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むりやり自宅警備員  作者: 白かぼちゃ
はろう、異世界
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森の仲間と開店準備(前)

 おはようございますみなさん。

新しい朝です。希望の朝だといいですね。



 昨日一晩かけて考えて、やっぱり店は飲食店にすることにした。

ほかにもいろいろあるかもしれないけど、俺ができるのがそれぐらいだからだ。

並行して薬草や食材の小売りをしてもいいかもしれないけど。


 しかしそうなると問題が出てくる。

どう考えても場所が狭いのだ。やはり店をやる以上は改築しなきゃならんよな。

二階建てにして一階部分を店舗、二階部分を住居にするというのが土地の広さからしてもベストだと思う。

まぁ大きさは喫茶店ぐらいあれば十分だろう。

なに? そこまで決まってるならさっさと改築しろって?

いえいえ、先立つものがないのです。

改築に(150,000)でひと月当たり(70,000)……。

毎月の魔力を払えなかったらどうなるかわからんけど、おそらく家が消えたりするのだろう。

一か所から動けないホームレスとかまじ勘弁です。


 でもなぁ、店を開く以上はどうしても建物の改築はかかせないんだよなぁ。

だれかお金を貸してくれる人いないかなぁ。

……グランさんに聞いてみよう。


 えーとたしかフォンに向かって名前を言うんだよな。


「もしもし、グランさん?」


 はたからみたらかなり間抜けな光景だよな。

石に向かっておっかなびっくり話しかける男。

うわシュール……。

やり方間違ってたら目も当てられない。





 ……「なんだ? サイトウか?」


「(セーフ)グランさんですか? サイトウです。おはようございます。

えーとですね、店を開店するために諸事情でお金がいるんですけど金貸しみたいなことやってる人知りませんかね?」


「フォンの魔力じゃだめなのか? 

俺の波長を記録したとき結構たまってるように感じたんだがな。

まぁいいか。

結論からいうとこの森には金は流通してねえ。つまり金貸しもいねえってことだ。

だが外と交流のある一部の奴らがこの森で行き倒れてる奴らを森の入口まで運ぶ代わりに、所持金の半分をいただいてるってのを聞いたことがある。

そういう奴等に頼めばかしてくれるかもしれんな」


「えーと、このフォンって魔力結構たまってるんですか?」


 意外だ、いつの間にたまってたんだろう。


「なんだ知らなかったのか。フォンに向かって<ゲイン>と唱えな。

そうすりゃわかる。

で金貸しの方はどうする?」


「とりあえず紹介してもらっていいですか?」


「おうよ。

そうだな……。

そうだ! ミリアがいい! 何でも屋をやってる奴なんだが知り合いになっといて損はねえ。

そうと決まれば善は急げだ!

ミリアに言ってそっち行かせるからまってろよ!」


 正直頼む側なのに来てもらうのはどうかと思うが、ここから離れられない以上はとてもありがたい。

お言葉に甘えるとしよう。


「ありがとうございます、助かります。

また店が開いたら来てくださいね。たっぷりサービスさせてもらいますよ」


「そいつは楽しみだ。

じゃあまたな!」



 さすがグランさん、頼りになります。

そんなあなたにしびれます。


 それはさておきフォンを調べてみるかな。


「ゲイン」


 ……えっ?

(300,000)もあるんですけど。だれかの落し物だったりしない?

まぁ落し物だとしても一割はもらいますが。


 ん? なんかメッセージがある。

なになに……。


『よき隣人よ。わが名はアスフェル。この森を治める王の第一子である。

まずそなたを悪意あるものではないかと疑ったことを詫びたい。

王に伺ったところ、人の身にてこの森で生きていくことはつらかろうということで援助することを許可していただいた。

そなたの魔法によって、この森の民たちが少しでも豊かに暮らせるようになることを祈っている』



 ……なんていい人なんでしょ、この森の王族の人たち。

なんで俺の魔法を知ってるかは分らないけど別に隠してないしね。

どこかで見ていたのだろう。

これは頑張らねば。


 さて、そろそろミリアさんを迎える準備をしますか。









  コンコン


扉をたたく音がする。


 ん? 来たかな?


「はい、今開けますのでお待ちください」


 扉をあけるとそこには、見ているだけで癒されそうな笑顔をしたおねえさんが立っていた。

金髪の上には形のいい耳がのっている。

……やばい、何かに目覚めちゃうかもしんない。


「こんにちは、ミリアさんですか?」


「こんにちは~。何でも屋<狐火>をやってるミリアっていうの。

よろしくね~」


「自分は飲食店開業予定のサイトウといいます。

こちらこそよろしくお願いします。

どうぞ、上がってください」




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