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魔王はハンバーガーがお好き  作者: 28号
魔王とハンバーガーの章
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Episode05 少年の心

「あんたさ、ハンバーガー作ってみる?」

 少女の言葉に、私は1も2もなく頷いた。 客のいない、真夏の昼下がりのことである。

 まあ実際やってみたら少女のようにうまくいかず、パテを5枚も焦がしてしまったのだが。

「私はハンバーガーを作る才能がないのだろうか?」

「あんたでも、凹むことあるんだ」

 うなだれた私を、少女は笑う。

「安心しなよ、私も最初はこんなだったから」

「今の君からは想像できないが」

「死んだ父さんにつきっきりで教えてもらってさ、それでも一人前って言われるまで1年もかかった」

「そうか、武術の鍛錬と同じなのだな。何事も精進が必要というわけだ」

「・・・もしも、だけど」

 私のこがしたパテを鉄板からはがしながら、少女はがらにもないか細い声で続ける。

「あんたが、ずっとここにいるって言うなら、教えてあげてもいいよ」

 いやじゃなければ。と少女が続けた。

 もちろん嫌なわけがない。むしろ、非常に喜ばしい事だ。

「君のような職人に私もなりたい。ハンバーガーは今や私の命だ」

「なにそれ」

「教えてほしい。なにもかもを」

 私が少女の手を取ると、彼女は笑った。

「そんな子供みたいなキラキラした目でみられたら、教えないわけにはいかないか」

「では、今日からあなたは私の師匠だな」

「なにそれ、マスターオビワンみたいな?あんたスターウォーズオタク?ますます子供っぽいよ」

「子供っぽいという敬称ははじめてだ」

「いいんじゃないの?少年の心を持った魔王ってのも」

 師匠はそう言うと、早速私にハンバーガーの作り方の手ほどきをしてくれた。


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