60 週末の世界2
ちと、短いです。
「うわー」
ブラックホールに突入した俺たちは、過去と未来が同時に存在する状態に精神が耐え切れず意識を失った。
俺たちは、他の者が目覚めてから大分時間が経過した後、秀吉さんの出迎えを受けた。既に俺とティーガー以外の旅人はそれぞれの割り当てられた部屋で休息を取っているそうだ。
「じゃあ、秀吉さん、詳しい報告は後でするとして、未来は相当ヤバイことになってるよ。UFOも見掛けたしな。対策をじっくり検討しないとね」
「だが、しかし、検討会は月曜にしてくれ!週末はティーガーと過ごすので、後でまたな」
「マスタ、お疲れさまでした。良い休日を」
秀吉さんの腕の中のシャム猫が、赤い瞳を大きく見開いていた。
「ネコ、お前も勝手にやってくれ、月曜から忙しくなるからな」
秀吉さんは、やれやれという感じで走り出す俺たち二人を見送った。
「マスター、よろしいのですか。あの世界のこと、直ちに対策を立てないと大変なことに」
「まあな。けど、まだ時間がある、お前とゆっくりしたいんだ、あんな世界になる前に。嫌か?」
「マスター・・・」
プラチナブロンドの髪を揺らして少女は、首を振った。