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悪食の聖神  作者: ファウスト
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プロローグ

法廷に判決文を読み上げる声が響く。


判決は死刑・・・。 死をもって償えと言う厳しい判決に傍聴席はどよめく。

被告人席に座る男はそれほどの重罪を犯したようには見えなかったからだ。


「なにか言うことはありますか?」


裁判官の言葉に男は立ち上がりただ一言だけ呟いた。


「罪を償う機会を与えてくださった事に感謝したいです。」


男はそう言うとそれ以降は口を開くこともなかった。




そして・・・


ガシャン・・・ギィ、ギィ・・・。


刑は滞りなく執行された。





『やあ、死刑囚君。』


暗闇の中で突然届いた声に男は戸惑う。


『驚いてるね、まあ無理もないか。』


しかし男には死神が迎えに来たのかとしか思えなかった。

男の罪状は殺人、殺したのはなんと自分の妻だという。 しかしそれは冤罪であった。

冤罪であり抵抗も可能だったが彼は妻を失った悲しみに包まれ、抵抗どころではなかった。

憔悴するままに罪状に同意する彼に警察は無理心中を図ったのだろうと早合点し

死体の惨たらしい状態を鑑みて死刑を求刑し、男も弁護士を拒絶し刑に同意した。


『言っておくがボクは死神ではない。』


そう言うと不思議な声は息が掛かるような近さで発せられるかと思えば遠い場所で発せられたりと

どうにもつかみどころが無い。 


『まあ、神といわれればそうだが・・・』


死神ではないらしいがそれならばいったいなんだというのだろう。


『君、ファンタジーは好きかい?』


そう言われ男は頭に?を浮かべた。 突然何をいいだすのだろうか?

そんな男の態度を見たのか声の主は一から説明してくれた。


『仲間と旅をして壮大なロマンを追いかけてみないかい?』


けれど男は黙って首を横に振った。 

理由を尋ねると男は大切な誰かが傷つくところをもう見たくないからといった。


『そうか、辛い思いをしたね、ならば君には守りの力を上げよう・・・。』


どんな敵が来ても大丈夫なくらいにね!と神は言う。


ありがたい話だと思った。 確かにそれだけ強くなれたら今度こそ

大切な人を守れるだろうから・・・とそう思った。

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