希望の世界で、君と二人きり。
奇跡。そんな不確定な感情を愛している。
理想なのか願望なのか。私だって分からない。
だけど、それが私、唯月カナの本音だ。
「あなたは? 」私はそう問いかける。
__僕は……。
彼は一瞬口ごもる。それから少しの間考えて言った。
__どう、なのかな?
柔らかく辛そうに笑う彼を見て、キュッと心が痛くなる。
「……大丈夫だよ。きっと見つかるから。だから諦めないで」
__うん。ありがとう。
彼の笑顔を見つめながら、この気持ちを何と呼ぶのかを考える。慈愛?憐れみ?
答えはまだ纏まらない。けど、今はただ、彼の力になりたいと思った。
そしていつか__きっと。
その時、私は気づくことになる。これは始まりなんだと。
私たちの出会いは偶然起きた奇跡ではなく必然だったのだ。
そうして私たちは出会ってしまった。
私の人生を変えるほどの大きな存在である君と。
そして、運命という未来の歯車は動き出して行く。
今はまだ誰も知らない物語へと向かって……。
「もう一度、奇跡の為に。君と。」
初の短編です……!
あと、引越しって大変なんですね……。最近引っ越しをしたので疲弊しています。
今後他作品も更新遅くなります……。