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魔王はハンバーガーがお好き  作者: 28号
魔王と師匠の章
20/102

Episode18 バナナ

 兼ねてから、私はこの店の飲み物に関しては懸念を抱いてきた。

 コーラ。これはとても薄い。

 オレンジジュース。これも薄い。

 スプライト。薄い

 飲料水。実は水道水。

 コーヒー。これはもはやコーヒーの味がしない。

 と言った具合に、ハンバーガーがあれほど美味であるのに、飲み物がどれも酷い味なのだ。

 どこのハンバーガーダイナーもこういう物だと言うが、私がこっそり書店で読んだ本には飲み物も売りにしている店も多いと書いてあった。

 それを指摘したら師匠は不満そうな顔だったが、やはりハンバーガーを引き立てる飲み物も大事だと私は思う。

 そこで私は師匠が寝静まった深夜、こっそり店に通い、店の売りになるドリンクの開発を始めた。

 とりあえず先日知り合ったチャーリーという若者とその仲間の話を聞いたところ、スムージーやシェイクと言った甘い飲み物もあると良いとの話だった。

 そこで私は手頃な値段の果実を用いて、シェイクという奴を作ってみた。

 アイスと牛乳と果物をミキサーという拷問器具で混ぜればすぐに出来るお手頃商品である。

 とはいえ配分は、勘。飲んだことがないのだから仕方がない。

 しかしこれが意外と良くできた。特にバナナを使った物は大変美味であった。

 開発から約一週間後、恐る恐る師匠に試飲をお願いしてみた。

「どうだろうか?」

「いくらで売るつもり?」

「25セント?」

「安すぎて元取れない」

 そう言った後、師匠は私の前に3ドルを置いた。

「これくらいでも、私は飲む」

 そして私のバナナシェイクは3ドルで売られることになり、店の人気商品のひとつになった。

※9/4誤字修正しました(ご指摘ありがとうございます)

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