表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/66

〜第1章〜 7話

公爵さんが予約しているレストランは、馬車ですぐのところにあった。

レストランについて馬車を降りると、レストランから男の人が出てきて、「ルトルバーク公爵様でいらっしゃいますね。ご案内いたします。」と言った。お店の人に連れられてレストランに入ると、一番奥のスペースに私たちの席が用意されていた。店内を進んでいくと、「えっ…」という声が聞こえた。その声の方を見ると、ビオラがこちらを見て立ち尽くしている。その奥には王太子の姿も見えた。一瞬ビオラと目があったが、私は知らん顔をしてフイッと顔を背ける。

顔を背けた私はビオラがその時悔しそうな顔をしていることになんて気付かなかった。

私はそのまま用意された席に座る。公爵さんと夫人も座り、奥からシェフらしき人が出てくる。

「ルトルバーク様、ようこそお越しくださいました。ここハルぺノンの店長、ザック・ナーザーと申します。」

わざわざ店長さんが来て挨拶してくれると、公爵さんは私に目配せをしてきた。私に返事をしてみろと言っているんだろう。私は、馬車の中で公爵さんから聞いたことも踏まえて、返す言葉を考える。

「こちらこそ、いきなりの予約に対応してくださってありがとう。お料理楽しみにしておりますわ。」

公爵さんは満足そうに頷き、夫人もにこにことこちらを見ている。


それにしても、ゲームではなぜ描写が一切なかったのかと不思議になるくらいベルリディアは両親に愛されている。

ゲームでは、ベルリディアの両親はほんのちょっとしか出ていない。

例えば、悪役令嬢が断罪されるときに出てきて“お前はもうルトルバークの一員ではない”と言ったりするくらい。

でも、今私に向けられている2人の視線はそれこそたった1人の愛娘を溺愛しているお母さんとお父さんだ。

さっき挨拶に来たナーザーさんも微笑ましそうに見ていた。

このことは、私が転生した当初全く想像してなかった未来の1つ。

ま、転生してからまだ1ヶ月と経ってないんだけど。


公爵さんと夫人が喋っているのを眺めていると、早速1品目が出てきた。

まずは前菜。実は私、コース料理で何が出るかわからないんだよね。当然マナーもわからないわけで。

公爵さんと夫人を見ながら、見よう見まねで食べていく。

その後はスープ、ポワソン、ソルベ…と続いていき、デザートまで出てきた。デザートはケーキだったんだけど、なんだかとてもキラキラしている。気になった私はそれまでろくに聞いていなかった料理の説明をちゃんと聞くことにした。

「こちら、レイザーテ地方で採れたメロンを使ったスフレチーズケーキでございます。勝手ながら、ご令嬢とご夫人のケーキにはお二人をイメージしたフラワーキャンディを飾らせていただきました。公爵様のケーキにはスズランのフラワーキャンディを飾らせていただきました。」

キラキラしたものの正体は飴細工だったらしい。


ケーキを食べ終わると飲み物と焼き菓子が出てきた。

公爵さんはコーヒー、夫人と私は紅茶。

両方いただいたあと、まだお買い物は終わらないということで、すぐにレストランを出ることにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ