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魔王はハンバーガーがお好き  作者: 28号
魔王と友達の章
31/102

Episode28 得意料理

今日もハンバーガーを食べていると、師匠が哀れむような目を私に向けた。

「あんたさ、毎日毎日ハンバーガーばっかり食べててあきない?」

「ポテトも食べているぞ」

 それに師匠から貰った血も飲んでいると答えれば、師匠は呆れた顔をする。

「売れ残ったハンバーガー食べてくれるのは嬉しいけど、やっぱり体に良くないわよ。肥満になるし」

「ひまん?」

「太るって事?」

「大丈夫だ、最近は家から店まで走っているしな」

「何キロあると思ってんのよ…」

「魔王の脚力にかかれば、あっという間だ」

 だから肥満も問題ないと言ったが、やはり師匠は不満そうだった。

「あんたがもし、他のものも食べたいって言うなら作ってあげてもいいのよ。一応ハンバーガー以外にも、得意料理あるし」

「ポテト?」

「ジャンクフード以外も作れるわよ!」

 叩かれた頭をさすりながら、私はハンバーガー以外の料理について考える。

「ピザとホットドッグもジャンクフードか?」

「そうよ」

「ポテトチップは?」

「アレはお菓子」

 即答され、私は困ってしまった。

 実を言うと、私はあまり料理を名を知らない。

 この世界に来る前は食事を取る習慣がなかった上に、こちらに来てからはハンバーガーに夢中になりすぎて、他の物に興味がわかなかったのだ。

 それを素直に告げると、先ほどは叩いた頭を、師匠が優しく撫でてくれる。

「じゃあこれから見付けていきましょう」

 得意料理は多いのよと微笑まれると、何故だか胸の奥がツンと痛くなる。

「師匠は優しいな」

「料理するのが好きなだけよ」

「たしかに、師匠は厨房に立っていると幸せそうだ」

 私が微笑むと、何故だか師匠は私から顔をそらす。

「最近は、他にも楽しいことあるし……」

「歌っているときか?」

「餌付けしている時よ」

 家畜でも飼っているのかと聞いたら、大きな犬がいるという。

 魔王の目にも映らない犬とは、魔獣かなにかだろうか?


お題の提供は『6倍数の御題様』

http://www3.to/6title


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