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魔王はハンバーガーがお好き  作者: 28号
魔王とハンバーガーの章
11/102

Episode10 楽屋

 師匠に喋り方のレクチャーをした翌日、私は生まれて初めての体験を沢山した。

 一つ目は車という鉄のドラゴンに始めて乗った。運転は師匠だ。正直乱暴で気分が悪くなった。

 次に、この世界の人間達が暮らす街という所に始めて行った。そこで始めて服というのも買って貰った。

 今までは師匠の死んだ父親の服を着ていたのだが、若干丈が合わず不格好だった。それではパーティに連れて行けないと言うことで私のサイズにあった服を買ってくれたのだ。

 そしてそう、何よりも初めてで驚いたのはパーティという宴である。

 師匠の高校の体育館で開かれたそれは、若い男女だけでなく街中の男女が詰めかけるとても賑やかな物であった。

 狭い街故、こういう催し物はたくさんの人々が来るのだという。

 そしてそれに、私が出ることを師匠は許可してくれたのだ。

「でも、絶対私の側を離れないでよ」

「あと、ハンバーガーは絶対食べちゃ駄目。私のより上手いハンバーガーなんてないし、口が腐る。でもまあ、ピザなら許す」

「あとそう、絶対知らない女の子について行っちゃ駄目だからね。ダンスとか絶対駄目」

 そういって、師匠は楽屋として用意されたステージ裏で、私にたくさんの約束事を取り付けた。

 師匠は怖いので全部メモした。

「私は殆ど舞台の上だから、何かあったらスティーブに聞いて。あいつも来てるから」

「了解した。でもその心配はない」

「大丈夫?」

「私はつねに、師匠の側にいる。舞台袖から一歩も動かないつもりだ」

「いや、でもさすがにそれはつまらないでしょ」

「今日は、師匠の歌う姿を見に来たのだ。だからずっと見ている」

 私がいうと、師匠は何故だか真っ赤になって私をこづいた。

 最近師匠は私の言葉でよく赤くなる。たぶん、私の言葉のどこかに師匠を赤くなるほど怒らせる言葉があるのだろう。

 気を付けねば。

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