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13話 転入試験開始

 任務受付カウンターの部屋にたくさんの人が集まっている。そう。今日は転入試験当日なので試験の対戦相手が公開されている。

 対戦相手の名前にはそれぞれ年齢、性別、名前が記載されていた。


「私たちの対戦相手は……えーと」


「ベルゼットとランランの2人パーティーだって」


 転入試験では公平に戦うためパーティーの人数別で対戦相手が組まれていた。


 対戦相手のベルゼットは男で魔法全般を安定して使えることで任務などをたくさん達成している。噂によると所持ポイントは10万以上だとか。

 そしてランランは炎の攻撃魔法の使い手。炎の魔法の中で最も強力と言われている《バーニング》が使える事で高い戦闘力を持っている。


「2人とも強力な魔法使いだね」


「あぁ。やっぱりそう簡単には勝たせてくれないよな」


「でも、私も魔法使えるし向こうは剣術の対抗策を練ってない可能性もあるよ?」


「確かにそうかもな。相手の予想してないことをすれば隙を見せるかもしれない」


「そこをダイスくんがバシッと決めて終わりよ!」


 俺たちは、最後に気合を入れて転入試験に臨んだ。


 

 とうとうこの時が来た。この時のために俺たちは1ヶ月特訓をし続けた。今こそ俺たちの真の力を見せる時だ! 悔いの残らぬよう最後まで精一杯戦う!


 そこに対戦相手と思われる2人組が来た。


「おぅ、イリュージョン! これはこれは対戦相手の方ですね?」


「は、はぁ」


「あはぁ、ベル様のイリュージョン! あなたは選ばれし者だわ!」


「は、はぁ」


 どうやら少し変わった人のようだ。

 俺は困ったような顔で返事をした。


「ダイスくん」


「うん?」


「なにこの変な人」


「おい! 失礼だぞ! 先輩だぞ!」


「あらぁ、生意気な小娘を連れていたなんて。選ばれし者だと思っていたのに」


「あぁあ。なんかよくわかんないのに選ばれてたのに」


「よくわかんないなら別に良いじゃない」


 俺とカナが会話をしているとランランが言った。


「まぁ良いわ。この後の転入試験、簡単には勝たせないわ。覚悟しときなさい。」


 完全に対戦相手に舐められてしまったようだ。でもここまで来たらやるしかない。


 そして試験が続々と始まり、俺たちの番がやって来た。

 審判がルール説明を始める。


「これから医学魔法大学院転入試験を開始する。この試合での治癒魔法の使用、任務ポイントの掛けは一切禁止とする。

 それでは医学魔法大学院転入試験スタート!!」


「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

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