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魔王はハンバーガーがお好き  作者: 28号
魔王とハンバーガーの章
8/102

Episode07 苦手なもの

「いやーーーーーーーーーーー」

 深夜。店の片づけをしていると突然師匠の叫び声が聞こえた。

 あわてて師匠のいる厨房に向かうと、彼女は黒い魔物と対峙していた。

 黒い魔物とは私の城のメイド達が、そう称していたゴキブリと呼ばれる小さな昆虫だ。

「おお、こいつはこちらの世界にもいるのだな」

「のんきにしてないで、退治して!」

 といわれても手元に武器はない。

 しかたなく、私は久しぶりに我が相棒を呼び出すことにした。

 我が相棒の名は、魔剣アンティベラム。一振りで山をも切り崩す魔力を秘めた剣である。

「我が誓約により、出でよ!」

 久しぶり過ぎて危うく忘れかけていた召喚の魔法を口にすれば、意外なほどあっけなく相棒は現れた。

『久方ぶりです。我が主殿』

「うむ。悪いが、お前の力を使うぞ」

『なんなり……』

 言いながら、我が相棒は唐突に黙り込む。

『主よ、私はいったい何に使われるのか確認してもよろしいでしょうか』

「あれを、たたきつぶそうと思う」

『…せめて、切ってください』

「了解した」

 長年の相棒の意見は尊重せねばなるまい。

 私は相棒を鞘から抜き放つとほぼ同時に黒い悪魔を切り捨てた。

『あと、可能なら洗って頂けるとありがたい』

 相棒の言葉に頷き、私は師匠に目を向けた。

「黒い悪魔は無事葬り去ったぞ」

 私が微笑んだとたん、彼女は突然白目をむいて気絶した。

「うむ、それほどまでに黒い悪魔が苦手だったのか」

『いえ、そう言うわけではないのでは?』

 相棒の言葉を、私は理解できずにいた。

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