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蒼白のリヴァイアサン  作者: 黒木箱 末宝
真相開示編
22/33

異星の海へ

「──警告。貴方は銀河系の法を犯そうとしています。直ちにその行動を停止してください」

「その法はワープや直接の侵入に対するものだ。フェイク・アクアリウムや異空間拡張機能を介した方法は記載されていない」


 新型端末の警告に、空間を引き裂きつつ反論する。子供の言い訳の様なものだが、端末相手ならこれで十分だ。奴ら機械は明記されていなければそれが善とも悪とも判別できないのだ。例えそれが銀河規模の犯罪であろうともな。


「──……確当する文章が確認できませんでした。失礼しました」

「フン、良いさ。そんな事をする存在が今まで居なかっただけだからな」


 なので通ってしまう、こんな屁理屈が。

 海龍()を第一として改正された法律、その海綿の様な体たらくに鼻で笑い(噴気孔を吹かし)ながら次元に穴を開ける。

 ヨクトマシンにエネルギーと意思を叩き込み、指先に纏わせて工具の様に次元へ干渉する。たったそれだけで、私は目的地へと続く扉を開いたのだった。




「おお、ここが海龍の故郷……美しい……!」

「──汚染度3%。極めて清潔です」


 海底に開いた次元の扉を抜けた先にあったのは、身体を心地好く冷やす、青く清んだ海だった。油も殆んど浮いておらず、金属の粉何か探さなければ感じない程だ。あまりにも住み心地の良い海に、思わず身体が硬直して全身でこの海を楽しんでしまった。

 身体を打つ波が心地好く響く。この時、早く次元の扉を閉じるか、エルセラリウムに戻らなければいけなかった。だがそんな事など頭に浮かばなかった。それ程に、この海は居心地が良かったのだ、


「クククッ……ハハハハハッ!」

「──警告、脱落の危険があります」


 私はついテンションが上がり、大口を開けて笑いながら大人気なく海面へと飛び跳ねてしまったのだ。遮るもの無く降り注ぐ太陽の光を一身に浴びる。故郷の星では戦争の影響で雲が星を覆い尽くしてしまい、新たな世代は太陽を知らぬ者もいるとか。

 そこでふと、周囲の景色を見たその時だった。六つある内の一つの目が、陸地にいる一匹の生物を捕捉したのだ。

 巫女型に似た形状。黒く短い雑多な毛。黒とも白ともつかない中途半端なボディーカラーに、ハンドメイドより雑な作りの青と白のダサいカバー。


(~~~~~~!?!?!?)


 厳正生物との思わぬ遭遇。その見た目の不快感に鱗が逆立つ。何なのだあの生々しく悍ましい端末モドキはッ!? 何故端末の形を象りながら生命として存在するのだ?! 挙げ句に何だ! その小さな玩具を私に向けて何をしている! 行動の節々が癪に障る存在に、声になら無い悲鳴と怒声が半開きの口から漏れる。


 そうして原生生物に気を取られていたからだろうか。海面へと突入する最に、半開きの口に海水が侵入。水圧に押されて大事な端末を落としてしまったのだ。


「──注意、落下しました。直ちに手に取るか、安全な場所へと収納してください。繰り返します──」


 端末が初期設定の可愛げの無いアラームを鳴らしながら南美に飲まれて行く。手を何度も伸ばすが、水中で物を掴むことの何と面倒なことか。巻き起こる波に揺られ端末はするりするりと手を抜けて行く。まるで逃げるように手に納まらない端末は、やがて生成生物の移動用通路へと流されていってしまった。


「ああ、クソッ……あの原生生物めッ……!」


 端末を落とす様なトラブルの半分の原因である原生生物に妬み言を吐きながら、私は端末を探すために海底に開いた次元の扉に飛び込み、エルセラリウムへと泳いで行った。




 色彩の違う海面へと原生生物が飛び込み、海底へと向かって泳ぎエルセラリウムへと侵入。

 それを警告する端末は何処かへと流れていた為、私がその事に気が付いた時には手遅れだった。

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