第十二回 22
「……葬儀の日取りを決めねばな」
新しい衣服に袖を通した賈瑞を前に、淡々と賈代儒は言った。
「そんな!」
推何は叫んだが、賈代儒は推何を睨めつけ、こう言った。
「故人を弔うのも儒の道じゃ」
推何は目を伏せ、何も言わず己が房に戻っていった。
賈代儒はさっそく葬儀の手配に取りかかり、あちこちへ訃報を知らせにやった。三日目には読経を始め、七日目に出棺し、ひとまず遺骸は鉄檻寺に安置して、後日あらためて戻るべき地へ送り返すこととなった。
やがて賈家の一族はこぞって弔問に訪れた。栄国府の賈赦は銀二十両を贈り、賈政もまた二十両、寧国府の賈珍も同じく二十両を包んだ。ほかの一族もそれぞれの懐具合に応じて、三両、五両と持ち寄り、とても数えきれない。さらに学友たちも金を出し合ったため、それも二、三十両ほどにはなった。
代儒の家はもともと裕福とはいえなかったが、葬儀はむしろ十分に、体裁よく執り行うことができたのである。
★★ ★
「おいで、揚州から文が届いているよ!」
賈母は宝玉へ静かに言った。
賈母は黛玉の揚州行、そしてその父である如海の病にひどく心を痛めていたが、こうして便りが届いてみると、つい微笑んでしまう。
それは宝玉も同じで、黛玉から離れるのは腸がねじれるほど苦しかったが、父娘の情を思えば、引き止めることもできなかった。
「賈母、林妹妹は……」
賈母は頬をほころばせた。
「ああ。どうやら息災のようだよ。やはり賈璉についていってもらってよかった」
だが、すぐに賈母の顔が曇る。
「だが、”あちら”の方は……」
言ってしまって、首を横に振った。
「こればかりは天の思し召しに任せるよりあるまいよ」




