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むりやり自宅警備員  作者: 白かぼちゃ
お世話になります、サンライズ
52/62

結局性格は変わらないけれど。

 サンライズの北側に位置する食品市場。そこは飲食店を経営するものたちが毎日足を運ぶサンライズの食料庫とでもいうべき場所だ。サンライズは魔物の森と鉱山の付近につくられた街で、食料を生産してはいるものの土地の関係上手に入らない食料も多い。そのため別の街から届いた食品を多く販売する北側の市場に飲食店関係者が集まるのは至極当然のことといえた。


 そして現在、その食品市場ではある噂が売り手買い手を問わず知らないものはいないほどに飛び交っていた。

 ――エバンス商会が珍しい食べ物を大量に売り出すという噂だ。


「なぁ、お前のとこにもジルちゃん来たか?」


「きたきた、珍しい食材を売り出すって意気込んでたぞ」


「やっぱりジルちゃんはあれぐらい元気なほうがいいなぁ」


 市場の片隅でも仕入れに来たらしいスキンヘッドの男と頭にバンダナを巻いた男が噂について話をしている。荷物持ちについてきた見習いの少年も興味を隠せない様子だ。


「それに売り出すものもかなりのもの――ペガサス級の肉とか言ってたか。さすがにそこまでじゃないにしろあの子が言ったんだ、相当のものなんだろ」


「違いない。売り出しは今日の夜だったよな、一丁張り込んでみるか?」


 男たちは顔を見合わせカカと笑いあう。それにつられるように少年も笑ったが、二人の目が真剣な光を宿していることに彼は気付かない。いつもの冗談の一環だと思っているのだ。


「そいやお前はジルちゃんのこと知ってたんだったか?」


「ジル=エバンスさんのことですか? お名前は聞いたことがあるぐらいです」


「いやー、あの子はいい商人だぞ。俺はダミスよりもあの子を応援したいなぁ」


 男の一人が太い腕を組みうんうんと頷き、もう一人の男もそうだそうだと神妙な顔で相槌を打つ。


「まさか市長と争ってるんですか!?」


 少年はあまりのことに主人の前だというのに大声で叫んでしまった。なにせサンライズにおいて市長たるダミスの権限は絶対だ。無論明らかに理不尽な事はできないが、多少の無茶であれば通してしまうため一商人が争っていい相手ではない。


「争ってる、というか目の敵にされてるって感じだな。ダミスに随分差をつけられたみたいだが俺はジルちゃんに頑張ってほしいよ」


「まったくだ。ダミスのとこも商売自体は悪くないんだが、昔から知ってる分ジルちゃんを応援したくなるな」


 大声で叫んでしまったというのにお叱りがないところを見ると、どうやら少年の主人は随分機嫌がいいらしい。少年はホッと胸をなでおろし急いで話題を変えるべく質問を続けた。


「お二人ともエバンスさんのことを随分ご存知なんですね」


 少年からしてみれば当たり障りのない質問のつもりだったのだが、結果としてこれは大失策になる。二人の男が急に目を輝かせ火がついたようにしゃべり出したのだ。


「もちろんだ! いやー、親父についてちょこちょこ歩き回ってた頃は可愛かったなー」


「うちに初めて取引に来たときもガッチガチに緊張しててな、今では考えられんけどな!」


「ったく、お前にもあの十分の一の可愛げでもあればなぁ」


 なんなのこの理不尽。

 あんまりな流れ矢に挫けそうになりながらも、少年はなおも喋り続ける男たちを半眼で眺めていた。その様子からふと思い出すのは、初孫に骨抜きにされていた親戚の光景。その時の経験則から言えばここはただ笑って立っているのが正解だろう。


 空を見上げると小さな鳥がチチチと鳴きながら自由に飛び回っている。

 このまま放置しといて間に合うのかなぁ。

 少年は未だ横から聞こえてくる会話を聞き流しながら青い空をぼーっと眺めていた。
















「っしゅん!」


「ジルさん大丈夫ですか? 売り出し今日の夜なんですからしっかりしてくださいよ」


「んー、風邪かねぇ。そんなことはないと思うんだけど」


 ジルさんが売り出しを宣伝しにいってから数日たったある日。エバンス商会の一同は今日の夜行われる競売の準備をすべく各員寸暇を惜しんで働いていた。

 あれからいろいろ考えたのだけど、結局広さの問題で競売はここではなくエバンス商会本館で行うことになった。そうなると本館にいけない俺としては少々残念に思うわけだけど、これも仕事な上合理的な理由からのことなので仕方がない。もっと動けるようになったら是非見に行ってやろうじゃないか。


「ところでサイトウは商品のリストは出来たかい?」


「はい、今日の分は簡単な説明もつけ終わりましたよ」


「我も協力したからな、なかなかのものに仕上がっているぞ」


 今俺達が任されていたのは競売に出されるものの簡単なリストを作る仕事だ。もちろんものを見て判断する必要があるのは間違いないけど、それだけでは分からない栄養や扱い方などを書いたリストは必要になる。そこで俺が薄ぼんやりとした記憶を引っ張り出し、アスが考察を付け加えリストに書き込んでいったのだ。思い出したりアスからの質問に答えたりと結構な時間がかかってしまったけど、それなりのものに仕上がったのではないかと思う。


「うん、いい出来だ。これなら来てくれた人にもどういう商品なのかが十分伝わるよ」


「よかった。これでダメだって言われたらどうしようかと思いましたよ」


「ダメなんていうもんかい。ここまで詳しい説明なんてみたことないぐらいさ」


 この世界では栄養学なんてものは広まっていないらしいのでビタミンと言っても理解されなかったが、代わりに目にいいとかお腹の調子を整えるといった直接的な効果を書き込んでおいた。なんとなくこんな効果がある気がするというレベルで食材の効果を判断しているこの世界の人たちからしてみれば、俺の拙い説明文でも相当詳しいと感じられたのだろう。


「これらの食べ物はサイトウの故郷ではそんなに昔から食べられていたのか?」


「うーん、どうなんだろう。効果は確かだけど、いつから食べられていたとかはよくわかんないや」


「ふむ、まぁそういうものか」


「書いてあることが嘘じゃないんだったらそれでいいじゃないか。後はあたしが複製所に持ってっとくからあんた達の仕事はこれで終わりだね。お疲れ様」


「うー、もう疲れたぞ」


 ジルさんの合図でアスがぐたっと机に突っ伏した。森ではデスクワークなんてしたことなかっただろうから普段とは違う感じに疲れてしまったのだろう。日本ではそれなりに勉強していた俺ならそんなに疲れなかったのだろうけど、残念ながら俺ではまともに字がかけないのだ。せめてもと右腕をぷらぷらさせているアスにねぎらいの言葉をかける。


「俺が書ければよかったんだけどね。ごめん、助かったよ」


「まぁそれはいいのだが、ここで働いている以上はさすがにもう少し書けるようになったほうがよいと思うぞ?」


「読み、書き、計算は見習いの子たちが真っ先に覚えるほど大切なことだから、サイトウが出来ないのは少し問題かもしれないねぇ」


「うう、申し開きもございません」


 たびたび文字を書く必要がある場面があって簡単な言葉は書けるようになったのだけど、少し複雑だったりするとすぐにアスに回してしまっている。危機感を感じてそれなりに勉強はしているつもりだけどこの歳でゼロから新しい言語を覚えるのはなかなか辛いものがあるし、疲れて集中できないことも多くて遅々として進んでいないのが現状だ。


「特にこの前のはびっくりしたぞ。どんなものか簡単な説明を書いて欲しいとサイトウがお客に言われてな。我のほうを見て『担当のものに替わりますね』だぞ? 我も説明できるほど分かってはおらんのだ。おもわず『担当とは我のことか?』と聞き返してしまったわ」 


「あー、それはねぇ。でその時はどうしたんだい?」


「サイトウが窓口の近くにあったメモをこっそり隠してな? 我がここには紙がないから書いてくると言って、二人して引っ込んで書きあげたわ」


「ごめんなさいごめんなさい」


 アスにどんなものか詳しく話しておかなかったのも文字が書けなかったのも俺のせいで、反論できる余地が一片もない。ひたすら謝り続ける俺を見てジルさんは腹を抱えて笑い出す。


「ははっ、あんた達いいコンビ過ぎるだろう!? いっそのことこれからもそうやってったらどうだい?」


「我はもう少しゆとりが欲しいぞ……」


 アスがくたりと机に突っ伏し答えを返す。ジルさんはその姿を見てひとしきり笑うと目元を拭いようやく笑いをおさめた。


「ここまで笑っといて自分でも何だと思うけど、アスちゃんも許しておやりよ。本人がどう思ってるか知らないけど、ゼロから覚えたにしてはなかなかいいペースなんじゃないかと思うよ。今はもう簡単な単語なら書けるようになってるんだろ?」


「……そういわれてみればそれも……そうか」


「大変だろうから気持ちは分かるけど、そこは助け合いってことで許してやるのがいい女ってもんだよ」


「むむ、サイトウよ。おぬしは努力しておるというのにひどいことを言ってすまなかった」


「いや、もう惨めになるんでそのぐらいで勘弁してください」


 年下の女の子が大人の対応をして謝ってくるってどんな罰ゲームだよ。なまじ死にもの狂いでやればもっと出来たと思ってしまったからいたたまれない。ジルさんはジルさんで横を向いて楽しそうな顔をしてるし、これ絶対仕組まれてるよ。


「楽しんだところでそろそろあたしは本館に戻るとするよ。二人は今日どんな役割かもう分かってるかい?」


「俺がここで見本の材料出しと、購入権の落札と同時に材料を買いたいというお客さんに販売する仕事ですね」


「そして我がサイトウの手伝いと、万一不埒者がやってきたときにその撃退だな」


 軽く振った拳でやばい風切り音。張り切るアスを見ると、獣人って多少血の気が多いものなのだろうかと思ってしまう。うん、きっとアス個人がちょっと活発なだけだ、間違いない。


「でもあんた達だけじゃ危ないかもしれないだろ? だから夜だけはザックにも来るように言っといたから安心しな」


 ジルさんはぐっと親指を立てて星が飛び散りそうなほどまばゆいウィンク。今の風切り音を聞いていたのか疑いたくなる発言だ。

 ああ、この世界にはオーバーキルだとか過剰戦力だとかいう言葉はないのだろうか。いや、ないからこんな布陣を敷くのか。……強盗さん、きちゃだめにげてっ。

 

 そばにいるいい笑顔の二人をよそに、俺は来るかどうかも分からない不埒者の心配をしているのだった。



 競売開始まであと一時間ほど。辺りもすっかり暗くなった頃、力強いノックと共にいつもの巨漢ザックさんがやってきた。ザックさんとの比較で小さく見えるけど、手にはそれなりの大きさの包みを持っている。


「おうお前ら準備ごくろうだったな。差し入れ持ってきたからこれでも食えよ」


「おお、感謝するぞ!」


 アスが目を輝かせ差し出された包みに猛然と突撃していく。嬉しそうに笑うザックさんに包みを渡されると大事そうに両手で抱きかかえた。

 朝から準備をしっぱなしでしっかりした食事を取っていなかったから相当嬉しかったのだろう。俺も料理をつくる気分にはとてもなれなかったから非常にありがたい。

 飢えたアスに急かされ、さっそく料理を広げて食べ始めた。


 味のほうはさすがザックさんとでも言うべきだろうか。俺の作った家庭料理もどきとは違って、しっかりとした技術を感じるプロの料理というべきものだった。

 万全の状態で食べたらきっと苦しくなるまで食べてしまうだろう。しかしさすがに今はそこまで食べられない。俺は食事の手を止め、気になっていたことを話すため口を開いた。


「ザックさんは今日の競売うまくいくと思いますか」

 

「ん、お前はうまくいかんと思ってるのか?」


「分からないんです。うまくいくのかいかないのか、本当にぜんぜん」


 準備も終わりいよいよ開始が近づいてくると、途端に本当にこれでいいのか不安になってきた。ジルさんの言葉を疑っているわけじゃない。はっきりとした心配があるわけでもない。ただ漠然と不安になってきたのだ。

 俺は商売について本格的に勉強したわけでも、食品についてしっかりとした知識を持っているわけでもない。だからだろうか。自分が本当に努力して手に入れた知識でも魔法でもないから、最後のところで自信が持てなかった。


「俺はうまくいくと思うがな。実際に食材の良さは確認したし、ジルがいいといったなら売り方とかの問題もないんだろ」


「それはそうなんですけど、なんか最後のところで自信が持てないんですよ」


 窓の外ではぼちぼちとお客さんがエバンス商会に入っていく。それですらこの時間であの客入りはいいのか悪いのか不安になってしまう。ジルさんも、ザックさんもアスも、どうしてそんなに落ち着いていられるのだろうか。


「少し難しく考えすぎているのではないか?」


「俺もそう思うんだけどね」


 自分でも思っていたことだけにアスにはっきり指摘されると苦笑がもれる。ザックさんはどうなのだろうと見てみると、なんとも難しそうな顔で腕を組んでいた。


「最後の自信か、そればっかりは口でいってもなぁ。

 おい、そろそろ客足も増えてくるだろうからここら辺片付けるぞ」


 外を見れば先ほどより随分多くの人が前の道を通りエバンス商会に入っている。いまいちしっくりこないような感じだけど、もし片付いていない今お客さんが入ってきたらなんとも気まずい。話は置いておいてとりあえず三人で片付けを始めた。


 食器を片付けたり簡単な掃除を終えると特にするべきこともなくなってしまう。とはいえいつお客さんがきてもおかしくない時間なので、三人とも決めておいた位置に待機し始めた。アスは窓口の前の椅子に座り、俺はその後ろでがちがちになって立つ。そしてザックさんは店の外でじっと本館のほうを見ていた。

 前の道にはもうほとんど人通りがない。もうそろそろ始まる時間だろうか。お客さんは結構入っていたみたいだけど、お客さんの数が成功に直結しないところが競売の怖いところだ。


「サイトウよ、高く落札されるといいな」


「あー、ほんとに今そればっかり考えてるよ」


「よっぽどうまくいくだろうからそんな心配すんな」


 こうやって声をかけられるとますます二人がどうしてそんな心理状態でいられるのか気になってくる。

 そんなことを考えているとエバンス商会本館からジルさんの威勢のいい声が聞こえてきた。今の声は多分始めの商品が紹介されているのだろう。いよいよ競売が始まったみたいだ。


「おうサイトウ、さっきの話だけどな。自信がないなら別にそのままでもいいと思うぞ」


「えっ?」


 緊張が高まったタイミングでザックさんがふっと呟くように話しかけてきた。


「自信がないやつはどうにかできないか考える。無駄な自信があるよりよっぽどいいぞ」


「そんなもんですかね」


「知らん。だがそんなもんだと思うぞ」


 ――んな投げっぱなしな。

 そう繋げようと口を開くが俺が声を出すより早くアスの声が聞こえてきた。


「おっ? なかなかいい具合に値段が上がっておる見たいだぞ?」


「お前ここからでもそんなはっきり聞こえるのか。がやがや聞こえるのが精一杯だぞ」


 道を挟んだ向こう側にある本館はここから見えるものの声をはっきり聞くのは難しいぐらいの距離はある。道側の大部屋で競売をやっていることを差し引いてもさすが獣人といったところだろう。さすがバンダナの下でぴくぴく動く耳は伊達ではない。

 

 アスとは違いがやがやと雑音程度にしか聞こえない声に祈るようにして耳を澄ます。大きかった声がだんだん小さくなり、一つの声を最後に聞こえなくなった。

 おそらく一品目の競売が終わったのだろう。結果がどうなったのか気になって仕方がない。

 不安が胸中をぐるぐる回るそんな時、アスが嬉しそうな顔でくるりとこちらを向いた。


「むふふ、サイトウ驚くがよい。一品目は原価の五割り増しで売れたぞ」


「おい、やったじゃねぇか!」


「えっ、ほんとに……?」


 アスとザックさんが嬉しそうに笑いかけてくるけどなんだか実感が湧いてこない。

 ――五割り増しって初め考えてたのより高いじゃん。ほんとにそんな高く売れたの?

 アスが嘘を言うはずないのにこの期に及んでそんな考えが浮かんでくる。

 

 しかしそんなぐらぐらした考えは一瞬――本館から聞こえてきた怒号に吹き飛ばされた。


 俺ですら聞き取れそうなほどの激しい声、声、声。

 夜の静寂を切り裂く激しい音と迫ってくるほどの熱気が目で、耳で、肌で、現実となって感じられる。

 こんなものを見てしまったらもう疑いようもない。本当なんだ、今目の前で成功しているんだ!


「うおー! うるさいぞー!」


「しゃあ来たー!」


 ザックさんが筋肉を隆起させてガッツポーズ。アスは座ったまま両手を挙げ嬉しそうに叫び声をあげた。あんまり勢いよく動きすぎたのか、危うく椅子ごと倒れそうになったアスを背中から支える。危ないなぁと息をつくと俺にもたれ掛かったまま、アスが逆さの状態で俺に笑いかけた。


「難しく考えることなどなかったであろう?」


「……お姫様のおっしゃる通りで」


 アスの『言ったとおりだろう』という笑顔を見ていると脱力して思わず笑いがこみ上げてきた。完全にアスのようになるのは絶対無理だけど、三分の一ぐらいなら頑張って見習ってみようか。そんなことを考えながらアスごと椅子を直していると、本館の扉を開け今にもスキップを始めそうなほど上機嫌なスキンヘッドの人がこちらに歩いてくるのが見えた。

 その人はここまでやってくると全開の笑顔で笑いかけてきた。


「今競売で落としてきたんだが、この肉を十キロほど売ってくれんか?」


「うけたまわった。今持ってくるから少し待っててくれ」


 決まっていた通りの流れで俺はアスの指示を受け、商品を出すために店の奥まで引っ込んでいった。

 念のため部屋の扉を閉め魔法を発動。いつもと変わらぬあっけなさで包み紙の上に見事な肉がどんと現れる。

 

「はいお待たせしました。またご利用お願いします」


「もちろんだ。また買いに来るからきらしとかんでくれよ」


「当然だ、いつでも安心してくるがよいぞ」


 記念すべき競売第一号のお客さんが手を振りながら帰って行く。その間にも競売は進み、次から次へと商品が落札されたような音が聞こえてきた。


「ふふ、今晩は忙しくなりそうだな」


「俺はこそ泥が来なくて暇だがな」


 ザックさんの言葉は敢えて無視しアスの言葉にしっかりと頷いた。

 本館からはまた数人のお客さんがこの店にやってくる。今晩の忙しそうな予感に幸せで胸が躍った。

  


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