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魔王はハンバーガーがお好き  作者: 28号
魔王と師匠の章
23/102

AnotherEpisode2  「今は非常時なのよ!非常時だからきっと何をしても許されるわよ!」

Episode20.5話 別視点です。

 気がつけば、手を握られるどころか抱え込まれていた。

 画面の中では殺人鬼と対峙した女子が悲鳴を上げているが、悲鳴を上げたいのはこちらである。

 ホラー映画が苦手という馬鹿っぽい魔王は、クッションの変わりに私を抱え、私の肩から目だけを出して映画を凝視している。

 怖いなら見なければいいのに、やはり興味はあるらしい。

 でもこの体勢は、この体勢は違う意味で心臓に悪い。

「子どもじゃないんだから」

「こうしていないと怖い」

 そう言って、魔王は後ろから私の体をギュッと抱きしめる。

 それどころか、回された手に魔剣なんぞを持っている。

 本当に子どもだ。でも密着している魔王の体は無駄にたくましく、嫌でも彼が年上の男であることを感じさせる。

 殴り倒したい。

 殴り倒したいが、ほんの少しだけ、ほんの少しだけこのままでも良いと思ってしまったのも事実だ。

「師匠は怖くないのか?」

 耳元でささやかれた言葉を甘く感じてしまうのも、きっと部屋を暗くして映画なんて物を見ている所為だ。

 そして魔王ほどではないが、映画のシーンは殺人鬼の恐怖を、これでもかと言うほどに演出している。

「そんな訳ないでしょう」

 いつもの調子で言ってしまった直後、画面一杯に殺人鬼の姿が映った。

 殺人鬼は怖くない。でも驚かせる演出に私は弱いのだ。

 思わず魔王の腕の中で、彼の胸に縋り付いてしまった。そんな自分の行動に気付いて、私はパニックになる。

 今は非常時なのよ!非常時だからきっと何をしても許されるわよ!

 例え相手が赤の他人でも、魔王でも、殺人鬼が飛び出してきたら普通は飛びつくはず。

 今更のように自分に言い訳を重ねて、私は魔王の腕をギュッと掴んだ。

『非常時、確かに非常時ですなこれは』

 いつの間にか、考えが口に出していたらしい。

 側の魔剣がそう言って、にたりと笑った……気がした。


※11/5誤字修正致しました(ご報告ありがとうございます)

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