表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/93

20 激突

PC調子悪くて、痺れます

 御所の近くの茶店を出た俺たちは、茶阿さんの案内で、ある神社に向かった。

 その間、ティーガーは終始無口で茶阿さんに頭を撫でられたり、髪を弄られたりしていたが笑顔は見られなかった。


 名も知らない神社に、この大阪の優秀なガイドが神社の名前を知らない(いや、探れないのか?)ことが、尋常ではない畏れを抱かせている。

 境内の長い石段を登った所に、映像で見た少年がいた。さっきとは違い白衣(ハクエ)緋袴(ヒバカマ)を着ていた。この国の古い神官の衣装だが、黒髪をおかっぱにしているため巫女さんには見えない。


 「竹林で、俺たちを待ち伏せして襲ったのはおまえの差し金か?、少年!」振り向いた巫女装束の少年に昨日の凶行を問うた。

 「失礼な奴だね、ま、大阪に礼儀を求めても仕様がないから答えてあげるよ、知らないね。それと、私は女だよ!」徳子は、目に力を込めて答えた。


 「テスタの敵、逃さない!」ティーガーが、右眼を銀色に輝かせて機関銃を構えた。

 「神社で機関銃振り回すとか、大阪はやることが派手だねえ」人の背丈程の旋風(ツムジカゼ)が砂を舞い上げ、機関銃と徳子の間に黒スーツの男が現れた。

 「まあ、待ち伏せを指示したのは俺さ、嬢ちゃんは関係ない、とは言わんが相手になろう、機関銃使いの別嬪さんっ」


 弥八が腕を降り下ろすと、ティーガーの周りに黒い塊が現れ、赤く染まっていく。「何、まずいっ!」、「まだよ、テスタさんから受け継いだティーガーちゃんの覚悟、あなたは見届ける責任があるわ」

 俺が加勢しようとしたのを、茶阿さんが止めた俺の動きを?


小柄なティーガーの姿は、黒い塊に覆われて確認出来ない。黒い塊からは、黒い棒が何本も生えて、赤い液体が流れだしている。棒は、光の反射を抑えた刀、忍び刀だと茶阿さんが教えてくれた。じゃあ、あの赤い液体は?


「ふ、卑怯だとか罵ってもらって構わん、我らお庭番、主命の為なら個人の矜持など(ドブ)にも捨てる。次は、お主の番だ!」

 「何を勘違いしているか知らない。マスターには、触れさせない」静かな声で、呟くと黒い塊は彼方に払い退けられた。


 ティーガーが、走りだした。強敵に向かい、突き進む。砂いろの服は所々破けているが、怪我はないようだ。弥八の周りでは、境内の木々や庭石などが風に舞いティーガーの前進を阻む。風の結界のようなものが、できていると茶阿さんが説明してくれる。


 ついに、弥八に届いた。ティーガーの右拳が弥八の頭に迫る。「ダガーン!」

両腕を交差させて、弥八は耐えたが三メートルほど両足の跡を残し、後方に押しやられた。

 「ふっ、腕がしびれるぜ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ