誰がエセだこのじゃりんこ!
俺達はヤスを振り切り(無視しただけ)無事学校についた。
一応俺たちの学校について説明しておこうか。
私立孝明館学院
なんと小中高一貫校という結構でかいとこだ。
結構お嬢様だったり金持ちの学校ってかんじのとこだったが今はそうもなくなった。
なんでこんなとこに入れたかって言うと。朱莉の両親がここの理事長と長年の親友らしくて、その紹介で入った。
本当朱莉の両親には感謝している。ここに入るのに問題だった費用も援助してくれた、もちろんこつこつ返しているが。
「えー、であるからして。新学期になりましたがより一層の…」
そして絶賛始業式中。ねむたい、帰りたい。
と思っている間に式って終わるもんですよね。
「…んじゃ明日から通常授業だから教科ごとに指定されている課題を忘れずに、以上。号令」
そして気づいたらホームルームも終わってますよね。
…帰ろう。
「しょーちゃん」
帰ろうと思ったら朱莉が声をかけてきた。
「おう、今日は部活ないのか?」
「うん、今日はお休み」
朱莉はホームメイキング部(いわゆる料理部)に所属している。朱莉は昔からお菓子作りとか料理大好きだからな。
「じゃあ帰るか」
「うん」
「了解かけるん!」
…一応葵を誘って帰るか、一人は無視して。
「無言ということはOK!ということかかけるん!!!」
「一人で帰れ」
「YES!!!!」
教室を出ようとしたその時だった。
「ちょっと待ってくださいな」
凛とした声に呼び止められた
…めんどうな
「私を置いて帰るおつもりかしら?全くこれだから庶民は…」
「だまれエセお嬢」
「誰がエセだこのじゃりんこ!」
「今の」
「…誰がエセですって?」
「言い直した」
「私で遊ぶんじゃありませんわこのじゃりんこ!」
「混ざった」
このキィィィィィィっと漫画のように怒っているこいつは孝明エリン。
ちなみに本名はエリンじゃなくて瑛梨香というらしいが、俺が勝手にエリンと呼ぶうち本人に浸透してしまったらしく自分でエリンというようになってしまった。
こんなのでも一応ここの学院長の娘というガチお嬢様なのだが、気を抜くと素のちょっと汚い言葉が出てくる。
まあ優しい奴なのはわかってるからこう絡んできても相手をするのだが。何かあると俺に使突っかかってくる。
まるで葵だ。めんどうな
「まあいいですわ、それより鏡空さん。私は今ものすごく甘いものが食べたいの」
「金平糖でも食っとけ」
「ですから私とケーキでも食べに行きましょう」
「スルーすんなよ、いかん。帰って寝る」
「いいからいきますわよ」
「葵呼んでくっぞ」
「ごきげんよう、また明日」
こいつはなぜかすごく葵を苦手としている。
いや、敵視してるのか?よくわからんがめんどくなったらこの手を使うのが一番だ。
さっさと葵を誘って帰ろう。
「あ、あの鏡空さん!」
「あい?」
「…今度でいいから行きましょうね」
「へいへい」
よっしゃぁぁぁぁっと聞こえるが気にせず帰るとしよう。
…あいつ一緒に帰ってくれるかな