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22 再起
2017.7.2 誤字修正
無表情で、肩まで垂らしたプラチナブロンドの髪を揺らし少女が佇む。
「私は盾、何者も阻む。私は、砲弾、私を遮るものはない、全て打ち砕く!」
「う、おおー」
大人と子供程の体格差が両者には存在していたが、ティーガーの体当たりで弥八は木々をなぎ倒しながら吹っ飛んでいった。
「う、そ」
徳子が焦りながら、有らぬ方向に手足が折れ曲がり、倒れている弥八に駆け寄る。
「敵ながら、天晴れね。攻撃を受ける瞬間、風の障壁を展開させ致命傷だけは食い止めたみたいだから」
茶阿さんが、俺と徳子の間に両手を広げてかばう姿勢のティーガーを微笑ましそうに見ながら解説してくれた。
「私はマスターの盾、マスターは私が守、る。フニゅ」
俺が手で髪をすいてやると嬉しそうに頬を弛めた。
あなたがたは何、大阪の回し者とは何かが違う?
「ここでは、何ですからあちらでお話を聞きましょう。付いてきてください。もう、手向かいはいたしません」
徳子は、俺たちの返事も待たずに本殿へと歩みを進めた。