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〜第1章〜 6話

今日は、昨日のわがままが通ったから家族みんなでお買い物。

実はベルリディアには行動範囲制限と門限が存在する。だから、私と護衛役の人だけでお出かけする時はあまり遠くに行けないんだよね。要するに目の届く範囲に居ろよってこと。

でも今日は公爵さんと夫人が一緒だから結構遠くまで行ける。

ちなみに3人だけってわけじゃなくて、カレンや夫人付きのメイド、シャナも来ているよ。公爵さんは仕事が終わらなかったらしくて少し遅れて合流するらしいけど。


「お母様、あの宝石店気になりません?」

「あら、いいわね。御者さん、あの宝石店の横に停めて頂戴。」

夫人がそう言うと、前の方から「かしこまりました」と聞こえてくる。御者の人が手際よく宝石店の前に馬車を停めると、私は夫人より先に降りて馬車を降りようとする夫人の手を取る。夫人は少し足が弱いからね。

宝石店に入ると、お店の人が出迎えてくれた。

「いらっしゃいませ。何かご用がございましたらお声かけください。」

このお店はごく最近にできたらしく、私もよく通る大通りにあるお店だけど今日初めて見た。

ショーケースに並んでいるアクセサリーは大きいものから小さいものまで様々だけど、意匠が凝っている。

「あら、このネックレス良いわね。」

夫人は早くもアクセサリーを購入していっている。私も何か買おうかな。

店内を見て回ると、あるブローチが目に入った。そのブローチはバラをかたどった小さめの物なんだけど、花弁が虹色なんだよね。それぞれの花弁に別の宝石が使われている。

私がそのブローチを見ていると、お店の人が話しかけてきた。

「そのブローチは一点ものでして飾ってあるものしかないんですよ。」

「そうなのね。使われている宝石は何なのかしら?」

「パーティーカラーダイヤモンドが主ですが、ルビーやサファイア、ペリドットなども使用されております。」

ふぅん…と思いながら、お店の人にケースから出してもらったブローチを眺める。

「あら、そのブローチ素敵じゃない。買ったらどう?ベル。」

夫人が隣から覗き込んで、さらに“お金使って経済回すのも私達の立派な役目なのよ〜”と言っている。

私はなるほど、と思った。確かにたくさんお金を持っているのに使わないのはもったいない。しかも、経済を回すのは国のためになるから、欲しいもの・気になったものは買っちゃうべきかも。

「このブローチください!」

お店の人は「かしこまりました」と言って一旦お店の奥に行って、ブローチの保証書を持ってきた。

「代金はルトルバーク公爵家に請求してちょうだい。」


私はブローチを帽子につけて、夫人はネックレスや指輪をつけて、馬車に戻ると公爵さんが待っていた。

「2人とも、昼食を取らないかい?レストランを予約しているんだ。」

もうそんな時間なんだと思っていると、外から御者さんの「行き先は“レストランハルペノン”でよろしいですか?」と言う声が聞こえてくる。

公爵さんが「ああ。」と答えると、馬車は動き出した。

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