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16 曲者

少し、残虐描写あり注意してください。

2016.12.13 22:00 若干誤字を修正


京都に入って早々、待ち伏せに遭った俺たちは先制攻撃に移った。具体的には、ティーガーの機関銃が7.92mm口径の弾丸を曲者にプレゼントした。


竹林の中に、微かなうめき声が聞こえる。黒いスーツの人影が、うずくまっている。顔は焦げ茶色の覆面でここからでは、わからない。


 逃げられないように、警戒しながら曲者を武装解除していく、テスタ。

 しかし、京都御所を大阪から、真っ直ぐ目指してきたはずなのになぜ、竹林があるんだ。おかしい、さっさと必要な情報だけ貰ってここを離れるか。


 おれは、黒スーツの中から手近にいた者の覆面を外すと訊問を始めた。

 「綺麗なオネイサンなぜ、俺たちを邪魔する?」

 「ふっ、聞かれて答えるとでも思うたか、この痴れ者が!」

 整った顔立ちの女は、ベリーショートの黒髪を揺らすと、気丈ににらみ返してきた。スーツの両腕は破け、血が周りを濡らせている。

 俺は、無造作に足元の拳大(こぶしだい)の石を女の右足の太股に押し付けた。

 

 「ぎゃー、くっ、ふん」ズボンは焦げ、燃えた繊維と焼けただれた肉の匂いががしたが、口を割らなかった。残りの五人の覆面についても同様の訊問を行ったが、誰も喋らなかった。その事が敵の並みならぬ力量を示していた。もとより、尋問で答えが聞けると思っていなかったが、すぐに追って来られぬよう足を痛め付けるのが目的だった。


 元の女の所に戻ると、異変が起こった。黒スーツの男たちが折り重なってひとつの醜悪な肉の塊に変化したのだ。そして、肉の塊から尖った一本の触手が俺の胸に迫る。くっ。俺は、不覚にもヌメヌメとした肉塊からの攻撃に動けなかった。横の黒スーツの女からキラキラと粉のような物が俺の周りに漂っていたのが、視界の隅に微かに微に見えた。


 「ご主人様!」、「マ、マスター!」

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