです。割と近いですね、だから運がいいのです」

「そうか、俺とは意見が違うようだな。何か嫌な予感がしてきたぞ、ここは。俺たちが戻るべき関ヶ原とは違うみたいだぞ。ほら、あれを見ろ」


 馬の下半身に人間の上半身を付けたような不審な生物が泉で水浴びをしている。他にも頭に一本角をはやしている馬とか、親指サイズの人間のようなものが、透明な羽を使って辺りを飛び回っている。

 まさか、こんなことが起こるとは、あきらかに俺たちが目指していた関ヶ原とは違う世界ようだ。

「ふふ、ネコさん。計算を間違いましたね?どうみても日本の関ヶ原近辺とは思えませんわ」

 どんな装いをしても美人な玲子ちゃん、現在は西城斎酒ゆきと名乗っているは、なぜか黒の三角帽子に黒地に銀粉を撒いたようなローブに身を包み杖まで持って、可笑しそうに笑う。

「玲子ちゃん、何気に魔法使いのコスプレとか。まさか、この状況を予想していたのか?」






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