領地
ハーベンを倒した時にハーベンの意識とリンクした。
もう様々な知識が脳に流れる。
え!魔族の大陸の魔王不在って本当の話だった。
それとハーベンの能力も手に入れたように力があふれ出てくるぞ。
それに7貴族の情報も・・・
7貴族は、まさに戦国時代のように互いを睨み合っている。
弱い者が負けて強い者が勝つ・・・なので色々な情報を皆に話した。
『それだと貴族を倒した者が名乗り出ると領地を支配出来るのですか・・・その領地に住む魔族をふくめて、まったくもって信じられません』
『あながち嘘では無さそうだぞ。強い者に従うのが魔族の暗黙ルールだ・・・そう言えば魔王は神に対等に戦う実力者だった』
「え!異世界には、神って居るの・・・」
『いるに決まってる。神が光なら魔王は闇だ。なので魔族は、戦いも出来ずに繁栄も出来ないまま大陸でくすぶり続けているのだろう』
「え!なんだか戦ったような言い方だな・・・」
『ああ、太古の話だ。神の眷属の人族、獣人、亜人と戦った・・・滅びた種族で巨人族がいるな』
それってギリシア神話に出てくる。
巨大な体を持つタイタンと同じだぞ。
違うのが神々の戦いで滅んだ。
嫌・・・魔王も神と同格なら神と一緒だ。
『それで魔族の大陸に行く積もりですか・・・』
「油断したら、いつ襲ってくるか分からん。それに7貴族のハーベン(3番目)とベンガル(7番目)を合わせるとジャジーニ(1番目で7貴族最大勢力)と対等になるから持って来いの話だと思わないか・・・そうなれば、襲われる心配もない」
それにハーベンの力で出来そうな気がしてきた。
ハーベンの記憶で「鏡よ、出よ」。
なんと鏡が出現。
シェリーなんか心配そうな顔だ。
意を決して入る。
ハーベンの城の謁見の間に出た。
ハーベンの死を肌で知った魔族が大勢が居た。
見た目が怖そうな奴や美少女もいたよ。
そんなビキニタイプの鎧を着た少女が、突然に話し出した。
『お前は、誰だ!』
「俺か!ハーベンを倒した者だ」
謁見の間がザワつく。
そのザワつく間に皆も入ってきた。
『あれは・・・赤竜王!』
『赤竜王を従えているのか・・・なんと・・・』
ハイデンを知ってるみたいだぞ。
なになに、俺の横に来るんだよ。
『静まれ!!・・・今からハーベンを倒した証を見せる。それでも従う気がないなら立ち去ってもかまわん』
ああ、これってハーベンの波動をみせて強き者の威厳をみせるんだ。
なので気合を入れた。
その波動がゆっくりと広がって、同じように魔族が土下座したよ。
え!なんで・・・ハーベン記憶を掘り起こす。
なんと魔王時代から続く伝統らしい。
そして、あの美少女が『我ら全員は、あなた様に従うことを、ここで誓います・・・皆の者、誓いの印だ』
え!右人差し指を噛んで血で左の手の平に『卍』を書いてるよ。
またまた記憶を掘り起こす。
なんと反抗出来ない死の誓いだった。
あ、そうだ・・・思い出した。
「ベンガルも俺が倒した。だから誰かベルガルの領地へ行って従うように言って来てくれ・・・」
またも『我が行きましょう』
あ!一瞬で消えたよ。
30分後には戻って来て、ベンガルの第1師団長、第2師団長、第3師団長、第4師団長が土下座してた。
ベンガルの領地は、6貴族から囲まれる位置に・・・
なので外交が得意なベンガルを亡くしてから、緊迫の連続だったらしい。
なので俺の申し出もすんなりと従った。
『ここは隣の領地、アルバルを攻め時かと・・・』
ああ、なんて戦い好きな美少女だ。
「それはダメだ。俺に代わって命令の徹底が出来るように下々に知らせるの先だ。それに5貴族にも知らせよ」
そんな俺にシェリーが近づいてきた。
『なんと・・・計略の前段階を・・・恐れ入ります』
え!手に持ってるのは、孫子の兵法書。
『百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり』
え!何を大声で言ってんの・・・
すぐに反応したのは、あの美少女だ。
ああ、2人で盛り上がってるよ。
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