23 徳子
2016.12.24 少し、修正しました。
徳子の後に続き本殿の奥まった一室に俺たちは座した。蝋燭の炎が、揺れる中巫女装束の少女は俺たちが座ると静かに瞳を閉じた。
「粗茶ですが」しばらくすると包帯を巻いた黒スーツの男が人数分の茶を配ると徳子の傍に控えた。
「あなたたちは、何なのですか?この、日本をどうするつもりですか?大阪方の刺客ではない(はず、でなければ弥八が倒された今、襲って来ぬ筈はない。)、なら目的は何なの?」
「俺は、ジョージ、ただの魔法使いだ。あっちの世界じゃ、落ちこぼれだった。こっちに来てからは、こいつらに助けられている。あ、この人は優秀なガイドで物を知らぬ俺を助けてくれている。秀吉さん、あの爺さんのことが好きだから、こっちの世界が大変なことにならぬよう様子を見に来た」
う、ついテスタが一緒にいるみたいでティーガーしかいないのに、茶阿さんを手下みたいに紹介したら失礼でテンパっしまい、ゴクゴク一気に茶を飲んでしまった。すかさず、音もたてずに黒スーツの男がお代わりを注いでくれる。
茶阿が顔をそらして、吹き出している。場が和んで何よりだ。
なるほど、茶を前にすると、その為人が現れるもの嘘は吐いていないようですね。
しかし、「良いのですか?敵の出した物を毒味もせずに。そちらのガイドさんは、私の毒術を警戒して一口も付けてないのに」
さあ、やっちまったのか?そういえば隠し撮り映像では、尊敬する爺さまの毒の技がどうとか言ってたかも?
「マスターっ、死ぬときは一緒!!」
「あ、待て!」ティーガーは、止める間もなく一気に茶を呷った。