第2話 再会 ―俺たち、まだ変身できる―
夜の風が、秋の匂いを運んでいた。
かつての母校――廃校となったグラウンドに、五人が集まっていた。
赤城大介、青木仁、緑山静、黄緑楓、桃瀬桃子。
学生時代、特撮クラブとして青春を燃やした仲間たち。
それぞれの時間を経て、今、再び同じ場所に立っている。
「……まさか全員、同じメールを受け取るなんてな」
青木が腕を組む。
「どこかの悪戯かと思ったけど、あの光は……説明がつかない」
「光?」と楓が振り向く。
「私も感じたわ。体の中が熱くなるような、変な感覚」
「俺もだ。花壇の花がいきなり咲きやがって……まるで俺を呼ぶみたいに」
緑山が言う。
「……あの頃の悪ノリが、また始まるのかもね」
桃瀬が苦笑した。
「でも、悪くない。こうやってまた会えるなんて」
赤城はみんなの顔を見回した。
かつての仲間が、少し皺を増やし、それでも変わらない笑顔でそこにいる。
(……不思議だな。何かが始まる気がする)
その時、全員のスマホが同時に震えた。
画面には、新たなメッセージが浮かぶ。
> 【REBOOT PROGRAM:STANDBY】
【五色の契約、最終確認】
そして、五つの光の輪が、それぞれの画面から浮かび上がる。
赤、青、緑、黄、桃――まるで意思を持つかのように、彼らの胸へと吸い込まれた。
スマホが再び発光し、文字が変わる。
> 【REBOOT… GO… ON!】
「リブート……ゴー……オン?」
赤城が呟いたその瞬間――
五人の身体が同時に五色の光に包まれた。
眩い閃光の中で、風が渦巻く。
光が収束し、赤城は自分の身体を見下ろした。
そこには、
鮮やかな色をまとったスーツ。
掌を包むグローブ、足元には金属製のブーツ。
そして――背中には、風にたなびく長いマフラーが舞っていた。
「……おいおい、マジかよ……!」
青木が息を呑む。
「これ、どう見ても――」
「――変身スーツじゃない!」楓が叫んだ。
五人の間に沈黙が落ちた。
次の瞬間、夜風に吹かれたマフラーが一斉に舞い上がる。
「……信じられない」桃瀬が呟く。
「でも……懐かしい。この感じ」
「なぁ……」赤城が拳を握る。
「もしかして――」
青木が小さく頷く。
「俺たち、本当に……リブートしたのかもな」
夜空には、五つの光が浮かんでいた。
赤・青・緑・黄・桃――それぞれの色が交わり、
まるで五人を祝福するように輝いていた。
赤城は空に拳を突き上げた。
「――ガチレンジャー、リブート!!」
その声に呼応するように、
五人のマフラーが、風を裂いてたなびいた。




