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26 徳子2

 一部、書き漏れがあったので修正

 「私の祖父は、徳川家八代当主、徳川吉宗、裏の世界では毒使いの誉も高い人でした。父は柳生家の当主だったそうですが、泣かず飛ばずで名前も、父の顔さえ知りませぬ。伊賀の里で忍びであった母に育てられ十歳のとき母が死ぬとここに預けられました」

 チャポーン、ヒノキの良い香りがする。徳子の目立たない胸が、俺の目の前にある。

 「どうじゃ、気持ち良いかの?もっと力を込めた方が良いかの?」徳子が湯殿で俺にマッサージしてくれている。


 「ありがとう、ちょうどいいよ。でも、腕が疲れないか?」

 「なら、もっとよくしてやるぞ。私なしでは居られない身体にしてやるぞ。ほれ、ほれ、ほれっ!」 

 う、ううっ。気持ちいい、こりゃ癖になるなあ。

 「おお、いい、気持ち、いいっ」思わず、声が出てしまった。

 「ふふ、不思議なお方じゃな、なんでここまで無防備なんじゃ。風呂で私に身を任せるとか、大胆というか何というかのう」

 徳子が流し目で見る、胸が無いが艶っぽい、これが天性か、魔性の女なのか。


 「う、く、くくっ。うひゃっ」隣から、くすぐったそうなうめき声が漏れ聞こえる。隣でティーガーの脚を茶阿さんがマッサージしている。腰まで伸ばした黒髪をアップにまとめている。マッサージは割と体力を使うもので、上気した顔と浴衣から覗くうなじ)が健康的な魅力を放っている。

 「ティーガーちゃんの髪、綺麗ね。それにこのペンダント変わっているはね、エメラルドの結晶の中に赤いミニカーって。もしかして、ジョージ君のプレゼント?いいなあ」


 プラチナブランドの髪がお湯を弾いて輝く、首に掛けられた銀鎖には胡桃くるみ大のエメラルドに封じられた赤いフェラーリテスタロッサが揺れており、右の義眼が温かい光を放っている。確かに不思議なことかも知れないな。殺し合いの最中さなかに敵の親玉?に主従共に気を許しているとかなあ。それに、日本一ひのもといちのガイドさんでさえ警戒を緩めているとか、普通ならあり得ないことだろう。やはり、何かあるな徳子には。


 「俺は、徳子のことをもっと知りたい。これから、どうしたいんだ」




 

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