表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/93

32 会合

今年最後の投稿です。

2017.5.28 誤記、改行位置修正

2017.7.15 誤記修正

「弥勒様、お世話になりました。約束どおり阿修羅を連れて行きますので安心してください」俺は、弥勒菩薩に深く腰を折って礼を言うとテスタに乗り込んだ、隣には既にティーガーが座って待っていた。茶阿さんは、カイエンの後部座席で隣のアスラの緑色の髪を梳いてやっている。


 六本の腕を引き千切られて観念した阿修羅像は、胴体に集めた腕を吸収すると姿を変え、緑色の髪の小柄な少女となり、「以後、アスラと呼ぶことを許す」偉そうにふんぞり返った。

 「では、お世話になり申した弥勒殿。じゃあ、遅れず付いて参れジョージ!」カイエンの助手席で徳子が吼えるので頷いておく。


「おお、因果の深いじゃのう、徳子よ」弥勒は声にない声でまあ、阿修羅も大概じゃがな。


 「じゃあ、徳子世話になったな、出会いは最悪だったが。一先ず、秀吉さんに報告して来る。悪いようにはしないから、安心してくれ。」弥勒の元から直接俺たちは徳子の案内で、京都駅に来ていた。

 「ふぅ、心配などしておらん。私には毒術があるからな、それに頼りないが弥八もおる」徳子は、後ろに控える黒スーツの従者を振り返る。

 「まあ、当分日本ひのもとに居るからまた会うこともあるだろう。またな!」

 「ふん、来なければこちらから襲いに行くわ」「くすっ」茶阿さんが吹き出す。

 俺は、テスタ、ティーガー、アスラを伴ってリニアモーターカーに乗り込んだ。茶阿さんは、用事があるとかで別行動だ。


 「秀吉様、以上が京都御所及び徳川残党、徳子の行状です」スマホに向かって茶阿が報告している。

「おお、大儀であった茶阿よ。一時間後に会議を始める遅れるなよ」通話は一方的に切られた。

「もう、いつも特急で仕事させるのが好きよね。人使いが荒いったらないわね」茶阿は嬉しそうに笑うと、自家用ジェットに乗り込んだ。

 

 大阪城内のある部屋で、重要な会合が行われていた。秀吉以外のメンバーは、姿形ばかりか音声も誰が誰だか識別できない仕掛けが施されていた。支配者の元で、遠慮せずに意見を言うための処置である。

 「京都が黒幕でなければ、紀州わかやまですかな。八代当主の頃の権勢が懐かしくて暴挙に出たとか?」「いや、尾張なごやだろう。徳川の中では別格の家格で尾張柳生とかの隠密も暗躍しているとか?」皆、確かな情報がないためブレーンストーミング程度の意見しか出せていない。


 「水戸いばらぎが一番怪しいかと考えます。有力な情報ですが、徳川光圀のクローン再生が密かに行われているとか。今回、京都で確かな筋より、伊賀の研究所が実用化試験を終えているとのこと。そして水戸のつくば研究所と伊賀研究所では、クローンの合同研究を推進している。このことから、彼らもクローン再生技術を入手したと見て良いでしょう。光圀のクローンを使って天下をひっくり返そうとの企て、あり得ることでしょう」よほど自身があるのか茶阿は、識別妨害装置を態と切って自説を公開した。

「なんと茶阿どの、それは真か?」「さすがは、茶阿殿、相変わらず情報収集に長けておりますなあ」


「あい、わかった。茶阿よ大儀であった。ジョージ殿には水戸の探索に行って貰うとしよう。」秀吉さんの一声で、会合が終わると同時に俺の水戸行き出張?が決まった。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ