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第8話 天からのメッセージ

僕が負けた日の夜、島の代表が宴を開いて商隊をもてなした。


あの女騎士さんは、キリカさんという冒険者上がりの騎士さんだった。


昔はソロの冒険者で、ランクはAだったそう。


冒険者ランクは下からG~A、Sランクまであり、ソロでAランクは相当すごいことだ。


戦いに明け暮れていた日々だったようだが、それにも飽きてきて以前から親交のあったアリルさんのもとに来たそうだ。


アリルさんはクリーク王国に拠点を持ち、世界中を商隊で駆け回っているやり手の商人だそうで、キリカさんは色々な国を巡るのも面白そうだと思ったとか。


この島には1年に1回は来る事を島民と約束しているからと、毎年来るのはさすが義理堅い。


島には1週間ほどいるそうなので、明日から特訓をキリカさんにお願いしてある。


僕は宴には参加せず、演習場にいる。


あの魔力を宿した剣術を再現してみせる!


ミリアは教会に戻っている。毎日のことだが夜祈祷がある。


その間にスキルを獲得してみせるさ。


宴で島民は警備隊を除いてみんな中央広場に行っている。


おかげで辺りはシンとしている。


「悔しくないさ。悔しくない!」


いかんいかん。感情的になれば魔力にも乱れがおきる。


心を落ち着けて、また1から魔力を体に巡らせ始める。


その一部を模擬刀に流そうとして失敗する。


「そうだよな、一度やってみてるんだからな」


そう、昔、模擬刀を持たされた日から魔力を流すのはやってみているが、成功した試しがない。


もう、流れないものだと決めつけていた。


しかし、見せられてしまったからには試さざるを得ない。


よく思い出せ、あの時のキリカさんの剣を。


魔力は確かに流れていた。どこを?そりゃあ表面を………。表面?


ピコンッ


そうか、表面に流すのか。


表面を流れる魔力は、練れば練るだけ強く、早ければ早いだけ鋭くなる。


「はあッ!」


案山子を袈裟切りにして表面に傷がついたのを確認して、少し満足した。


それから1時間ほど切り込んで、今日の所は終わりにしたのだった。


後から演習場に来た警備隊の隊員がボロボロの案山子を見て目を見開いたのはしょうが無いことだろう。


僕は獲得したスキルをミリアに報告しに教会に戻った。


――――――


ミリアは昔、教会の小間使いとして働いていた。


目が見えないミリアは物心ついたときから魔力探知でものを見ていた。


しかし、文字が読めない彼女は学ぶという事が出来ずにいた。


一時は今は亡き両親を、神を恨んだりした。


しかし、そのようなことをしても何にもならない事を悟る。


それからは周りのシスターたちの小間使いとして、その所作を学んでいった。いつか自分もと思いながら。


ある日、ミリアは聖魔法に目覚める。数日後には回復魔法にも目覚めた。


その日から彼女もシスターとして神の教えなどが教授されることになった。


そしてその素直な性格ともあいまり、島の人気者に、教会の代表とも言える存在になったのは言うまでもない。


そんな彼女が出会ったのは一風変わった顔立ちをした少年。


その少年は彼女をまっすぐ見ていた。


他の島民とは違う…、しかし、どこが違うともわからない。


なんだかもどかしい。そんな気持ちが恋心に変わるのにそう時間は必要なかった。


彼女としても初めての気持ちだった。この人なら全てを預けても…。


そして、彼も「守る」と言ってくれた。


これはやはり、初めてのことだった。


今日も彼女は神に祈る。彼の無事と彼の願いが叶うようにと。


――――――


「ミリア!僕、また新しい………、どうしたの?」


「タケルさん…」


ミリアに自慢しようと教会で夜祈祷に勤しんでいる彼女のもとを訪れる。


すると彼女は創造神像の下で膝立ちになって祈っていたのだが、涙を流していた。


あわてて持っていたタオルで拭いてあげる。


すると――


「神の、神託がありました」


「へ?」


「勇者タケルよ、わたくしと共に魔神の復活を阻止してください」


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