2 チェイス
とりあえず、首都高でレース?
2017.1.2 章管理導入に伴い改稿
とりあえず赤い女に、この世界について説明させようとしたが興奮しているのか埒が明かない。
仕方ない、「お前に三分やろう、俺に勝てたら謝ってやるし、お前を元の馬なし馬車に戻しもしよう」
「なに、勝手なこと言ってるのよ。あんたなんかに付き合ってられないのよ。タイムトライアルしたいの、わたしは。走りたいの、野蛮な殴りあいなんかしないわよ、私は」
「ならば、仮初めにおまえを馬なし馬車に戻してやる。お前が、俺を三分で振り切れば、おまえの勝ちだ、どこへなりと去るがよい」
「ふん、何を偉そうに。じゃあ、あたしは、いつもの峠に向かうわ。来れるものなら着いてきな。あたしのぶっちぎりだろうけどね!」
赤い女を俺は、馬なし馬車に変えてやった。赤い馬なし馬車は、道に黒い跡を残して矢の様に走っていった。
さてと、追い掛けるとするか。
「まったく、なんだったのよ。日頃の鬱憤を晴らすため、大阪環状道路(通称首都高)を攻めるためハンドルを握っていた私は、突如頭のおかしいやつに、絡まれるとか。雨も降ってないのに、そりゃあ、天気予報じゃ曇りだったけど急に落雷とか。えっ?」
バックミラーには、黒いマントを羽織った頭のおかしい男が足も動かさずに追いすがる姿が大写しで写っている。
「ちっ、雑なドリフトで遊びすぎたかしら?本気で行くわよ!」
私はシフトダウンすると、レッドゾーンにぶちこんだ。