表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
むりやり自宅警備員  作者: 白かぼちゃ
はろう、異世界
10/62

なんという奇襲。

なんと総合評価100pt突破です!

読んでくださっている皆様に感謝です。


今回はきりが悪かったのでいつもより長めです。

 やりました。ついにこの時がやってきました。

いよいよ店の完成です。

といっても魔法で簡単に改築もできれば仕入れもできるので、お金集めて計画するだけだったけどね。


 ミリアさんに両替してもらったお金は現段階では使う予定はないので全部吸収しておいた。これで手持ち魔力は、大体魔法に(340,000)とフォンに(100,000)となった。


「じゃあやりますか。自宅改築(150,000)」


 変化がわかるように外に出ていたのだが、一瞬光ったと思ったら次の瞬間にはもう改築は終わっていた。

まったく、情緒も何もあったもんじゃない。


 ――うん、情緒のないでき方の割には悪くない。

中を調べてみると一階はいかにも町の小さな酒場といった内装で、二階はリビング、寝室、客室で3つの部屋があった。

 あとは看板かな?

 外に出てふと店の名前が決まっていないことに気がつく。

 突然ですが皆さん、ネーミングセンスを売ってるところ知りませんか? (10,000)までなら出そうとおもいます。

 ……どーしよ。


「ワン!」


 キュートでプリティーな声がする。


「おまえ来てくれたのかー。かわいい奴め」


 来てくれるの2回目だしそろそろ名前決めてもいいよね?

それにしてもこいつ撫でるとほんと気持ちよさそうにするんだよなー。

ほれほれ、気持ちいいか?


「あらあらユウちゃん、楽しそうね~」


 ミリアさん急に出てくることもできるんだ。

本人がいなくても怖くて歳の話できねぇよ。


「痛っ。……なんですかミリアさん」


「ごめんね?

よくわからないんだけどなんだか木の実をぶつけた方がいいような気がしたの」


 考えることもダメだというのか……。

セキュリティが硬すぎる。


「ゴホン。とりあえずユウちゃんはやめてください。

全力で無視を決め込みたくなるぐらい恥ずかしいです」


「そう~?

じゃあユウたんかユウりん、好きな方を選びなさい?」


 だめだ、この人のネーミングセンス俺よりひどい。早くどうにかしないと。

仕方ない。肉を断たれても骨を守らなければ。


「せめてユウくんでお願いします」


「わかったわ、ユウくん。

それにしても、もう王女様と仲良くなるなんて隅に置けないわね~」


 こらこらミリアさんに向かって吠えちゃダメだぞ?

あごの下、耳の後ろのコンボにはかなうまい。ふははははは。


「王女様ってだれですか?

お会いしたことがないと思うんですが」


「あらあら、気づいてなかったの~? えいっ」


「何に気づいてな……」


「サイトウ! 我は王女だといったはずだが!?」


 ん? キュートでプリティーな声がする。しかも腕の中から。

おーけーおーけー。

とりあえずいつの間にかいた女の子を放して見てみる。

大体中学生ぐらいだろうか?

フリルの付いたノースリーブシャツに足首までの長いスカート。

黒い尻尾がピンと立ち、長く綺麗な黒髪の上には犬耳がぴこぴこしている。


 よし、冷静に状況を判断しよう。

まず俺はこの子を見たことがない。訴えられるのは避けられないだろう。

それは仕方がないとしても譲れないこともある。

この子は少女であっても幼女ではない。

ここを強調して俺はロリコンではないと主張しよう。

最悪変態というのも落とし所の一つとし……アウチ。

そこのお嬢さん、人に向かって石を投げてはいけないよ?


「サイトウ! まさか我がわからんとまでいうつもりではないだろうな!

わからんとは言わせんぞ!」


 怒ったようにこっちをにらんでくる。

本能が告げている。冷静に、冷静に判断するんだ。

そう、決して

「あれ? それってわかるしか言いようなくない?」

とか言ってはいけない。

たぶん、というか間違いなくあのお犬様なのだろう。

耳や尻尾を見る限り。

よし、笑顔を浮かべるんだ。


「もちろんわかってるよ。

ただ名前を聞いてなかったからなんて呼べばいいのか困っちゃってね」


 聞くも何もワンワン以外何も聞いてないけどね。


「な、なに? 

……すまない、思い返してみれば我は名乗っていなかった。

我はこの<魔物の森>を治める王の第一子、アスフェルという。

痛かったであろう? 許してくれ……」


 耳を伏せてペタンと座り込んでしまう。

痛い、石に当たった所より心が痛みます。


「許すからそんなに落ち込まないで。

ミリアさんにぶつけられた木の実の方がよっぽど痛かったよ。

俺はアスフェルちゃんが笑ってくれてた方がうれしいな」


「……感謝する。

我も王族としてそなたのような寛容な心を持たねばならんな」


「とりあえずユウくんには木の実ぶつけて~。

お互い前より仲良くなれてよかったわね~」


 痛い。理不尽だ。断固抗議する……のは無理。


「それにしてもミリアさんって動物を人間にできるんですか?」


「うふふ~。さすがにそれ()無理よ~。

その子はもともと人型になれるからちょっとなってもらっただけよ」


 もちろん何ができるかは聞かない方針で。わかりますね?


「でもそれならアスフェルちゃん、最初から人型できてくれればよかったのに」


「そ、それはだな。我は年若い故サイトウが初めてあった人間なのだ。

それ故我の姿がおかしいのかどうかがわからん。

初対面で会うにあたって姿がおかしかったら格好がつかないであろう?

それで聞きたいのだが……そのだな。サイトウよ、我の格好はおかしくないか?」


 俺の目にはどう見てもかわいい女の子がテレながらこっちを見ているようにしか見えない。

ああ、てめえの顔とレベルが明らかに違うから同じ生き物に見えない。変じゃないかということですね?わかります。


「おかしいどころか今まで見た人の中で一番かわいいよ。

(ビクッ)……一番きれいなのはミリアさんかな」


「う、うむ。サイトウよ、世辞は言わなくてもよいぞ?」


「でもアスちゃん、そう思ってたなら言ってくれればよかったのに~。

私たくさん人を見てきたからわかるわよ?」


「いや、行動を見るにそなたの名付けや美的な感性はいまいち信用ならんのでな」


 なんという冷静な判断。幼くとも王族というわけか。


「失礼な子ね~。

ただ私のセンスにみんながついてこれていないだけよ~」


 この後しばらくの間二人の言い合いを見ていた。




登場人物が野郎優勢かと思ったらそうではなかったっていう。

わかった後も女に見えないのは勘弁してください。

奇襲成功してればうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ