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魔王はハンバーガーがお好き  作者: 28号
魔王と友達の章
25/102

Episode22 アイコンタクト

「最近、お前さん達息が合ってきたよな」

 ある夜、ダイナーを訪れたスティーブが私を呼び止めそんなことを言った。

「でもまだ、よく怒られる」

 それに最近、仕事中はあまり言葉を交わさなくなった。

「それはな、言葉が無くともお互いが繋がってるからだ」

「どういう意味だ?」

「言葉だけじゃなく、人間ってのは目線でも会話が出来るんだぜ」

 言われてみれば、言葉数は少なくても師匠と目が合う事は多い気がする。

 確かに、目が合うことで師匠の考えが読めることも沢山あった。

 皿を片づけろ、水を運べ、床にモップをかけろ、トイレ掃除に行ってこい等々、師匠の言いたいことは確かに目を見ればわかる。

 そして師匠も、助けを求める視線を送ればすぐに飛んできてくれる。

 私にとって、人と目を合わせることは人を殺す事と同意義だったが、こちらの世界ではそうとも限らないらしい。

「目で会話をするのか、人間は本当に器用だな」

「安心しな、お前さんもちゃんと出来ている」

 特に師匠との間ではそれが出来ているらしい。

 それが嬉しくて、私はカウンターの向こうの師匠に目を向けた。

 すると師匠も、こちらに気付いて顔を上げた。

 たしかに、目が合うととても幸せだ。

 幸せすぎてちょっと感動していると、ついついリミッターが外れてしまった。

 物凄い爆音がして、師匠の前のカウンターから突然火の手が上がった。

「すまない、久しぶりに目に力を入れたら邪眼ビームが出てしまった」

 それから1週間ほど、師匠は私と目を合わせてくれなくなった。

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