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寝起きは誰でも機嫌が悪い。

サブタイトル考えるの大変です。

「おっ、また来たのか!?」

「はい、やっぱり生でダイノスをじっくり見ていたくて!」

「ははは!そんなにこいつらが好きか!よし、じゃ案内してやろう!」

「お願いします!」


マルコに案内されながら竜司とルーカは畜舎のダイノスを見て回る。やはり小回りのきくラプトルが多く、種族名も向こうと変わらずラプトルらしい。


「この子は確か、アンキーでしたよね」

「ああ、こいつはローズ。このごっつい鱗と尻尾で魔獣どもを倒してきたんだ。かわいいだろ〜」

「ほんとだ!美人さんだな、お前〜」


そう言いながらアンキロサウルス、もといアンキーのローズの首元を撫でてやると、ローズは気持ちよさそうに首をゴロゴロと鳴らした。


「え、すごい!初対面のローズにこんなに懐かれてるなんて!人見知りが激しいのに!」

「え、そう?こんなに可愛いのに?」

「お前才能あるな!ようし、他のやつも見に行くか!」

「はい!じゃまたな、ローズ!」

「グオオ!」


その後も翼竜や巨大な湖に住む魚竜類や首長竜類、果ては赤ちゃんたちまで幅広いダイノスたちと触れ合った。もはや死んでもいいと思えるほど感動しっぱなしで、ルーカとマルコはそれを見て何度も笑っていた。そんな中、竜司にある疑問が浮かぶ。


「そういえばここって、ティラノ…ティランはいないんですか?」

「…ティランか?」

「はい、自分のいた所では、ティランは1番人気だったんで!ぜひ見てみたいんです!」

「まぁ…いるにはいるが…」

「ちょっとね…」

「?」


言い淀む2人にますます疑問を抱くが、何かまずいのかと竜司も深く聞き出せない。それを見て、マルコは思わず頭を掻いた。


「よし、ティランは1匹だけいる!ここから少し離れてるが、行ってみるか!」

「ホントですか!?ひゃっほーい!」

「ちょっとマルコさん!流石に危ないんじゃ…」

「まぁまぁ、お前だって見てたろ?こいつの好かれ具合を。もしかしたら…」

「確かに気持ちはわかりますけど…何かあったらまずいですよ」

「その時は俺が責任を取るよ。それに…あいつをいつまでもあのままにしておくわけにも行かないだろ」

「わかりました…少しだけですよ」


**********


しばらくして、3人は畜舎から少し離れた大きな建物についた。他よりも明らかに頑丈な作りにもかかわらず、おびただしい数の傷がついている。まるで暴れ散らかしたあとである。


「この中にいるにはメスのティランだ。まだパートナーが見つかってないから名前はついていない。凶暴で他のダイノス達が総出で押さえつけて、ようやくここに入れたんだが…なにぶん暴れん坊んだ、気をつけてくれよ」

「は、はい」


マルコがドアを開けると、中には巨大な赤いティラノサウルスが眠っていた。その荘厳な姿たるや、寝ているだけなのに迫力がすさまじく、流石に恐竜好きの竜司も心臓が加速した。


「今は寝てるな…」

「しょうがない。リュージ、一回出るよ。下手に起こしたら大変」

「お、オーライ…」


3人は慎重に畜舎から出ようとすると、ルーカが誤って落ちている枝を踏んでしまい、パキッという音が響く。3人そろって「あ」と呟くが、もう遅い。眠っていたティランは目を覚まし、大きく吠えた。


「ご、ごめんなさい!」

「まずい、寝起きで機嫌が悪くなってやがる!おいリュージ、一旦…リュージ?」

「こ、これが本物のティラノサウルスの咆哮…!もう死んでも良い…!」

「このままじゃホントに食い殺されるよ!」


竜司を外に出すために2人がかりで引っ張るが、感涙で顔がびしゃびしゃの竜司は一向に動こうとしない。こいつもダイノスなんじゃないかと2人は思った。


「おーい、ティラノ!会えて嬉しいよ!君に会うのは俺の夢だったんだ!」

「グルル…」

「君、もしかして退屈なんじゃないか?」

「グル?」

「え、何言ってるの!?」


竜司の言葉に、ティラノサウルスは思わず唸りをやめた。ルーカ達はそれにびっくりしたが、竜司はお構いなしに話しかける。


「この建物はこんなに傷だらけで、いつでも出られるはずなのに、君はずっとここにいるんだろ?君は暴れん坊なんかじゃない、ただ動き回って遊んで欲しいだけなんじゃないか!?」

「た、確かに…安全のためにずっとここに閉じ込めていたが…」

「ただ遊びたかったの!?」


その言葉にティランはその通りだと言わんばかりに竜司に顔を近づけ、「クルル…」と鳴く。竜司はその顔に物怖じせずに手を乗せて撫でると、まるで猫のようにじゃれ付いてくる。凶暴なはずのティランが人に懐くという異常な光景に後ろに2人は空いた顎が塞がらない。


「よ〜しよし、君言葉がわかるなんて賢いな〜」

「すごいな…まさかとは思ったが、ここまでのやつとは」

「ティランを手懐けちゃうなんて…」


それを見てマルコは何かを決心したように、竜司の肩を叩いた。


「リュージ、そいつに名前をつけてやってくれないか?」

「ちょっとマルコさん!?何言ってるの!?」

「え、いいんですか!?」

「そんな簡単なことじゃないよ!名前をつけるってことは、一生を共にする相棒になるってことなんだよ!?それくらい大事なことなんだから!」


その言葉に一瞬竜司は悩んだが、すぐにティランに向き直った。


「…俺でいいかい?」

「…グルル」

「わかった。じゃあ君の名前は…()()()()。俺の故郷で一番有名な恐竜の名前だ」



やっぱティラノって言ったらこれしかないでしょ。


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