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第33話 それでも、ひとりでいたい理由

踏み込みすぎない、でも繋がっていたい。

そんな関係も、きっとある。


「なあ、シアン。一緒にパーティ、組まないか?」


クエスト帰りの草原の風が吹き抜ける中、ユイがまっすぐにそう言った。

隣ではレントも頷いている。


「俺ら、今日だけでも手応えあったし。氷魔法とテイマーって、面白い構成だと思うんだよな」


「……ありがとう。でも、俺はパーティは組まない」


シアンの返答は、やや間を置いて返された。

驚いた様子のユイに向けて、シアンは淡く笑う。


「でも、また会えたら話したい。……友達として」


それ以上、何かを言う前にシアンは静かに立ち上がり、ロアスを連れて歩き出した。

ユイとレントはその背中を見送りながら、少し寂しそうに、でも納得したように頷いた。


「……不器用だな、あいつ」


「でも、ちょっと羨ましいよ。あんな風に信じられるものがあるのって」



その日の夕方、シアンはギルド酒場の受付にいた。


「厨房手伝い、ね。ちょうど空きがあるわよ」


そう言われて通された厨房には、スキル使用可能な作業スペースが整っていた。

氷魔法を使って冷却処理をしたり、料理スキルでスープの味を整えたり――。


厨房での仕事は静かだが、どこか心が落ち着く。

シアンにとっては戦場とは違う“自分を生かせる場所”だった。


「明日もお願いできる?」


「……はい」


そうして二日間、ギルドの厨房で働いた報酬として、彼は新たなレシピを手に入れる。


――【獲得:レシピ《パンプキンポタージュ》】


魔法と料理の交差点に、またひとつ、新しいページが加わった。


一緒に戦える。でも、同じ方向を向いて歩くわけじゃない。

そんな関係の“優しい分岐点”でした。


この物語は 毎日18時更新 です。

ロアスとの距離、シアンの歩み。これからも見守っていただけたら嬉しいです。


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