4 赤いドレスの女
使い魔に忠誠を誓わせるか?
2017.1.2 章管理導入に伴い改稿
「テスタよ、そう、はしゃぐな。馬車よりは人の姿の方が話しやすいだろう、人目もあることだし」
私はさっさと店に入ったあいつを追いかけた。途中、鏡の前で一回りしてみる。紅のワンピ、少し胸が開いてるけど上品な光沢、ふくらはぎ辺りで裾が踊る。黒のパンプスも初めてだけど、そんなにきつくない。
「と、言うわけでここは大阪、日本の首都よ。さっきあんたとバトルってたのは首都高ね。でも、驚いたよ何てスピードで走るんだよ!もう、ビックリ」
「三00キロぐらいだな、でも問題なかろう制限速度なんてないのだろ?」
俺は、一口すするとコーヒカップを置いた。使い魔のテスタを従えたことによりこの世界の知識が補完されていく。
ここは、俺のいた世界とは異なり、魔法がない代わりに科学技術が支配する世界のようだ。そして今いる大阪がこの国、日本の首都だそうだ。
四00年位前の戦乱の時代を治めた秀吉という偉人が都を移してから今日まででずっと不動の地位を譲らないそうだ。
ところでテスタの産まれた国は、イタリアと言って一部の高級スポーツカーの人気は大したものだが自動車産業全体には見るべきものがない。今は観光で食っているらしい。気が向いたら、テスタと行ってみるのもいいかもな。
さてと、食事も済んだし暗くなってきたし宿、ホテルだっけかを探すか。
「テスタ、使い魔として夜の奉公も期待しているぞ!」
「え、そんなー、逆らえないのが分かっていて、ひ、卑怯よ!」