これはひどいんじゃないかな?
とりあえず2話目です。
店経営はもう少し先になると思いますがよろしくお願いします。
目が覚めると、そこは小さな家のベットだった。
中世ヨーロッパの農家、といった感じだろうか?
どうやら外は森のようで、鳥の声がすがすがしい。
プルルル……
場違いな電子音がする。なんで携帯電話があるんだよ。
まぁほぼ確実に神様関係だろうからとりあえず出てみるか。
「もしもし」
「斎藤さん、天界でお会いしたセラです。おはようございます。
このたびは説明のためにお電話させていただきました」
どうやら天界のものだったようだ。アフターサービスまで充実しているとはさすが天界。
これなら顧客満足度も高いだろう。知らんけど。
「おはようございます、セラさん。わざわざありがとうございます」
「仕事の一環ですので、気にしていただかなくて大丈夫ですよ。それでは説明しますね。
この世界はイスパニアといいます。イスパニアには魔法が存在しますので、斎藤さんの能力は魔法の一種という扱いです。それでは発動させてみてください」
無理だろ、とか思いつつも念じてみるとカタログのような画面が出てきた。
なんか長ネギとかトマトとか載ってるし……。
「カタログの写真の下に数字がのっていますよね?
そこにある分の魔力を使って、物を作りだすのがあなたの能力です。
使っていくうちに品目が増えるようなので、どんどん使っていってくださいね」
長ネギひと束(98)、トマト1個(100)。
……なんだろう、数字の後に円をつけたらファンタジー感が一気になくなる気がする。
「次は魔力についてです。この世界では魔力は自然には回復しません。一人ひとり違う<キー>と呼ばれる物質を吸収することで回復します。
最大魔力には上限がありますので、あるだけ一度に吸収しようと思ってもできないことがあるので注意してください」
「なるほど、ちなみに自分の<キー>はなんなのですか?」
「お金、ですね。この世界の通貨なのですが1フォルで(1)回復します。
学生の昼食が大体500フォル、普通にお店で食べると1000~1500フォルといったところでしょうか」
わー、なんだかとってもわかりやすいやー。
わかりやす過ぎてなんだか微妙な気分なんですが。
「最後にこの家ですが、能力の一環として発生したものです。
お城などは無理ですが、今の家と同じような規模の建物にでしたら瞬時に変化することができます。
規模を大きくしたいのでしたら魔力を使って強化してください。
なお今現在で月に(50,000)ほど魔力がかかります。家を強化していくと、かかる魔力も増加していくので注意してください。
以上で説明を終わります。このほかのことについては説明してはならないことになっているので、申し訳ありませんがご容赦願います」
なんだかわからないことが多すぎるけど、仕方ない。自分で調べていこう。
うーん、これでは顧客満足度ナンバー1にはなれんなぁ。
「わかりました。ありがとうございます」
「それでですね。これは個人的なお話なのですが……。
あの……その……ですね……」
セラさんにしては、珍しく歯切れが悪い。どうしたのだろう?
「えーっと……。が、がんばってくださいね!
私、応援してます! 強く生きてください!」
なんといい人なのだろう。
実はセラさんが神様だったりしません?
「ありがとうございます。頑張らせていただきますね」
「それでは失礼します。その……良い生活を……」
ピッ……
なんだろう、応援されて元気が出てきた。
よし、腹も減ってないしさっそく外に出てみよう。
外に出て確認してみる。
どうやらこの家は森の中、ぽっかり空いた空き地にポツンと建っているようだ。
家の周りを簡単な木の柵が入口と思しき部分を除いて囲っている。
周りの木のむこう側が見えないのでそれなりに森の深いところなのだろう。
それにしても空気がおいしい。朝の涼しげな気温もあってなんともさわやかな気分だ。
「よし、食料の心配もないし一回森を抜けてみよう」
いざゆかん、と柵の外に出ようとしたが何かにぶつかった。
なんだよ痛いじゃないか。不思議に思って手を当ててみるとなんだか壁みたいなものがあった。
なにこれ? とりあえず柵を一周回って調べてみたが何処も同じようだ。
殴っても蹴ってもびくともしない。
途方に暮れていると、頭の中で声が響く。
<制約が発動しました。あなたは自宅より出ることができません>
……えっ。
一筋の汗が頬を伝う。
同時にセラさんとのやり取りが頭の中で再生されていく。
やばい、汗が止まらない。
「……まじですか?」
やっぱり小説書くのは難しいです。
上手に書いてる皆さんほんと尊敬ですよ。