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むりやり自宅警備員  作者: 白かぼちゃ
はろう、異世界
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プロローグ

はじめまして。

皆様の小説が面白かったので、勢いのままに書き始めてしまいました。

初めてなもので至らないところも多いですが、皆様の暇潰しになれば幸いです。

                              

                                白かぼちゃ

 目が覚めると、そこは白い世界だった。

いったいここはどこなのだろう?

起き上がって周りを見渡してみるが、どこまでも何もない白い世界が続いていくだけだ。


 そんな時、ふと気配を感じ振り向く。

そこには老人が立っていた。

胸まである立派な白いひげをたくわえ、穏やかな目でこちらを見ていた。

こんな人をマンガで見るたび思うことがある。


「そこのご老人、その髭はシャンプーで洗うのですか?」


 彼は答える。


「ふむ、君は髪を洗う時にシャンプーを使わないのかね?

これほどの量があればもちろん使うし、わしはトリートメントも使っておる」


 うん、考えてみれば当然だ。

己の愚問を恥じる。

ってそうじゃない。聞かねばならんことがある。


「ところでここはどこで、あなたはどのような方でしょうか?

申し遅れました、自分は斎藤 優と申します」


「おお、これは丁寧に。わしは君たちには<神>と呼ばれる存在じゃ」


「はぁ、そうなのですか。ですが<神>とは立場ですよね?

お名前は何とおっしゃるのでしょうか」


「ふむ……、この世に現れた時から神様と呼ばれておったから、名前がないことに気付かなかったのう。

これは傑作じゃ。ふぉっふぉっふぉっふぉ」


「そうなのですか? 面白い方だ。ハハハ……」


 穏やかな時間が流れていく。こういう空気っていいよね。


「そこのボケ二人! ちょっとそこに直りなさい!」


 声の方を振り向くと、そこには白い羽をもった金髪の女性が立っていた。

慈母のような微笑をたたえているが、なぜか口の端がひくついている。

いったいどうしたのだろう?


「斎藤さん! あなた目が覚めたらいきなりこんなところにいて、もっと別の反応があるでしょう!?

神様もなに普通に会話してるんですか! 彼に状況を説明してあげてください!」


 よくわからないが、俺の態度が良くなかったらしい。素直に謝っておこう。


「すみません。なにぶんこんなこと初めてなもので、何か失礼をしたなら謝ります」


「初めてに決まっているでしょう!」


「セラよ、彼も謝っておるではないか。許してあげなさい。

それにのうセラよ、初めての人と会う時には自己紹介と和やかな会話は大切なのじゃよ?」


「ダメだこいつら。話がかみ合わない……」


 セラさんの顔が引きつっている。ダメだ、原因がわからない。

ああ、僕の力不足を許してください。


「斎藤さん、話が進まないので私が説明します。ここは天界で、あなたのいた世界ではありません。

あなたは交通事故で亡くなったのですが、ちょうど天界・日本中部地区自動車事故の部に受け入れる余裕がありませんでした。

ですので別の世界で再び生きていただこうということになりお呼びしたのです」


 思い出した。そういえばそうだった。

いやー、電車じゃなくてよかったよ。賠償金やばいからね。


「それでのう、急に別の世界に行っても満足に生きることも難しかろう。一つだけ能力を渡したいと思うのじゃ。

好きなものを選ぶとよい」


「ですが斎藤さん、注意してください。能力の大きさによって相応のデメリットもつきますし

イメージ通りの能力になるとも限りません」


 ふむ、さすがに死ぬには若すぎたからもう一度生きられるのはありがたい。

だけど能力か、別に英雄になりたいとか名を残したいとかないからなぁ。

生活力のありそうな能力がベストだね。


「決めました。食料や生活用品を生み出せる能力をください」


「……微妙な能力にしましたね。以前の方々は、不死身になるだとか錬金術が使えるようになるといったものだったのですが」


「楽しく過ごせれば平凡な人生でかまわないですよ。派手なのは柄じゃないもので」


「……わかりました。それでは行ってらっしゃいませ」


「がんばるのじゃぞ」


そうして俺は意識を失い新しい世界に旅立っていった。




小市民ていいですよね。

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