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Episode24 癒し系
「お前みたいな癒し系の方が、あの子は好きなのかな」
ある日、店に来たチャーリーがそんなことを私に言った。
「いやしけい?どちらかと言えば私は破壊系だと思うが?」
意味がわからないと一蹴された。
「なあ、彼氏じゃないならあの子の好み聞いてきてよ」
「別に構わないぞ」
頷くと、チャーリーはペーパーナプキンに師匠に聞く質問事項を書いた。
早速客が少ない時間に、私は師匠の所へと赴いた。
「師匠、いくつか質問がある」
「なに?」
「好きな男のタイプは」
「魔王以外」
「好みの顔は」
「魔王以外」
「行きたいデートスポットは?」
「デートとか興味ない」
「アメフトとバスケはどっちが好き?」
「私野球ファン」
「欲しい贈り物は?」
「頭にリボンを巻いた魔王だけはゼッタイに嫌」
「以上だ」
「参考になった?」
「なったんじゃないか?」
翌日、質問の答えを書いたナプキンをチャーリーに渡すと、彼はそれを読み、無言のままゴミ箱に捨てた。




