表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王はハンバーガーがお好き  作者: 28号
魔王とハンバーガーの章
12/102

AnotherEpisode1 「あんたが言うと冗談に聞こえない」

Episode10話 別視点です。

 パーティに魔王を連れてきたのは間違いかも知れないと、私は思い始めていた。

 入り口から楽屋に入る僅かな間だったが、その間にも多くの女子達が彼をうっとりした顔で見つめていたのだ。

 ついつい忘れがちだが、魔王は顔だけは良いのだ。顔だけは。

 とはいえ、別に嫉妬しているとかそう言うことは断じてない。別に魔王とはなにもない。たまたま家の外にいたから拾っただけの赤の他人だ。

 でも一応魔王だし、何か間違いがあるといけない。

 だからついつい、彼に色々な約束を取り付けてしまったのだ。そしてそれを、魔王は律儀にメモなんか取っている。

 ひとつくらい嫌だとか出来ないと言えばいいのに、魔王はいつも私のいうことを全て真に受ける。まるで犬だ。

「私は殆ど舞台の上だから、何かあったらスティーブに聞いて。あいつも来てるから」

「了解した。でもその心配はない」

「大丈夫?」

「私はつねに、師匠の側にいる。舞台袖から一歩も動かないつもりだ」

「いや、でもさすがにそれはつまらないでしょ」

「今日は、師匠の歌う姿を見に来たのだ。だからずっと見ている」

 犬。それも忠犬過ぎる魔王は、そんなことをさらりと言ってのける。

 犬だからわからないのだ。そんな真面目な顔で、甘い声音で言われたら世の中の女子がどう思うか。

「そう言うセリフ、あんまり言っちゃ駄目よ」

「セリフ?」

「あんたが言うと冗談に聞こえない」

 私の言葉を、魔王はちっとも理解していない表情で頷く。

 頭の悪さも、犬並みだ。

※11/5誤字修正致しました(ご報告ありがとうございます)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ