海の戦い
ここドメラン国から様々な情報を頂いた。
そろそろランドル国へ行くか・・・
誰も見てないのを確認して、「アカ、俺とシェリーを乗せられるか・・・」
ビローンと平べったくなって俺とシェリーを包んだ。
「下か見えないようにステルスモードだ」
そして俺は、アカに触って「飛べ」の一言を唱える。
ビューンと凄い勢いで空に飛んだ。
行き先はランドル国。
そして『巡礼の矢印』を取り出す。
これって巡礼場所の大教会を指し示す矢印。
値段は金貨1枚。
『矢印はあっちです』
その方向に向かって「飛んで行けーー」
『あの国があんなに小さくなってます』
「シェリーは、飛んだことはないのか・・・」
『飛べますよ・・・しかし、こんなに速くは飛べません』
シェリーも飛べるのかよーー。
下の海をのぞき込む。
青海原が青くゆったりと、ゲ!!。
あの巡礼船が!黒い液を海に垂れ流してるぞ。
折角の風景が台無しだ。
あの船から離れよう・・・船が小さくなる。
え!なんだ。
あのでかい物は・・・大きな口だと分かった瞬間には、オリハルコンの太刀を取り出していた。
ビューンと伸びる太刀は、無数の尖った歯を掻い潜って「ズバーン!!」と突き刺す。
やっぱ頼りになるオリハルコンの太刀だ。
1回の攻撃でやっつけた。
ああ、あれがもしかしたらカリブディスか・・・とんでもない大きさだ。
それにしても助かった。
隕石を落とすにも時間が掛かってたハズだ。
海上からも飛び出す勢いだったから、ここまで来たかもしれない。
オリハルコンの太刀の瞬発力があってこそ勝てた。
すると・・・あの黒い液は、カリブディスが嫌がる液だったのか・・・早く言ってよ。
あの紫色は、カリブディスの血か・・・なんかヤバイ。
そのヤバイ奴が来た。
あっちは大ダコ・・・反対側からリヴァイアサンらしき蛇のようなものが・・・
海が透き通っているからハッキリと見える。
これってカリブディスの血が引き寄せたようだぞ。
リヴァイアサンがカリブディスに突進。
凄い動きだ。
後を追うようにクラーケンもカリブディスに取り付く。
とうとう、相手に気がついた。
ゆっくりと移動しながら互いに意識しているのが手に取るように分かる。
仕掛けるのはどっちだ。
俺の予測では、リヴァイアサンが有利だ。
あんなに大きい蛇だから・・・いや、クラーケンも黙ってやられるハズがない。
やっぱり仕掛けたのはリヴァイアサンだ。
足にガブリと噛みつき、海面を大きく飛跳ねて海面にクラーケンを叩きつける。
クラーケンがやばいぞ。
なんと飛跳ねた時に俺ら近くまで飛んで来たぞ。
それにリヴァイアサンの目とクラーケンの目が同時に俺らを見た。
気の所為ならいいのだが、間違いなく俺らを認識。
アカか俺かシェリーか・・・何かに気づいたのだろう。
そして、またも叩きつけられた。
飛沫がここまで飛んできた。
ああ、海水でべちょべちょだ。
『クリーン』
あれ!あんなに濡れていた服が乾いてるぞ。
それも汚れた部分も綺麗になってる。
便利過ぎるぞとシェリーの方を見る。それなのに下をのぞくシェリー・・・
『見てください。クラーケンの足が3本も無くなってます。クラーケンはボロボロですよーー』
俺も急いでのぞき込む。
クラーケンの足1本が漂流。
1本を食い終わって、もう1本を食いだした。
あれをたこ焼きにしたら一生分食い放題だな。
そんなバカバカしいことを考えてしまった。
『クラーケンはダメですね・・・期待したのに・・・根性がありません』
やっぱクラーケンがグロッキー気味だ。
ゆっくりと1本の足を持ち上げる。
気づいたリヴァイアサンが、その足に噛みつく。
もう何度も海面に叩きつける。
「まだ抵抗するか!その気ならやってやる!!」みたいな・・・
「よく見るんだシェリー!クラーケンはやる気だ」
『そんなバカな・・・』
クラーケンの目は、ランランと闘志にみなぎっている。
負けを認めてない証拠だ。
あ!最後の奥の手を使いやがった。
黒いスミを大量に吹きかける。
まともにスミを食らうリヴァイアサン。
あれ!変だぞ。
あんなに元気だったリヴァイアサンが痙攣してひっくり返った。
急に元気になったクラーケン。
勝ち誇ったようにムシャムシャとリヴァイアサンの頭を食いだす。
時々、こっちに目が向くのは何でだ。
俺は、いくら物好きでもリヴァイアサンを取らないって。
それにしても、これが弱肉強食なのか・・・弱い者が負けて食われる。
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