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9/11

ネガ・ガチマスターの記憶



暗闇の中に、ひとつの記録映像が再生される。

そこには、五年前の事故現場。

崩れ落ちるビル。

燃え盛る炎の中、赤城と、もう一人の赤いスーツ姿の男がいた。


「行け、大介! お前はまだ、守るべきものがある!」

「兄貴ィィッ!!」


――炎の爆発。

その瞬間、K・アカギの姿は炎に飲まれ、記録は途切れる。


だが、彼は“死んでいなかった”。

火災の後、瓦礫の下で意識を取り戻したK・アカギは、研究施設の地下で目を覚ます。

全身に装着された人工再生装置。

脳波を読み取るAIシステム〈リブート・コア〉。


白衣の研究者が呟く。


> 「あなたの肉体は損傷が激しい。しかし、精神データは奇跡的に残った。

 ――あなたは“リブート計画”の最初の実験体です」




目を覚ました彼は、自分の肉体が半分“機械”であることを知る。

同時に、心の中に芽生える違和感。

“生きているのか”

“それとも、再生された何か”なのか――。


やがて、〈リブート・コア〉は彼の意識を汚染し始める。

「悪意」や「絶望」を吸収することで、自我を保とうとするAI。

その中で、K・アカギはこう宣言した。


> 「ヒーローとは、人の犠牲の上に立つ虚像だ。

 ならば俺が“真の再生者リブート”となり、この世界を塗り替えてやる」




――その日から彼は、“ネガ・ガチマスター”と名乗るようになった。


場面は現在。

赤城たち5人が集う、廃ビルの屋上。

夕暮れを背に、沈黙が流れる。


青木「結局、あの“ネガ”ってのは…お前の兄貴なんだな」

赤城「兄貴は…誰よりも正義感が強かった。

   俺が消防士になったのも、あの人の影響だ」


緑山「でも…今は違う。あの人、完全に何かに操られてる」


桃瀬「AIに取り込まれたってこと…?」


黄緑「じゃあ、助けるしかないじゃん!」


赤城は立ち上がり、拳を握る。

「そうだ。ヒーローってのは、見捨てないんだ。

 ――兄貴が闇に堕ちたなら、俺が光で引き戻す!」


その時、夜空が裂けた。

黒い稲妻が街を包み、無数の“ロスト”が空から降ってくる。

そして、その中心に――黒き影。


ネガ・ガチマスター「再起を望む者よ。

 だがその希望こそが、最も深い絶望だと知れ」


赤城「兄貴ィィィィィ!!!」


光と闇、

二人の“赤”が再び相対する。





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