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24 茶
まさか、こんなところで命を懸けることになるとは。まあ、勝手に徳川の残党である徳子を信じた俺の落ち度でははあるが、ティーガーを巻き込んでしまうのは、違うよなあ。俺は、異界に転生し十五年、転生前も二十年は生きていたはずだ。でも、ティーガーは自我が目覚めてやっと数週間だ、それを俺の巻き沿いに失うのは罪だ!
俺とティーガーは、ほぼ同時に倒れた。足の感覚が鈍い、神経毒か?
「何を、じゃれているのかしら!」徳子の嘲るような声がした。
「確かに俺の身体とティーガーのウェポン等は特に変わった反応はしていない、しかし、この痺れは?」
「どんな法則がこの世界にあるのか不明なままな訳だし、ここは徳子を拷問に掛けても解毒剤を吐かすしかあるまい!」
「何をじゃれているのじゃ、ほんに恥ずかしい奴等じゃのう」弥八のほうを残念なものを見るような視線で見やると、呟いた。
「ほれ、証拠はこれじゃ」、言うと俺の湯飲みに残った液体を一気に飲み干した。