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夢の世界  作者: 李月
1/1

1.あなた誰?

ゆっくり連載していこうと思います。


小さい頃。

私は、違う世界を見ることができた。


温かくて、安心できて、優しい友達がいる“夢の世界”


冷たくて、居場所が無くて、偽りだらけの世界から目を背けるけるようにしてできた“夢の世界”

そこで私は、君に出会った。




懐かしいな。

あの夢、いつから見なくなったんだっけ。


……はい。

考えても無駄ですね。


考えるのを諦めて電気を消し、ベットに入る。

そして、ゆっくり目を瞑る。


そういえば、あの世界でよく遊んだ男の子いたよなー

なんかすごい髪の色してたなー。

でも何故か顔、思い出せないんだよな。

確か、同じ歳だったような気がする。



名前なんて言ったっけ?


「ナギ」


あぁそうそう、ナギだったね。

……って、あれ?


「今の声、誰?」


瞑っていた目をあけ、勢いよく起きる。

すると、そこには――――


美少年がいた。


え、なに?私、美少年に飢えてついに幻覚まで見ちゃったとか?

……この男子、私と同じくらいの歳だよね?

(ちなみに、私、14歳だよ)


というか、その前に。

不法侵入?

だって私、部屋にいたよね!?


状況が頭に追いつかない。

が、そんな中でなぜか思った“不法侵入”

私の頭おかしくない?


「なっ……!違うからな!!」


何故か男子は焦っていた。


「私、何も言ってないんですけど?」

少し声を低くして、冷めた目で男子を見る。


「ニナ、『不審者?』って目で見てるんだよ!」


男子はさらに焦りだした。

つか、こいつなんで私の名前知ってるんだ?


まぁいい。

(よくないけど)


ふと思う。


ここどこ?

気になり、辺りを見渡してみる。



そこには――


見覚えのある。どこか懐かしい景色が広がっていた。

はて、ここはどこ?


頭の中の記憶を探ってみる。


……………あぁ~。

思い出した、思い出した。

ここ、小さい頃、夢に見でみていた“夢の世界”か。

まだ存在してたんだね。


“夢の世界”とわかると、なんだか安心する。


そうだ!

ここに来れたなら、あの子に会えるかな?

あの子まだこの世界にいるのかな?


「元気かな、あの子。ナギ、だっけ?」


口からこぼれる。

すると私の傍にいた男子がニッコリ微笑んだ。

そして


「元気にしてるよ」


と言った。


「あんたに聞いてない」


間髪入れずに言葉を返す。

すると男子は拗ねたように頬を膨らました。


なぜ拗ねた?


「ニナが僕のこと忘れてる……」


ぼそぼそと男子はつぶやく。

はぁ……?


「忘れてるも何も、私は貴方のこと知りません」


この人さっきから私の名前言ってるけどなんで知ってるの?

え、なに?ストーカー?


首を傾げて、顔を顰めると、男子は目を見開いた。


そして

「ひどい……」

と、消えてしまいそうな声で言われた。


「貴方、本当に誰ですか?」


私は、こんな男子知らない。

だって、小さい頃、夢の世界で会っていた“あの子”は確か、金髪で目の色はシアン(緑と青の中間の色)だった気がする。


この男子の髪の毛の色は赤茶色だし目の色は青緑だ。


そんなことを思いながら、男子をまじまじ見る。

すると男子はため息をついて


「ニナ。本当に憶えてないの?僕だよ。小さい頃ここで遊んだじゃないか」


悲しげな声でいい、寂しげな眼で見てくる。


あ、まじか。


「……ナギ?」


諦めたように呟いた。すると男子は……いや、ナギは目を輝かせ「そうだよ!」と言った。

その様子はまるで犬のようだ。


確かにね。もしかしたら……とか思ったよ?

でもさ、


「髪と、目の色違うじゃん」


あ、口から出ちゃった。


「あぁ、これ?イメチェンだよイメチェン!こっちの方が僕に似合わない?」


ナギはそう言って笑った。


ねぇ、ナギ。

その笑顔が悲しそうに見えるのは気のせいだよね?

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