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44 既視感(デジャブ)

2017.1.27 ルビ挿入、表現一部修正

2017.1.28 タイトルの誤字修正

 ああ、なんだろうこの懐かしい感じは、俺はこいつを知っているのか?

西条斎酒ゆきは「ああ、そう言えば預かっている物があるわ。ちょっと、待っててね」


西条斎酒は、そう言うと返事も待たずに姿を消した。

「アスラ、どうだあの西条斎酒という女は本当に千年以上生きていると思うか?」

俺は、この中で一番年寄りのアスラに尋ねた。

「うーむ。お師匠様に似た雰囲気を持っていることから、何かしらの力を感じるけど、それが何かは判らぬ」

弥勒に通じる何らかの能力は感じられるらしいが、それが斎酒の言ったことの裏付けとはならないようだ。


「気を付けて、彼女が正直に全てを語っているとは思えないわ。そう都合よく転生者が集まるとの思えない、何か裏が有るのかも?」

茶色の着物で極めた茶阿さんが、自分の疑念を表明する。やっぱり日本一ひのもといちのガイドさんだ。


「こんなに美味しいスイーツを作れる人が、悪い人の訳無いよ。マスターを見る目も優しいし」

ティーガーが、人の良い発言か、やっぱ天使だなあ。


「やあ、お待たせ。はい、ジョージ、あなたのお友達を連れて来たわ」

斎酒は、黒い招き猫を俺の前にそっと置いた。

「マスタ、再びお会いできるとは思いませんでした。斎酒様には大変お世話になりました、マスタからもどうかお礼を、い、言って下さい」

 黒い招き猫がしゃべるのを不思議に思わず、涙ぐむ姿に、なぜか心打たれた。そして、異様な状況が脳裏に浮かぶ。


う、うう、何だ。目の前に蟻の大群が、ドバイ土産のチョコが、遠ざかる招き猫、爆発する研究室、眼下の黒く大きな闇の球体、爆散するウェートレス、俺はし、知っている。いつか見たことがある、悲惨な光景。


「マスタ、もしかして覚えておられないのですか?私のことも、く、くく」

「まあ、仕方ないわね転生とか、色々あったのよジョージには、ネコさん」


斎酒が招き猫を慰める。懐かしい気がする。

「ネコなのか?お前無事だったのか」

「マスタ、思い出してくれましたか?」


「ネコ、正直言って俺には転生前の記憶が無い。だがお前に会ったことがある気がするし、お前が親父の残したホームコンピュータの端末で有るようなことも覚えている気がする。依頼人や喫茶店のウェートレス、店長が殺されたようなことがあった気もする。今、目の前にいるのが玲子ちゃんだとしたら?」


「じゃあ、あそこで爆散したのは誰なんだ?」


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